記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
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長くサラリーマン生活を送っていた人が「脱サラして起業する」のは、とても勇気がいることです。
日本政策金融公庫の調査によると、起業に関心があるのに起業しない理由として最も多い理由が「自己資金が不足している」「ビジネスのアイデアが思いつかない」の2つだそうです。
起業関心層がまだ起業していない理由は「自己資金が不足している」とする割合が46.8%と最も高く「ビジネスのアイデアが思いつかない」(35.7%)「失敗したときのリスクが大きい」(34.4%)と続く
起業しない理由は人それぞれですが、やはり脱サラを考えた時に過る不安は、自己資金の不足や失敗した時のリスクが大きいことを理由に挙げる人が多いようですね。
起業に失敗したときのリスクの内容は「事業に投下した資金を失うこと」(76.3%)が最も多く「安定した収入を失うこと」(72.4%)「借金や個人保証を抱えること」(68.2%)と続く。起業費用や収入、借入といった資金面の問題をリスクとして考えている割合が相対的に高いといえる。
確かに一般的に起業はリスクが高いように思われがちですが、少ない資金、リスクで始められる起業もあり、起業18ではそんなローリスク起業法をお伝えしています。
起業への不安もよくわかりますが、脱サラして起業したからこそ得られるものもたくさんあります。ここではこれから起業を目指している人のために、脱サラで得られるもの、逆に覚悟しておかなければいけないことを紹介します。
脱サラ起業した人が得られるものとは?
不安やリスクを乗り越えて脱サラした人だからこそ手に入れられるものとは一体何でしょうか? ここでは主なメリットを6つまとめてみました。
メリット1.自由に発想できる
サラリーマンは会社という組織に属しているため、何をするにも会社の方針やルール、上司の意向などを伺わなければなりません。新しいアイデアや自由な発想を出したとしても、会社の意向にそぐわなければ、即却下されてしまいます。
一方、脱サラした人は自分がトップであり、事業の方針を決める立場なので自由自在に発想・発案することができます。実際、サラリーマン時代に温めていたアイデアやプランを起業後にビジネスに活用している人は多いようです。
自分の夢やビジョンを実現できる喜びは、何にも変えられない充足感を得られることでしょう。
メリット2.スケジュールを自分で管理できる
サラリーマンは会社の規定に基づいて行動するため、始業時間や退社時間は決まっています。選択肢は限られ、上司に頼まれたら残業もしなければいけません。その点、脱サラすればスケジュール管理は思いのまま。いつ仕事を始めてもOKですし、退社時間も自由。
自分の都合やタイミングに合わせてスケジュールを組むことができるため、規則や時間に縛られることなく行動できます。
たとえば、朝型人間なら早朝に始めて午後早くに仕事を切り上げてもいいですし、逆に夜型人間なら昼から仕事をスタートして夜遅くまで仕事するというスタイルを採用することも可能。サラリーマン時代には考えられないようなタイムスケジュールで動けるのは、脱サラした人ならではのメリットと言えるでしょう。
メリット3.成果に基づいた利益を得られる
サラリーマンの多くは、たとえ評価が上がったとしてももらえる給与には上限があります。そのため、仕事にやりがいを感じられず、ただ漫然と業務を片付けているだけという人も少なくありません。
一方、脱サラした人は自分の能力やスキルを駆使して挙げた成果はそのまま利益としてリターンされます。頑張れば頑張っただけリターンが大きくなるのでやりがいもあり、仕事への意欲も高まるのが起業ならではの利点と言えます。
メリット4.サラリーマンならではのストレスから解放される
今は実力社会だと言われつつも、組織における縦社会は未だに存在していて、様々なストレスにさらされます。
反りの合わない上司とのやり取り、同期との出世競争、後輩の世話など、サラリーマンのストレスを挙げていけばきりがありません。たとえ出世して上の立場になったとしても、縦社会に生きる以上、上下関係のストレスから逃れるのはほぼ不可能と言えます。
それに比べて、脱サラした人は誰かに縛られることはなく、自分の判断で自由に動くことができます。もちろん仕事をしている以上、ある程度のストレスはあるかと思いますが、上司に振り回されずに済むという点では心身の負担はかなり軽減されるでしょう。
メリット5.視野や交際範囲が広くなる
サラリーマンでいると、平日は朝から晩まで仕事。休日は疲れ切っているのであちこち出かけるのも面倒になり、気づけば交際範囲が会社関係や家族のみになっていた・・・という人は珍しくありません。
そのぶん視野も狭くなり、ただ会社と自宅を往復しているというケースも多いかもしれませんね。
しかし、起業すれば自分でスケジュールを組むことができるので、時間を見つけていろんな業界の人や世界とふれあうことができます。たとえば、起業18の勉強会に参加したり、これまで時間の都合で会うことができなかった友人や知人に会いに行ってみたり。
世界が広がると視野も大きくなり、人生をより豊かにすることができます。
メリット6.定年という概念がない
近年は、定年の延長や高齢者の再雇用が活発に行われています。2025年4月からは、65歳定年制が全ての企業の義務になります。
年金の受給年齢の引き上げや平均寿命の延びにより、定年後に退職金や年金だけで悠々自適に暮らせる時代ではなくなっていますが、定年後に再就職するのも難しいのが現状です。
<定年退職等の際に継続して働かず、仕事から離れてしまうと再就職は難しい>
・定年時や定年の前等に 55 歳当時の企業を退職し、ある程度時を経て再就職をした人に、再就職先の見つかり具合を尋ねたところ「すぐに見つかった」は 24.2%であり「しばらく職探しをした」が7割(70.7%)に上っている。また、そうした再就職をした人の満足度をみると「あまり満足していない」が 35.0%であり、満足していない理由は「労働条件がかえって悪くなった」が 55.2%などとなっている。
その点、独立起業した人は定年退職という概念がなく、自分の体力や気力が続く限り、いつまででも仕事を続けることができます。年齢に関係なく現役で働き続けられることそのものが、現代では大きなメリットになると言えるでしょう。
脱サラ起業する人が覚悟するべきことは?
ここまで、脱サラした人のメリットをご紹介してきましたが、当然ながら覚悟しておかなければいけないこともあります。次は、ぜひ心に留めておいてもらいたいことを3つまとめてみました。
デメリット1.収入が安定しない
多くのサラリーマンは固定給なので、たとえめざましい成果をあげていなくても、ちゃんと出社して仕事をしていれば一定の給与をもらうことができます。私の元上司なんかロクに出社もしないでも、上に覚えめでたく高給をもらっていました。一方、脱サラした人は自分で稼いだ分が全て。誰かにゴマをすっても何にもならないどころか、ゴマをする相手もいません。
その分、たくさん成果をあげればサラリーマン時代以上の収入を得ることができますが、逆に成果が芳しくなかった場合、収入も激減してしまいます。
安定した収入が得られるように事業を回していかなければならないところが、起業したばかりの多くの人が苦しむところになります。
デメリット2.生活リズムが狂いやすい
サラリーマン時代は、一日のタイムスケジュールがある程度決まっているため、大きく生活リズムが狂うことはありません。しかし、脱サラするとすべて自分の判断で動けるようになるため、生活が不規則になりがちです。
生活が不規則になると自律神経が乱れたり、健康を害する可能性も高くなるので、自己管理には十分配慮しなければなりません。
デメリット3.自分ひとりで責任を負わなければいけない
サラリーマンは組織に属しているため、仕事でミスをしたとしても、周囲のサポートやフォローを期待することができます。一方、独立起業した場合は、自分ひとりで何もかもやらなくてはならず、当然失敗した時の責任もすべて自分が負わなければなりません。
自由度が高い分、今まで以上に事前準備や、下地作りをしっかりと行わなければならないのです。
思い切って一歩を踏み出してみよう
脱サラ、独立は、それなりのリスクを抱えることになります。しかしそれ以上に、脱サラで得られるものは多く、特に収入面でハイリターンが狙えることや、誰にも縛られずに発想、行動できる自由は、本当に素晴らしい体験です。
そもそも、サラリーマンとて終生安泰とは言えない現代。どうせリスクを負うのであれば、自分の夢を実現するためのリスクを負ったほうが、後悔しない人生を送れるはずです!
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起業18フォーラム代表。「会社で働きながら6カ月で起業する(ダイヤモンド社)」他、著書は国内外で全12冊。最小リスク、最短距離の起業ノウハウで、会社員や主婦を自立させてきた実績を持つ。自らも多数の実業を手掛け、幅広い相談に対応している。
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