記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
最終更新日:
● 質問
法人のお客様から「co.jpドメインを使いたい」というリクエストをいただくケースが増えています。私としては「そこまでの必要性はないのでは」と感じており、通常のドメインをおすすめしてきました。
ただ、改めて考えてみると、co.jpには本当にブランド価値や信頼性の向上効果があるのでしょうか? この点について整理したいと思います。

● 回答
率直に言えば、co.jpドメインには一定のブランド価値と信頼性向上の効果が期待できます。ただし、あらゆる企業にとって必須というわけではありません。
co.jpの最大の特徴は、「法人格を持つ組織のみが取得でき、1法人につき1つまで」という厳格なルールです。
つまり、ドメイン名そのものが、その企業の実在性を証明する機能を果たしているわけです。

.comや.netといった汎用ドメインは、個人でも法人でも自由に、しかも複数取得することができます。信頼性に欠ける事業者でも容易に入手可能です。
一方、co.jpは日本で正式に登記された法人のみが対象で、取得時には必要書類の提出や審査プロセスがあります。
この「公的な裏付けがある」という点が、特定の業界では重視される要因となっています。
具体的には以下のようなケースです:
- 企業間取引が中心で、取引先からの信用が重要な業種(建設、不動産、士業など)
- 新規の商談時に「きちんとした企業」という印象を与えたい場合
- 地域密着型で、老舗や安定感を打ち出したい中小企業
このような状況では、co.jpドメインが「第一印象での信頼獲得」に貢献する可能性があります。
SEOやブランディング面での実態
他方で、ブランド力の向上やSEOでの優位性に関しては、co.jpだから有利というエビデンスは存在していません。検索エンジンは「ドメインの種類」よりも「サイトの内容やユーザー体験」を評価基準としています。そのため、co.jpであってもコンテンツが薄ければ評価されませんし、.comでも充実した情報があれば上位表示は可能です。

さらに、運用面でのデメリットも考慮が必要です:
- 年間の維持コストが高額(一般的な.comは1,500円程度だが、co.jpは5,000~8,000円程度)
- 各種変更手続きに書類提出が必要で、機動性に欠ける
こうした点も含めて判断する必要があります。
企業の状況に応じた最適な選択を
ドメイン選びに絶対的な正解はなく、「その企業が誰に対してどのような印象を与えたいか」によって適切な選択肢は変わってきます。

判断の目安として:
- 法人向けビジネスが中心 → co.jpの信用力が活きる可能性が高い
- 個人向けサービスやコンテンツ重視 → .comや.ioなどでも問題ない
- 創業間もないスタートアップ → まず.comでスタートし、必要に応じて後からco.jpへ移行することも可能
制作者としてのプロフェッショナルな対応
Web制作を請け負う立場であれば、「co.jpドメインの特性とコスト構造」を正確に伝えた上で、クライアントの業種やブランド戦略に合わせた柔軟な提案をすることが専門家としての役割だと考えます。

その際には「co.jpへの強いこだわりを持つ企業も確かに存在しますが、マーケティング全体の視点では、ドメインの種類よりもサイトの中身が圧倒的に重要です」と説明することで、無駄なコストを削減しつつ、専門家としての信頼も獲得できます。
co.jpは信用を重視する法人にとって「信頼の証」として機能する面があります。しかし費用対効果を考慮すると、すべての企業に必須とは言えません。クライアント企業の事業方針、予算、ブランディングの方向性を踏まえて提案することが最善策です。
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