記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
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豊島区は2026年現在、東京23区の中で「補助金最大20万円・登録免許税半額・新創業融資要件緩和」の3点セットを使い倒せる、起業準備に最も実利のある自治体の1つです。池袋という巨大ターミナルを活かしながら、無料のビジネス専門相談員に何度でも会える「継続支援密度」が他区と一線を画しています。
東京で起業を計画されている方から「結局どの区で開業届を出すのが得か」とよく聞かれます。答えはケースバイケースですが、創業支援の手厚さで比較するなら豊島区は必ず候補に入ってきます。
豊島区で起業すると東京23区で最もお得な3つの理由

豊島区の創業支援が23区で評価されている理由は、特定の制度が突出して有利なのではなく、「使える制度の組み合わせと、その密度」にあります。具体的には次の3点です。
- 理由1:開業支援事業補助金(最大20万円・補助率2/3)
創業後3カ月以上5年未満の中小企業・個人事業主が対象、販路開拓・デジタル化・専門家活用に幅広く使える - 理由2:特定創業支援等事業の証明書取得で6つの優遇措置
法人設立時の登録免許税が半額、新創業融資の要件緩和、信用保証枠拡大ほか - 理由3:池袋という巨大ビジネスインフラ
日本第3位の乗降客数を誇る池袋駅周辺で、無料相談・コワーキングスペース・専門家ネットワークが揃う
制度として目立つのは補助金の20万円ですが、実利としては理由2と理由3の組み合わせが大きく効いてきます。
開業支援事業補助金(開業支援コース)の詳細|最大20万円の使い方

豊島区産業振興課が運営する開業支援事業補助金は、創業期の事業者にとって現実的な助けになる補助金です。補助対象経費は税抜の3分の2以内、上限20万円が交付されます。
補助対象経費の3カテゴリ
補助対象経費は次の3カテゴリに整理されています。
- 販路開拓・拡大経費:展示会出展費、Web広告費、チラシ・パンフレット制作費
- デジタル化推進経費:ECサイト構築費、業務管理ソフト導入費、決済システム導入費
- 専門家活用経費:税理士・社労士・中小企業診断士・行政書士の顧問料
たとえばECサイト構築に税抜30万円かけた場合、20万円が補助されます。専門家活用に月3万円×6カ月=18万円かけた場合は12万円が補助されるイメージです。
申請の流れと注意点
申請から交付までの実際の流れは次のようになります。
事業実施前に申請書類を提出→審査→交付決定通知→事業実施→実績報告→交付額確定→入金、という6段階です。交付決定前に発注・契約した経費は対象外になりますので、必ず先に申請してください。
問い合わせ先は豊島区南池袋2-45-1豊島区庁舎7階・産業観光部産業振興課(電話:03-4566-2742)です。年度ごとに募集枠と要件が変わる可能性があるため、申請前に最新の募集要項を確認しましょう。
特定創業支援等事業|証明書取得で得られる6つの優遇措置

豊島区が中小企業庁の認定を受けて運営する特定創業支援等事業は、産業競争力強化法に基づく国レベルの制度です。区が指定する「経営・財務・労務・販路開拓」の4分野で1カ月以上の継続支援を受けると、証明書が交付されます。
証明書取得で得られる6つの優遇措置
- 優遇1:法人設立時の登録免許税が半額(株式会社で15万円→7.5万円、合同会社で6万円→3万円)
- 優遇2:創業促進補助金が申請可能
- 優遇3:日本政策金融公庫の新創業融資制度の自己資金要件が緩和
- 優遇4:信用保証協会の保証枠が拡大(創業関連保証 1,000万円→1,500万円)
- 優遇5:生涯現役起業支援助成金の申請対象に追加
- 優遇6:女性起業家支援メニューへのアクセス
登録免許税の半額分(株式会社で約7.5万円)だけでも、開業支援コースの補助金20万円と合わせると約27.5万円の実利になります。起業準備の段階から、特定創業支援等事業の継続支援登録を済ませておくと、実利を取り逃がしません。
東京23区の創業支援を比較|豊島区の優位ポイント

東京23区にはそれぞれ独自の創業支援メニューがあります。代表的な区の特徴を比較してみましょう。
| 区 | 補助金最大額 | 特定創業支援 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 豊島区 | 20万円 | あり(4分野) | 継続相談無料・池袋拠点 |
| 渋谷区 | 50万円 | あり | SHIBUYA STARTUP拠点・スタートアップ向け |
| 千代田区 | 20万円 | あり | 大手企業ネットワーク強い |
| 江東区 | 30万円 | あり | 豊洲拠点・中小製造業向け |
| 世田谷区 | 10万円 | あり | 女性・シニア起業向け |
補助金額の絶対値で見ると渋谷区の50万円が最大です。しかし渋谷区はスタートアップ・テック系志向が強く、豊島区は地に足のついた小規模起業に伴走してくれる支援風土があります。
3類型の起業準備パターンと豊島区の相性
新井が起業相談を受けてきた中で、自治体創業支援の使い倒し方は次の3類型に分類できます。
- 補助金狙い型:
金額の大きい区を選ぶ(渋谷区・江東区など) - 人脈狙い型:
専門家ネットワークが厚い区を選ぶ(千代田区・港区など) - ハコ狙い型:
コワーキング・相談窓口が充実している区を選ぶ(豊島区・大田区など)
豊島区はハコ狙い型と人脈狙い型のハイブリッドという立ち位置で、特に「会社員のまま起業準備を始める→個人事業主→法人成り」の段階を踏みたい方と相性が良くなっています。
会員Kさんの軌道|豊島区の創業支援をフル活用して月33.4万円へ

会員Kさん(仮名・42歳・元豊島区産業振興課職員)の軌道を紹介します。
スタート時の状況
Kさんは元々豊島区役所の産業振興課で創業支援担当を15年経験し、自治体側の制度設計・運用に深く関わってきました。在職中から「創業支援を受ける側に回って、自分で会社を作りたい」と考えており、退職後は地域中小企業向けのデジタルマーケティングコンサルとして独立する計画を立てていました。
転機|在職中に特定創業支援を内側から見ていたこと
転機は、在職中に多くの起業家を支援してきた経験から、自分の独立準備においても「特定創業支援等事業の証明書取得」を最優先で進めたことです。退職前の3カ月間で4分野の継続支援を受け、証明書を取得した状態で起業18フォーラムの勉強会にも参加しました。
活用した支援メニューと現在地点
Kさんが起業準備で活用した制度は次のとおりです。
- 特定創業支援等事業の証明書取得(登録免許税7.5万円節約)
- 開業支援事業補助金(ECサイト構築費の20万円交付)
- 新創業融資制度の要件緩和を活用、自己資金150万円で500万円融資調達
- 豊島区産業振興課経由の地元企業紹介で、初年度クライアント3社獲得
退職から24カ月後の現在は、地元中小企業7社の顧問契約を継続し、月33.4万円の安定収入を出しています。
Kさんは「資金規模を追わない、地元密着で続ける」というスタンスで、急成長より長期継続を優先する起業準備パターンを実践している方です。豊島区が手厚く支援する「ハコ+人脈」の利点が、最も活きるタイプの起業家といえます。
豊島区で起業準備を始める3ステップ|知・人・金のチカラを活用
拙著『6カ月で稼げる起業家になる』にも書いたのですが、起業準備の段階では「知・人・金」の3つのチカラをバランス良く育てることが大切です。豊島区の創業支援メニューを活用すれば、3つのチカラを並行して育てやすい環境が整います。
- ステップ1(知のチカラ):
豊島区の無料相談窓口で経営・財務・労務の基礎を学ぶ(在職中から開始可能) - ステップ2(人のチカラ):
特定創業支援等事業の継続支援を受けて専門家・先輩起業家のネットワークを構築 - ステップ3(金のチカラ):
証明書取得→開業支援補助金20万円→新創業融資制度(自己資金要件緩和)の順に資金調達
特に女性起業家支援メニューやセミナー・勉強会のイベントは、豊島区独自で充実している分野です。区の創業支援は「使い倒した人だけが得する制度」なので、申請のタイミングと書類準備を計画的に進めましょう。
東京23区での起業を検討されているなら、豊島区以外の区の支援メニューや、東京都全体の助成金制度も合わせて比較しておくと判断材料が揃います。下記の関連記事で東京全体の起業支援制度を整理していますので、併せて参考にしてください。

豊島区の創業支援は、補助金の額面だけ見れば他区にやや劣る場面もあります。それでも継続支援の密度と池袋という立地の利便性で、起業準備期にしっかり伴走してもらえる自治体の1つです。在職中から証明書取得の動きを始めれば、退職後の選択肢が広がります。
よくある質問|豊島区の創業支援活用

Q1.豊島区在住でなくても豊島区の創業支援は使えますか?
A1.開業支援事業補助金は「豊島区内に事業所を置く中小企業・個人事業主」が対象です。住居要件ではなく事業所要件のため、住所が他区でも豊島区内に登記すれば対象になります。特定創業支援等事業の継続支援も、区内事業所の登記または計画があれば受けられるケースがあります。
Q2.特定創業支援の証明書取得にはどれくらい時間がかかりますか?
A2.豊島区の場合、4分野(経営・財務・労務・販路開拓)で1カ月以上の継続支援を受ける必要があります。週1回ペースで通えば最短1カ月で完了します。継続支援は無料の窓口相談・セミナー受講・勉強会参加の組み合わせで認定されます。
Q3.補助金20万円は1人で何回まで申請できますか?
A3.開業支援コースは原則として1事業者あたり1回までの交付です。年度をまたいで複数回申請することはできません。同じ事業者でも別の補助金(東京都の助成金、中小企業庁の補助金)と併用できる場合がありますので、産業振興課に相談してみてください。
Q4.豊島区の創業支援は法人化前から使えますか?
A4.特定創業支援等事業は「これから創業する方」「創業後5年未満」の両方が対象です。法人化前の個人事業準備段階でも、継続支援を受けて証明書を取得できます。法人設立時に証明書を提出すれば登録免許税が半額になりますので、起業準備期から動き出しておくのが得策です。
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