記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
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● 質問
中小企業向けのITコンサルで起業したいと思っています。
ですが、私は本業がSEのため、会社のノウハウが身についています。会社を辞める前に副業でそのノウハウをベースに他社にコンサルして、背任行為にあたらないでしょうか?
本業とのすみわけ方法を教えてください。
● 回答
確かに、本業の延長線上の起業ネタで行く場合、その境界線は難しいことがあります。リスクマネジメントの観点から、慎重に行動されることをお勧めします。
会社に副業がバレた場合、会社側はノウハウや情報を第三者に渡していると不正を疑うことでしょう。その場合に「不正なことをしていない」と、きちんと説明できるようにしておくことはもちろん、そもそも対象顧客を変えたり、資料を流用しないなど、最初から切り分けをしておくことが大切になります。
対象顧客を中小企業ではなく、個人の起業家にされるのはいかがでしょうか? ITに弱い人はたくさんいますし、需要はあると思います。絶対にやってはいけないのは、今の会社の顧客に手を出したり、取引をしてしまうことです。それをしてしまうと、言い逃れは一切できません。
また、直接コンサルティングをする以外にも、動画講座を販売するなど、会社員のまま始めるのにより適したやり方もあります。
昼間の時間にコンサルティングは可能なのでしょうか? もし、そこを考えていなかったとすればいい機会でもあります。今の会社と競合しない形に変えてしまいましょう。
本業で身につけたノウハウをベースに起業する場合の注意点まとめ
営業秘密や機密情報の利用
身に着けたノウハウというより、会社の営業秘密や機密情報をそのものを利用して起業することは違法であり、背任行為に当たる可能性があります。
競業禁止規定
雇用契約書や労働条件に「競業禁止規定」が含まれているかどうか確認してください。特に〝退職後の期間〟や、範囲の定めに注意が必要です。
在職中の起業活動
副業を解禁する企業も増えていますが、会社の業務時間内での活動や、退職後すぐに起業することには注意が必要です。
会社の顧客や取引先との関係
会社の顧客や取引先との関係を利用してビジネスを始めることは、背任行為に当たる可能性があります。絶対にやめましょう。
心配な場合には、法律の専門家に相談することをお勧めします。法的に問題がなくとも、退職後に活動を邪魔をされることも少なくありません。
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起業18フォーラム代表。「会社で働きながら6カ月で起業する(ダイヤモンド社)」他、著書は国内外で全12冊。最小リスク、最短距離の起業ノウハウで、会社員や主婦を自立させてきた実績を持つ。自らも多数の実業を手掛け、幅広い相談に対応している。
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