記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
最終更新日:
● 質問
クラウドファンディングに初めて挑戦しようと思っています。プロジェクトの立ち上げ方から資金を集めるコツまで、成功するために知っておくべきことを全て教えてください。
特に、目標金額の設定方法やリターン品の作り方、SNSでの発信方法など、具体的なノウハウが知りたいです。

● 回答
クラウドファンディングで成功するプロジェクトと失敗するプロジェクトには、明確な違いがあります。
クラウドファンディングは単なる資金調達の手段ではなく、あなたのアイデアやプロジェクト、夢に自分のお金を提供したいと思っている人と、資金を必要としている人を結ぶものです。
つまり、大前提として考えておかなければならないことは、応援してもらえるプロジェクトを作るということです。
自分がそのページを見て応援したいと思えないプロジェクトでは、支援は集まりません。
支援者にとっての価値を明確にする
クラウドファンディングでは、「自分が叶えたいプロジェクト」ではなく、「僕たちみんなのプロジェクト」であることを伝えることが重要です。
支援者にプロジェクトの価値を理解してもらい、興味を持ってもらうこと。これがクラウドファンディング成功の鍵となります。

プロジェクトタイトルが第一印象を決める
タイトルは、プロジェクトの第一印象を決める最重要なポイントです。
たとえば、あるシステムを作りたいと思った時、「自分の夢だったテック起業をしたい」ということではなく、なぜこのシステムが社会に必要なのかをタイトルに入れることです。
概要文は3〜5行で魅力を伝える
プロジェクトの目的と特徴を、3〜5行程度でまとめる必要があります。概要文が適当だと、本文やリターン品を見てくれないので、支援者が興味を引く内容を作りましょう。
書きたい文章を書くのではなく、支援者が読みたくなるような文章を書くということです。支援者に共感してもらえないと支援もしてもらえません。このプロジェクトの意義や目的が、どのような形で社会や地域に貢献できるのか、そこを書く必要があります。
目標金額の設定が成否を分ける
目標設定によって、どのくらいの金額を集めることができるのかが決まってきます。ポイントは、現実的に達成できそうな金額を設定することです。
よくあるケースが、支援金額を低くしすぎるケースです。たとえば、目標金額を30万円に設定したとします。掲載手数料が17%くらいかかってくるので、手元に入ってくるのが大体25万円になります。
そこから様々な費用やリターン品の経費が引かれて、大体20万円、内容によっては15万円ぐらいになると思います。
そんなプロジェクト、支援したいと思いますか?
なかなか支援したいと思わないと思うのです。友達ならギリギリ支援してくれるかもしれませんが、たまたまそのプロジェクトを見た人が支援をしたいと思えるかというと難しいでしょう。
それであれば、目標金額は150万円や200万円に設定して、人生を賭けて挑戦しますとした方が、支援金も集まりやすい。
逆に、実績も全くない状態で、いきなり1000万円集めたいと言っても、なかなか支援は集まりません。明らかに集められそうにもないような目標金額を設定するのはやめましょう。

目標金額設定の目安は30%
目標金額を設定するときの1つの目安は、目標金額の30%ぐらいは、自分の友達や知り合い、取引先で集められそうな金額設定をするということです。
というのも、支援をしてくれる人の優先順位は…
- 1つ目:家族・親族
- 2つ目:友達
- 3つ目:取引先
- 4つ目:フォロワー
- 5つ目:広告
なので、まずは家族や親族、友達が支援をしてくれるプロジェクトを作ることが極めて重要です。
募集期間は30〜45日がベスト
募集期間については、短すぎると目標金額の達成は難しく、長すぎると支援者の関心が薄れてしまいます。
一般的には30日から45日ぐらいが1番ベストと言われています。大体30日ぐらいを目安にしましょう。
そのときに、いつまでにクラウドファンディングのお金が必要なのかというところから逆算して、スケジュールを立てることも極めて重要です。
| プラットフォーム | 入金タイミング |
|---|---|
| キャンプファイヤー | プロジェクト終了の翌月末 |
| MAKUAKE | プロジェクト終了月の翌月25日 |
31日までやるプロジェクトが非常に多いですが、29日や28日でクラウドファンディングを終了する方が、サイト内のアクセスが集まりやすいというのも、1つのテクニックです。
トップ画像と動画に命をかけろ

トップページのメイン画像や動画には、1番力を入れてください。
動画は会社の紹介やPR動画ではなく、クラウドファンディングの紹介動画、リターン品の紹介動画、クラウドファンディングにかける想いの動画を作るのをお勧めします。
クラウドファンディングのページだけでなく、リールやYouTubeにもアップしましょう。
トップ画像は絶対にプロに依頼する
このトップ画像には、文字や装飾を入れましょう。スマホで撮っただけの画像などはNGです。
YouTubeと同じで、サムネイルがずらっと並んだ時に、プロジェクトを見たいか見たくないか、一瞬で判断されます。トップ画像が命です。
金額はケチらずに、プロにお願いしましょう。
プロジェクト本文の作成ポイント

AI文章だけではない、熱量を入れる
自分の人柄やプロジェクトの背景、目的、そしてなぜこの金額が必要なのかを記載するようにしてください。
- なぜその仕事をしたいのか(自分のためではなく社会/人のため)
- クラウドファンディングをなぜやろうと思ったのか
- あなたのこれまでの経歴
- 今、夢に向けて向けてどういうことをやっているのか
なるべく画像や動画を挿入するようにしてください。文字数で言うと大体3000〜5000文字ぐらいがベストです。
応援メッセージは3〜5人からもらう
応援メッセージは絶対にもらうようにしてください。可能であれば、3人から5人ぐらいの人からもらうのをお勧めします。
お世話になっている社長さんでもいいですし、仲のいい友達や取引先でもいいです。このプロジェクトはいろんな人から応援されていますということをアピールしましょう。
リターン品設計の2大原則

リターン品を設計するときに意識してほしいことは2つです。
- 1つ目:支援者が本当に欲しいと思っているリターン品を作る
- 2つ目:目標金額から逆算してリターン品を設計する
支援者が本当に欲しいものを作る
大前提として、あなたがインフルエンサーやYouTuberでないのであれば、クラウドファンディング用にオリジナルTシャツやオリジナルステッカーとかは要らないです。
支援をする人の支援理由は、そのプロジェクトが成功してほしいということです。なので、その人たちが喜んでくれるリターン品を作りましょう。
目標金額から逆算してリターン品を設計する
仮に300万円が必要なプロジェクトだったとしたら、中価格帯の5万円、高価格帯の10万円、超高価格帯の30万円や50万円のリターン品も作りましょう。
支援者数は多いのに、集まった金額は少ないみたいなケースは、このリターン品の設計がミスっているケースがほとんどです。
掲載前の事前準備が成否を決める

ページを公開する前に事前準備ができていないと、ほぼプロジェクトは失敗します。
SNSの開設は絶対必須
事前準備でまず行うことは、SNSの開設と個人連絡です。
SNSは、クラウドファンディングをやるのであれば、絶対にやってください。Facebook、Instagram、Xは必須です。できれば毎日、もしくは週3〜4回投稿しましょう。
「支援金ってページ開設したら集まるんじゃないの?」って思うかもしれません。ですが、よっぽどの有名人やインフルエンサーじゃないと無理です。
クラウドファンディングは初日が1番お金が集まりやすいので、事前に準備して発信しておきましょう。
個人連絡が大事
事前準備で行ってほしいこと2つ目は、個人連絡です。「営業なんてしたくない」って思うでしょうが、これをやらないと無理です。
友達に「クラウドファンディングをやるから支援をしてほしい」と伝えましょう。
掲載期間中のプロモーション戦略

現在の状況を随時発信する
掲載期間中は、SNSで現況を発信するようにしてください。
- 今何日で何円ぐらい集まっているのか
- 誰が支援をしてくれているのか
- リターン品でどういったものが人気なのか
- なぜこのクラウドファンディングに挑戦しようと思っているのか
同じ内容になっても問題ありません。とにかく発信し、連絡して、支援金を集めてください。そうすれば、プラットフォームのアルゴリズムで上位表示され、さらに支援金が集まるようになります。最初は自分でやるのです。
初めての挑戦では、お金が集まらないことの方が多いでしょう。私もそうでした。30万円も集まりませんでした。ですが、経験は無駄になりません。チャレンジしてみてください。
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