記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
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東京都で起業する場合、起業者は、国や東京都および各自治体が用意する創業支援メニューを受けることができます。
特に、各自治体が用意する創業支援メニューは、それぞれ特徴があります。
もちろん、起業する場合は、ターゲットとする顧客が多い地域を選ぶことが原則です。しかし、各自治体の創業支援メニューを比較し、自分にとって活用できるメニューが多い場所を開業地として検討することも大切なポイントです。
特定創業支援事業ってなに?
特定創業支援事業とは、各自治体が取り揃えた色々な創業支援事業のうち、国の「産業競争力強化法」に基づいて認定を受けたものです。
豊島区の場合、創業者は、一定以上の期間/回数の個別相談を受け、豊島区が証明書を発行することで創業に関する様々な優遇措置を受けることができます。
特定創業支援事業の内容(豊島区)
豊島区の特定創業支援事業は、としまビジサポのビジネス専門相談員による無料個別相談です。起業に必要な4つのスキルを、1か月以上、4回以上(4つのスキルの各相談員に最低1回相談)に渡って受けることになります。
- 経営:経営理念の構築・収支計画など
- 財務:個人・法人の違い、税金の種類など
- 労務:雇用前の基礎知識、社会保険など
- 販路開拓:ブランディング、情報発信など
創業者に嬉しい優遇措置
創業者は、特定創業支援事業を利用すると、様々な優遇策・支援策を受けることができます。(参考:としまビジサポ「特定創業支援事業」)
- 法人設立時の登録免許税が半額:
法人設立(または法人化)の際に納める税金「登録免許税」が半額 - 新創業融資(日本政策金融公庫)の融資要件が緩和:
日本政策金融公庫の「新創業融資」を利用する場合の自己資金要件が免除 - 新規開業支援資金(日本政策金融公庫)の貸付利率の引き下げ:
日本政策金融公庫の「新規開業支援資金」について、貸付利率の引き下げ対象として同資金を利用可能 - 東京都の創業融資の金利が優遇:
東京都の創業融資について、特例措置として金利が0.4%優遇 - 創業関連保証の申込要件が緩和:
創業関連保証枠を利用した融資について、通常なら事業開始2ヵ月前から申込みのところ、前倒しして6ヵ月前から申込みが可能 - 国や東京都が行う補助金・助成事業の申請資格要件などにすることができる:
国が取り扱う「創業・事業承継補助金」や、東京都及び東京都中小企業振興公社が取り扱う「創業助成事業」を申請するための資格要件
制度融資って何?
制度融資とは、各地方自治体が信用保証協会や地域金融機関などと連携して、中小企業の資金調達などを支援するための制度です。
東京都の場合、東京都の制度融資と23区それぞれの制度融資があります。特に、創業者の支援は各自治体が力を入れており、利子補給や信用保証料の補助などの支援を行っています。
豊島区起業資金融資の条件
豊島区の制度融資の条件は次の通りです。豊島区では金利を全額負担していますので、創業者の金利負担はゼロととても魅力的になっています。保証料の補助はありませんが、東京都の「創業融資」の要件を満たし、かつ豊島区の「起業融資」の要件を満たす方は、都の信用保証料と区の利子補給を併用できる可能性があります。(参考:としまビジサポ「起業資金融資」)
融資上限額 | 返済期間 | 据置期間※ | 固定金利 | 利子補給 | 保証料補助 |
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1,500万円 | 84ケ月 | 6ケ月 | 1.6% | 1.6% | 無し |
※据置期間とは、元本を返済せず利子だけ返済する期間を言います。
豊島区が用意する主な創業支援メニュー
豊島区では、創業者向けに、創業を総合的にサポートする、としまスタビズ(としまスタートアップビジネス)メニューを提供しています。豊島区で起業を予定する方は、無料で、次のような創業支援メニューをうけることができます。
豊島区の補助金
創業者にとって補助金や助成金は、返済が不要ですので、有力な資金調達手段です。
豊島区の補助金・助成金以外にも、国の小規模事業者持続化補助金や東京都の創業助成事業など様々な補助金・助成金が用意されています。年度毎に要件や条件が変わりますので、補助金・助成金情報のアンテナを高くし、積極的にチャレンジする姿勢が大切です。
見本市等出展支援(参考:としまビジサポ「見本市等出展支援」)
補助対象事業 | 自社製品や技術を紹介するために国内・国外又はインターネット上で行われる見本市、展示会、博覧会 |
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対象者 | 1.区内中小企業者 2.区内中小企業者によって組織された団体 |
補助対象経費 | 出展料 |
補助金額 | ・補助対象経費(税抜)の2分の1以内 ・上限10万円(千円未満は切捨て) |
ホームページ作成支援(参考:としまビジサポ「ホームページ作成支援」)
補助対象事業 | 企業のPRや販路拡大を目的としたホームページ・ECサイト |
---|---|
対象者 | 1.区内中小企業者 2.区内中小企業者によって組織された団体 3.区内中小企業者となる予定の「起業予定者」 |
補助対象経費 | ・新設のホームページの作成にかかる外部委託経費 ・新設のECサイトの作成にかかる外部委託経費 |
補助金額 | ・補助対象経費(税抜)の2分の1以内 ・上限5万円(千円未満は切捨て) |
専門家派遣支援(参考:としまビジサポ「専門家派遣支援」)
補助対象事業 | (公財) 東京都中小企業振興公社の「専門家派遣事業」制度 |
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対象者 | 1.区内中小企業者 2.区内中小企業者によって組織された団体 3.区内中小企業者となる予定の「起業予定者」 |
補助対象経費 | 公社専門家派遣事業を受けるときに必要な経費 |
補助金額 | ・10,000円(公社派遣事業に費用1回当たり11,750円) ・1テーマ(年1回)につき8回まで派遣可能 |
としまスタートアップオフィス(参考:としまビジサポ「としまスタートアップオフィス」)
豊島区は、創業者向けにシェアデスクを提供しています。月額料金1万円で、交通の便がよく、会議室など設備が充実したオフィスを利用することができます。
※2021/年8月現在、募集は終了しています。募集時期は未定。
支援事業 | としまスタートアップオフィス(シェアデスクなど) |
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対象者 | 以下のいずれかに該当し、 オフィス利用終了後も豊区内で事業を行う予定の方 1.開業後3年以内の個人事業主 2.設立後3年以内の会社などの代表者 3.豊島区内で、上記に掲げる開業又は会社などの設立を予定している |
設備・インフラ | シェアデスク、メールボックス/ロッカー、会議室、商談室 交流コーナー、作業スペース、複合機、ネット回線など |
料金 | 1万円/月額 |
豊島区には充実した起業支援がある
豊島区では、女性起業家支援やセミナー・勉強会のイベントなど、他にも様々な創業支援メニューがあります。
豊島区以外でも検索サイトで「○○区 創業支援」で検索すると、東京23区の創業支援内容を確認することができます。
起業を成功させるためには、基本的な経営ノウハウを身に付けることや、困ったときに相談に乗ってくれるネットワークをキープすることが大切です。豊島区のようにメニューが充実している地域で、創業支援メニューを活用することをお勧めします。
さらに詳しく知るには、以下より検索してみてください!
起業18フォーラム代表。「会社で働きながら6カ月で起業する(ダイヤモンド社)」他、著書は国内外で全12冊。最小リスク、最短距離の起業ノウハウで、会社員や主婦を自立させてきた実績を持つ。自らも多数の実業を手掛け、幅広い相談に対応している。
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