記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
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● 質問
バイクのパーツの販売で起業しようと考えています。古物商という扱いになるかもしれませんが、一部の車種に特化した中古車販売とオリジナルパーツの販売をしたいです。
私自身がバイクメーカーに勤めているので知識と売れ筋の感覚はあります。店舗を持たずネットだけで活動する予定ですが、市場が縮小していると聞き、本当にビジネスとして成り立つのか不安です。
会社バレも心配で、進め方の判断軸を教えてください。

● 回答
バイクパーツ販売で生計を立てる起業は、車種を絞り込み「マニアが探す部品」に特化すれば現実性があります。ただし市場は縮小局面に入っているため、汎用パーツで全方位を狙う発想だと早々に行き詰まります。
日本自動車工業会の発表によると、2024年の国内二輪車販売台数は前年比9.2%減の36万8千台でした(出典:日本自動車工業会 2024年統計)。新車市場が縮小すれば、当然パーツ需要の総量も縮小します。一方で軽二輪の中古車流通は前年比1.1%減と微減にとどまり、小型二輪中古は3.0%増。中古バイク市場は維持・微増しており、長く乗り続けるユーザーの修理・カスタム需要はむしろ強くなっています。
車種を絞ることが最優先|ニッチ特化が利益を守る

拙著『起業がうまくいった人は一年目に何をしたか?』にも書いたのですが、最初の1年はマーケットを広げず「誰の何を解決するのか」を一行で言える状態を作ることが大切です。バイクパーツの世界も同じで、過去の販売量が多く熱狂的なマニア層が残っている車種に絞ると、検索意図が明確な購買客が集まります。
- 初年度はカワサキ ZRX/ヤマハ SR400/ホンダ CB系など、生産終了モデルかつコミュニティが活発な車種に絞る
- 絞り込んだ車種のオーナーズクラブ・SNS・YouTubeチャンネルを最低5つは登録し、毎週1回チェックする習慣を作る
- ヤフオクの「終了商品」検索で過去90日の落札相場を抽出し、カスタムパーツの実勢価格を把握する
「広く浅く揃える」より「狭く深く揃える」のほうが利益率は守れます。マニアは「他で買えないパーツがある店」を一度知ると、リピーターどころか伝道師になってくれます。
古物商許可と販売チャネルの設計|先に整えるもの
中古パーツを継続的に売る場合、原則として古物商許可(自動車商)が必要になります。警察署の生活安全課で申請し、許可料は19,000円(出典:警視庁 古物商許可申請の手引き)。法人ではなく個人で取得しても問題ありません。
販売チャネルは「自社サイト」「ヤフオク」「メルカリ・ラクマ」「ジモティー」「BASE」など複数用意するのが基本です。マニア向け中古パーツは、ヤフオクの落札実績を見せることで「このお店は相場を知っている」という安心感が一気に伝わります。
- 古物商許可:警察署生活安全課で申請・許可料19,000円
- BASE/STORES:自社サイト代わりに無料で開設可・初期はここから始める
- ヤフオク:マニア層と相場形成のための主戦場
- メルカリ:若年層・初心者ライダーの取り込みに有効
- 確定申告:年間20万円を超える利益が見込まれる時点で青色申告承認申請を出す
会社バレ対策|在職中の物販で押さえる3点
在職中の物販で会社にバレる原因は、ほぼ「住民税」「同僚の通報」「商品ページの実名・住所表記」の3つに集約されます。普通徴収を選択せずに住民税が会社経由で天引きされると、給与額に対し税額がズレるため経理に気づかれます。確定申告書の第二表で「住民税は自分で納付」にチェックを入れることが第一歩です。
商品ページに本名・自宅住所を記載しないため、特定商取引法の「表記」を「請求があったら遅滞なく開示」とする方法も使えます。バーチャルオフィスやレンタル私書箱の住所を借りるのも、年間1〜3万円程度で実装できます。
会員さん事例|河野さん(仮名)45歳・大手バイクメーカー勤務

河野さん(仮名・45歳)は会社員時代、勤務先メーカーで車体設計の仕事をしていた方です。最初の半年は自己流で「人気が出そうな新型車のパーツを片っ端から仕入れる」というやり方で、約120万円分の在庫を抱え、売上はわずか月3万円。在庫が動かず資金繰りに不安を覚えて起業18フォーラムにご相談に来られました。
勉強会で「車種は絞れ・新型ではなく旧型のマニア車を狙え」というアドバイスを受け、生産終了モデルのZRX系統に特化。仕入れも新品ではなく中古フルカウル・タンクといった「個体差のある部品」に切り替え、ヤフオクで相場形成しながらBASEに自社サイトを開設しました。特化を始めて12ヶ月目には月の粗利が28万円、24ヶ月目には月45万円を超え、現在は会社員を続けながら年商600万円規模で運営されています。
河野さんが言うには「最初に一気に揃えたかったのは、不安だったからだ」と。不安なときほど絞り込みではなく拡散に動いてしまう。これは在職物販の最も典型的な失敗パターンです。
撤退ラインを先に決める|半年・1年の数字基準
バイクパーツのような縮小市場でビジネスをする場合、撤退ラインを先に数字で決めておくことが何より重要です。無期限に続けてしまうと、在庫の山と借金だけが残ります。
- 6ヶ月時点で月商10万円未満なら、車種選定が間違っている可能性が高い
- 1年時点で月商30万円未満なら、販路追加かジャンル変更を検討する
- 不良在庫が仕入額の30%を超えたら、いったん仕入れを止め在庫消化を優先する
- 確定申告で2期連続赤字なら、家計と切り離して撤退判断する

バイクパーツのようにマニアが集まる市場は、絞り込めば長く続く商売になります。逆に総合商社のような構えでは、消耗戦になって続きません。河野さんのように一度立ち止まって絞り込みを覚悟すれば、在職中でも数字は動き出します。一歩目は「あなたが本当に詳しい1車種」を紙に書き出すところから始めてみてください。
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