開業届はどのタイミングで出すのが良いですか?

新井一

記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
最終更新日:

● 質問

開業届はどのタイミングで出すのが良いですか? まずやってしまおうと言われますが、帳簿とか付けるのは面倒なのですが。。

適切なタイミングを教えてください。
 

起業前質問集
 

● 回答

「個人事業の開業届」は「事業をして所得を得ている者として今後は確定申告します」と税務署に宣言するための書類です。開業届を出すこと自体は、事業活動そのものには何の影響もありません。

会社員として問題があるとすれば、サラリーマンを辞めた時の失業保険です。開業届を出すメリットとデメリットと併せて、以下の記事をご覧ください。

開業届を出していなくてもビジネスはできるのでしょうか?
● 質問私は写真が趣味で、東京の様々な景色を20年以上撮り続けています。同じ場所を同じアングルで撮影することも多く、時代の移り変わりを見ることができる写真の展示ポータルサイトを立ち上げようとしています。アクセスが集まりましたら、広告収入やお店紹介などを行い、お店からの情報掲載料をもらおうと考えています。私はまだ開業届も出していませんし、もちろん、法人化も考えていません。そのような状態ですが、お店と契約をしたり、請求書や領収書の発行をすることはできるのでしょうか?  ● 回答お店紹介となれば、そのよ...

開業届を出していない場合で、事業と言えるような継続収入になっていない場合には「雑所得」で申告することになります。また、所得(収入-経費)が20万円以下であれば、所得税の確定申告の必要はありません。

  • 所得が20万円を超えると、雑所得であっても申告する義務が生じます。
  • 開業届を出しても、赤字であれば申告しなくても大丈夫ですし、20万円以下の利益なら住民税の申告だけでOKです。
  • 事業所得ではなく「やはり雑所得で申告したい」ということで、所得区分を雑所得に変更することも可能です(この場合は廃業届を提出します)。
開業費として認められる代表例
  • セミナー参加費や起業関連の勉強会費用
  • 教材購入費(書籍、オンライン講座など)
  • 交通費(出張やセミナー参加時)
  • 食事・交際費(経営者や取引先との関係構築)
  • パソコンや車(10万円以上は固定資産扱い
  • 仕事用スーツ(個人事業なら経費化可能)
  • Apple Watchやスマホ(家事按分が必要な場合あり)

ポイント 開業届を出すタイミング

開業届はどのタイミングで出す?

税務署
 
1.原則は開業後1カ月
でも、いつを開業とするの? という疑問があります。売上が立った時と考えるとわかりやすいという説が有力です。
 
2.独立すると腹を決めた時
副業でちょこちょこ、隠れながらやるのが嫌になり「もうやったるぞ!」と思った時は、一番のタイミングです。法人化と違って、手続きとしては大したことがないのが実際ですから、気持ちが盛り上がった時にやってしまえばいいと思います。
 
3.本業の収入を超えた時
ちょっと遅いくらい。会社を辞めるタイミングでもありますね。
 

利益が大きい年に費用化してもいい

開業費は「費用」ではなく、最初は「資産」として計上されます。たとえば、開業費が200万円あった場合、これは最初に貸借対照表の資産の部に計上されます。そして、その後、好きなタイミングで費用に振り替えることが可能です。

  • 一括200万円を経費にしても良い
  • 複数年に分けても良い
  • タイミングは経営者が自由に決められる
過去の支出も対象になる

開業前なら何年前の支出でも対象になります。極端に言えば10年前の起業準備費用でもOKです。ただし、領収書を取っておくことが必須となります。証拠がなければ税務署に認めてもらえません。
 

法人でも同じ仕組みが使える

この開業費の仕組みは、法人でも同様に活用できます。ただし、「個人事業から法人化」する際の開業費は意味が薄くなりますので注意が必要です。


さらに詳しく知るには、以下より検索してみてください!
記事執筆/監修:新井一(あらいはじめ)起業支援キャリアカウンセラー

新井一
起業18フォーラム代表。「会社で働きながら6カ月で起業する(ダイヤモンド社)」他、著書は国内外で全13冊。最小リスク、最短距離の起業ノウハウで、会社員や主婦を自立させてきた実績を持つ。自らも多数の実業を手掛け、幅広い相談に対応している。


アイデア

会社員のまま始める起業準備・6ヵ月で起業する!【セミナー@東京/オンライン】

自分のタイミングで学びたい、セミナーは苦手、というあなたは【動画版】起業セミナー(特典付き)

ポイント この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます!