起業して後悔したことはありますか? 今だから言えること

新井一

記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
最終更新日:

● 質問

新井さんのいる起業支援業界も、競争が大変だと思います。

起業して後悔したことはありますか?

私は後悔しそうで、一歩踏み出せません。
 

起業前質問集
 

● 回答

会社員時代は、15年くらいはトータルであったのですが、後悔していることはたった一つだけあります。それは「もっと早くに決断するべきだった」ということです。

よく「失敗は若いうちに経験した方が良い」などと言いますが、それも当然なのですが、私の場合の後悔の理由は「もっと早くから『成功する』ということを知っておきたかった」という事です。
 
「成功」の意味は、お金を稼ぐということではなく「志すことをやりきった」という「未完了を完了させる体験」を増やすということです。

会社に帰属していた時は、だいたいどの人にも一律に作業が与えられ、全体での成果を評価されてきたわけですが、何をしても達成感は殆どありませんでした。

営業だったのですが、いくら売っても、より川上にいる人間が大きな顔をしていましたね。「評価低いなぁ」と感じていました。何をしても薄い感覚しかありませんでした。自分が頑張っても、決して周囲がそれに倣って頑張ってくれるとは限りません。

顧客からの怒りは、イチバン大きく受けるポジションでしたけど(笑)
 

脱サラ
 

私の場合、副業から今の仕事を始めたわけですが、会議などで本業が副業に影響を与えた時など、本業を邪魔に感じることが多くありました。

結果、フラストレーションが溜まり、最後まで自分で責任を追及できるように独立を決断しましたが、志すことをやりきる日々は、実に刺激的ですし、ストレスがありません。

それまで決断に至る迷いは、今でも時間の無駄だったと思っています。やりたいことをやった方が、結果、お金も幸せになるのかなと。

正直、リスク云々の前に、今の仕事をもっと早くからやっておいた方が、競争環境も楽だったかなと思います。
 

ポイント 起業して本当に成功する人とは?

起業して後悔したことは?

アイデア
 

起業して本当に成功する人とは、一瞬だけ成功する人ではなく、常に変化のできる会社を維持し続けている人です。

その視点で世の中を見通すと、その比率は低いように思います。日本の企業文化では、今後も海外勢に押され続けるでしょう。

Googleのように、無料開放したサービスを頂点にし、まず高い需要のすそ野を広げ、収益性のある企業をそのシステムに誘致するビジネスモデルなどは、日本企業にはなかなかできない発想ですよね。

旧態依然とした自社開発基盤では、アイデアのリソースが限定されるわけで、やはり、成功の秘訣は、自分以外の優秀なパートナー、異なる思想や考えを集約し、自社ブランドにまとめていく能力にあるのでしょう。

そういったチャレンジも、若い方がやり易かったかなと感じることもしばしば・・・。
 

ポイント 起業に一歩踏み出せない理由は?

起業して後悔したことは?

アイデア
 

では、過去の私自身を含めて、何故、起業に一歩踏み出せないのでしょうか? この理由は、非常に極めて単純です。

日本の会社員にとっての起業のしにくさは異常とも思うのですが、それを妨げている最大の要因は、実は、お金でも弱い意志でもありません。
それは、長く生活に染みついてしまった「保険」という考え方です。

怖いから保険に入っておく。よくわからないから、保険をかけておく。そういう発想で、人は様々な保険に入ります。自動車を持てば、自賠責保険には強制的に入ることになります。

つまり、常に守る、守られる、何かあった時にも一応大丈夫、という状態でいることが自然な状態なのです。

起業となると、全く違いますからね。怖くて当たり前です。
 

借金
 

「生活保護があるじゃん」って言える人は、そんなに多くはないでしょうし「サラリーマンに戻ればいいじゃん」「バイトすりゃいいじゃん」って言える人も少数派。

生活レベルを維持し、お金を貯めていくことがどれほど大変なのかを知る程、つまり、年齢を重ねるほど、一歩を踏み出すことが怖くなるわけです。

この記事の冒頭で「もっと早く『志すことをやりきった』経験をしたかった」と申しました。ですが、私の周りのほとんどの人は、そんなことよりも、この保険、お金のことを気にしてしまうのも事実です。

ならば「お金について安心を得ること」が、起業の一歩を早め、後悔を減らすことにつながるのかもしれません。
 

クレジットカード
 

「起業」というものは「やりたいことを仕事にする」という一面と「今まで貯金に回してきたお金や借りてきたお金を、どのように原資から増益に転換させるか」という手法のことでもあります。

「いかに消費するか」「いかに消費しないようにするか」だけを何十年も考えてきた人にとっては未知の世界であり、保守的になってしまうのは当たり前ですよね。

ですので「やりたいことを探す」のみならず、いわゆる計算「そのアイデアを通じて、今のお金をどう増やすのか」を学ぶことで、一歩踏み出しやすくなるのかもしれません。

早くに決断し、行動するといいことはもちろん、お金の知識を得ておけば楽になれるのかもしれません。


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記事執筆/監修:新井一(あらいはじめ)起業支援キャリアカウンセラー

新井一
起業18フォーラム代表。「会社で働きながら6カ月で起業する(ダイヤモンド社)」他、著書は国内外で全11冊。最小リスク、最短距離の起業ノウハウで、会社員や主婦を自立させてきた実績を持つ。自らも多数の実業を手掛け、幅広い相談に対応している。


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