記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
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私はサラリーマンのまま起業しました。でも、決して順調な人生ではありませんでした。
サラリーマン時代には、上司からめいじめられて転職もしました。リストラも経験しました。独立してからも、ストレスで倒れたり、いろいろなことがありました。
起業の動機も立派なものではありませんでしたし、そんなに心の広い人でもありません。今でも自分をいじめた人の名前や顔ははっきりと覚えています(苦笑)
そんな僕も、今では事業を軌道に乗せることができました。これまで経験したたくさんのこと、これから起業する人にとって何らかの参考になるかもしれない情報を、備忘録としてまとめておきたいと思います。軽い気持ちで読んでいただけましたら幸いです。
起業にはお金がかかります! 無駄に勉強で使わないように・・・
起業・独立をする際には「想定外の出費」に備えよという記事をよく目にします。それは本当のことで、事業でも生活でも、お金はいくらあっても足りませんでした。税金にも驚かされました。会社員なら源泉徴収がありますが、独立すると、収入と売上の区別がわかりにくくなります。利益からは、もちろん税金を払わなければなりません。
そして、自分へのお給料です。最初はお給料なんかゼロです。よく、私のところに個別相談にこられる方が事業計画書のようなものを持ってこられますが、自分の報酬を月に60~70万円も想定している人がいます。はっきり言いまして、その計画に融資してくれる金融機関などないでしょう。
これから起業を目指す人は、まず、お金を大切に扱うことを覚えておいてください。自己資金を多くしておくことが大切です。資格を取るために浪費したり、使うところを間違えると、本当にお金が必要な時に困ってしまいます。起業した後ほど、想定外のいろいろなことにお金を持ち出すことになるのですから。
見込み客2倍必要の法則
起業をしたいと考えるあなたは「月にいくら稼ぐつもりでビジネスを設計されていますか?」私の目標は月100万円でした。その収益計画は「仕事をもらえるだろう」と思ったクライアントをベースに考えていました。
ところが、現実はそう甘くありませんでした。クライアントが卒業していくこと、支払いをしてくれない人が出てくること、心変わりしてしまい契約を打ち切られてしまうこと、そんなことは想定より頻繁に起こりました。
私が身に沁みて知った教訓、それは「常に新規のクライアントを獲得し続けること」の大切さです。新規顧客だけで当初計画した予算を達成し、継続してくれる人はボーナスである(その逆でもよいですが)くらいに考えておかないと、ビジネスは回らないのだと知りました。
また、「月に100万円稼ぎたいのなら、200万円稼げるチャンスを常にストックしておく必要がある」ことにも気が付きました。常に見込み客を獲得し続けること。この大切さは痛いほどわかりました。
契約書をどこまでも具体的に作る
「法律関係」というと大げさですが、顧客トラブル、クレームは起こると本当に大変です。こちらは誠心誠意やっているつもりでも、突然降ってわいてくるのがトラブルというものです。自分の責任で起こったミスやトラブルであれば納得もいきますが、理不尽な要求や返金請求などを受けることあります。
最も困るのは支払いです。支払いをしてくれない人、分割払いの約束を守らない人、契約すると言っていたのに連絡が取れなくなる人、様々です。お金に関することは、面倒くさがらずに契約書を作っておくことが必要です。自分を守るためにも、このひと手間は大切だなと思いました。
値切ってくるクライアントは要注意
この手の話は、多くの起業家がブログに綴っています。本当にそうだと思います。相手にしてはいけない客層だと思います。あなたの価値を評価していないのですから。
「価格が高い」と言ってくる人は、価格に見合ったリターンをイメージできていない人です。私の場合で言えば、起業支援やマーケティングサポートになるわけですが、例え100万円のサービスであったとしても、それ以上のリターンがあると思ってもらえれば安いと感じてもらえるということになります。
自分のサービスを購入してもらったらどうなるのか、そこをしっかりとお伝えすることは自分の責任です。ですが、伝えることをしっかりと伝えたのなら、あとはもうクライアントさんの判断です。その人がその人自身の努力、成果を信じれないのなら、それ以上、私たちが何を言っても買わないのです。ごり押しはしないほうがよいです。
また、一番やってはいけないのは「理由のない値下げ」です。仕事が欲しいから、お金をもらうことに抵抗があるから、いい人になりたいから、といったような値下げは「百害あって一利なし」です。
そしてもちろん、無理な値下げを要求してくる人に対しては、はっきり「NO」と言いましょう。最初は仕事がほしいですし、自分に自信もないでしょうから値下げしたくなることもあります。ですが、そこは耐えましょう。
自分に合ったクライアント獲得法を徹底的にやり抜く
私は正直、営業が苦手です。営業出身ですが、営業はとってもつらい仕事でした。ですので、私は営業は一切やっていません。ネットから集客してセミナーに来ていただき、私を知っていただくことに注力しています。
普段は営業を一切しない代わりに、SNSやブログ、メルマガなどから情報を発信し、ホームページのアクセスを上げることに集中して取り組んでいます。本来は人間関係からの紹介が手っ取り早いのかもしれません。ですが、私はいつまでもそれができると思いませんし、そもそも苦手です。
私の周りにも、集客のためにイベントを渡り歩いている人がたくさんいます。ですが、結局それでどれだけの人脈やクライアントが獲得できているのかと言えば、かなり怪しいものです。誰だか覚えていない名刺がたまるだけなのではないでしょうか。
私はこれまで、延べ2万人の方の相談に応じてきました。営業を一切しなくても、そのような数字を積み上げることはできるのです。ネット集客は対面による集客の10倍は難しいですが、それ故、文章を書いたり、コピーを考えたりする練習を積むことができました。
まとめ
起業をすると、毎日わからないことだらけです。予想だにしなかったところから仕事の引き合いがあったり、ほとんど行かない場所で優良顧客に出会ったり、興味なさそうだなと思っていた人が突然クライアントになってくれたり、驚きの連続でした。刺激的な毎日です。
ですが、時間にもお金にも限りがありますので、やりたいと思ったすべてのことをできるわけではありません。何に時間をかけるのか、その価値を考えて行動するようになりました。常に新しい手段を模索し、新しいことにトライして、実験をしつづけています。今はまだ、安定、平穏なんて無縁の毎日です。努力が報われていないと感じることもあります。それでも前に進むのみです。継続あるのみです。
あなたもきっと体験することになります。起業家としての最初の1年は大混乱が待っています。どんなことにも対応できる人はいないので、たくさんの不安や苦しみにも遭遇するでしょう。でも、あなたなら、きっと乗り越えることができるはずです。
自分を信じて、起業家への道を進んでください! 応援しています。
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起業18フォーラム代表。「会社で働きながら6カ月で起業する(ダイヤモンド社)」他、著書は国内外で全12冊。最小リスク、最短距離の起業ノウハウで、会社員や主婦を自立させてきた実績を持つ。自らも多数の実業を手掛け、幅広い相談に対応している。
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