記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
最終更新日:
● 質問
副業で売上が立つようになったので、開業届を出そうと考えています。ただ、来年以降はこのレベルの売上が立つ予定はなく、開業届を出すと、売上が下がっても毎年確定申告をしなければいけないなら面倒だなと思っています。
ネット上ではいろんな意見があるのですが、正しくはどうなのでしょうか?

● 回答
フリーランスになるなら開業届を出さなきゃ。でも、出したら収入が少なくても毎年確定申告が必要になるって本当?
これから事業を始める方や、副業に挑戦する方の間でよく聞かれる疑問です。
結論から言うと、所得がなければ確定申告の義務はありません。
Q1. 開業届を提出すると、毎年必ず確定申告をしなければなりませんか?
A. いいえ、開業届の提出と確定申告の義務は無関係です。
「開業届を出した=納税義務が発生する」というルールはありません。確定申告が必要かどうかを左右するのは、開業届の有無ではなく、その年の所得金額です。
Q2. 確定申告が必要になる基準は何ですか?
A. 1年間の所得(売上ー経費)が一定額を超えた場合に義務が生じます。
具体的には、以下の基準を超えた場合に確定申告が必要になります。
| 区分 | 基準となる所得額 | 備考 |
|---|---|---|
| 個人事業主・フリーランス | 95万円超 | 2025年分以降(改正後) |
| 会社員の副業 | 20万円超 | 本業で年末調整を受けている場合 |
※2024年分までは、個人事業主の基礎控除額の関係で「48万円」が基準でしたが、2025年分からは「95万円」に引き上げられています。
Q3. 開業届を出していても、確定申告をしなくていいのはどんな時?
A. 「所得がゼロ(赤字)」または「基礎控除以下」の場合などです。
以下のようなケースでは、たとえ開業届を提出済みであっても確定申告の義務はありません。
- 所得が赤字、またはゼロの場合
売上よりも経費の方が多かった場合など。 - 所得が基礎控除額(95万円)以下の場合
2025年分以降の基準です。 - 副業所得が20万円以下の場合
会社員として本業の給与があり、副業の所得が20万円を下回る場合。
Q4. 逆に、開業届を出していなくても確定申告が必要なことはありますか?
A. はい、あります。
確定申告は所得に対して課されるものなので、開業届の提出有無は関係ありません。
開業届を出さずに事業を行っていても、所得が95万円を超えれば申告が必要です。
「開業届を出していないからバレない・申告しなくていい」というのは大きな誤解ですので注意しましょう。
Q5. なぜ「開業届を出すと確定申告が必須になる」という誤解が広まっているの?
A. 主に以下の3つの混同が原因と考えられます。
- 青色申告との混同
節税メリットの大きい「青色申告」を行うには開業届が必要です。そのため、「開業=申告」というイメージが定着した可能性があります。 - 税務署からの案内の届出
開業届を出すと、税務署から確定申告時期に案内が届くことがあります。これはあくまで「案内」であり、所得がない人に義務を課すものではありません。 - 事業開始の証明との混同
「事業を始めたのだから、当然収入があるはずだ」という連想からくる誤解です。
Q6. 結局、開業届を出すメリットは何ですか?
A. 節税面やビジネスの信用面で大きなメリットがあります。
「確定申告の義務」とは別に、開業届を出すことで以下のような恩恵が受けられます。
- 最大65万円の控除が受けられる「青色申告」ができるようになる。
- 屋号付きの銀行口座が開設でき、ビジネスの社会的信用が増す。
- 小規模企業共済などの節税対策に加入できる。
- 持続化給付金や補助金の申請に必要になる。
まとめ
開業届はあくまで「事業を始めました」という行政への届け出であり、税金の計算ルールとは別物です。
「申告が面倒そうだから開業届を出さない」と考えていた方も、所得基準を正しく理解して、安心して事業のスタートを切ってくださいね。
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