学生の起業が失敗する4つの理由は? アイデア実行前に要確認!

新井一

記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
最終更新日:

ネット上にある起業情報は、玉石混交です。特に素直な学生さんは、気を付けて判断していただく必要があります。

起業情報は、どれも似たり寄ったりのリライト記事ばかりで、参考にならないことも多いでしょう。すると、SNSからの情報をより信じることになると思います。ですが、SNSも「誰でも簡単に」系のインチキ情報、超高額の広告費を使う起業塾(つまりそれだけ塾生からお金を取るということです)の煽り広告で溢れかえっています。
 

学生
 

同調圧力が強く息苦しい、イノベーションが叩かれる日本社会では、起業したいと思う学生さんは「宝」です。良いことも悪いことも、きちんと伝えたいと思い、この記事を書きます。

この記事を書くにあたり、広く体験談やデータを集めようとしましたが、結論、難しかったです。起業した学生の回収数が集まらない&学生起業家の出現率が低すぎるから、というのがその理由です。それほど、学生起業はまだ「レア」な存在ですし、統計が取れないというわけです。

それ故、私自身の経験と、私のセミナーを受けてくれた学生さんたちの体験に限られますが、学生の起業が失敗する可能性が高い理由を4つ挙げて、それぞれの対処方法について解説してみます。
 

ポイント 学生の起業は「勢い」が強すぎるから失敗する

学生起業が失敗する原因

学生
 

学生で起業する人は、やりたいことが明確です。多くの社会人のように「起業したいから起業できる仕事を探す」のではなく、私の周りの学生は「やりたことがあるから起業する」と考える人の方が多いと感じています。

自分がやりたいことで起業できれば最高です。しかし「やりたい」と思う気持ちの勢いが強すぎると失敗の原因になります。なぜならば、勢いは冷静さを奪う欠点があるからです。

学生は若いため失敗を恐れません。というよりも、失敗するような気がしない状態で起業まで突っ走ります。起業が成功するまでには必ず壁があります。学生は壁にぶち当たったときに初めて冷静になるのです。

起業や経営には冷静さと勢いの両方が必要です。強すぎる勢いの対処方法は、勢いがありながらも広い視野でものごとをみることです。「早く起業したい」と焦る気持ちを優先するのではなく、事業計画をたててコツコツと準備をします。準備が足りない勢いは長続きしませんが、準備を整えた上の勢いは長く続きます。
 

ポイント 学生の起業は「ターゲット」が狭過ぎたり広過ぎたりするから失敗する

学生起業が失敗する原因

学生
 

学生が起業したいと思うときには、すでにやりたい事業やゴールが具体的に描けていることが多いです。ゴールを具体的に描くことは起業を成功させるポイントです。しかし学生は、起業する事業のターゲットがとても極端です。

ターゲットとは「顧客」です。どのような人に自分の商品を買ってほしいのかを具体的に決めておくことで、売り方も広告の仕方も変わります。ターゲットが狭すぎる人は、自分の価値観や基準をもとにして事業を考えるため、おのずとターゲットは自分と同じようなレベルに限られます。

例えば、何かを販売するとき「スマホが使えるのは当たり前」という基準で事業を計画すれば、ターゲットはスマホ世代のみになります。ターゲットが広すぎる人はサービス精神が強すぎるのです。「なんでもやります」「なんでも売ります」は、「なにもできません」「なにも売れません」と言っているようなものです。客は、欲しいものがあるから買うのであって、買う条件を持っています。条件が一番合っているものを買うため「なんでもできる」という個性のない商品は他の商品に埋もれてしまうのです。

ほどよいターゲットの範囲を決めるためには、自分なりのターゲットをイメージしてから同業他社のターゲットと比較します。ライバルになりそうな企業をみつけたら、自分が選ばれるように差別化をしましょう。
 

ポイント 学生の起業は「ピンチ」を想定していないから失敗する

学生起業が失敗する原因

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学生は失敗を恐れません。そのため起業すれば成功するイメージしかなく、ピンチに襲われるとは思っていません。しかしピンチは必ずやってきます。

学生は、社会人とは違い予備の資金がありません。ピンチに襲われたときにわずかなお金が足りずに失敗してしまう人がたくさんいます。ピンチになったときは、対処のスピードによって将来が決まります。早く対処すればするほど失敗する可能性は低くなるのです。

ピンチの種類はたくさんありますが、ほとんどはピンチを乗り切るお金があればなんとかなるものです。起業に学生も社会人もありません。やってくるに違いないピンチに備えて予備の資金を準備しておきましょう。

また、経験で乗り越えられるピンチもあります。経験値が乏しい学生は、尊敬できる起業家や先輩をみつけて、その人のたどった道のりを学んでおくと良いでしょう。最近は、本当の挫折を経験している学生は少ないと思います。受験は、第一志望に失敗してもすべり止めがあります。お金がなくなっても家族がいれば食べるに困ることはないでしょう。

学生は、本当の挫折やピンチの経験がないため、起業という夢の中でピンチを想定することができないのかもしれません。夢を現実にするには、ピンチを想定し現実的な対策を考えておくことが大切です。

ポイント 学生の起業は「起業がゴール」だから失敗する

学生起業が失敗する原因

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学生の起業が失敗する一番の原因は「起業がゴール」になっているからです。自分のやりたいことで起業できた人は、たしかにそれだけでもすごいことです。起業するまでには、体力と気力とお金も必要です。それらをすべてつぎ込んで起業できたら、ゴールにたどりついた気持ちにもなります。

しかし、起業は起業したときがスタートです。起業できただけで燃え尽きてしまうようでは失敗してしまいます。ほとんどの事業は、たくさんの客に繰り返し購入してもらうことで事業が継続しています。無事に起業できたら、次は継続して客に来てもらうための策を考える必要があるのです。事業は顧客満足度が最重要のテーマです。起業できたら自分が一番ではなく、客が自分の事業のなにに満足して、なにに不満を感じているのかを分析し続けなければなりません。

学生は、マーケティング経験のある社会人に比べるとマーケティングの実務経験が乏しいです。「起業できたからよかった」とゴールの喜びに浸るのではなく、起業できたからこそ経験不足を補う勉強をしなければなりません。
 

ポイント 学生の起業のつよみとは

学生起業が失敗する原因

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学生は社会人経験のある人よりもお金も経験も人脈も足りません。そのため起業に失敗する原因はたくさん持っています。しかし、学生だから持っているつよみもあります。それは「勢い」です。

強すぎる勢いは、失敗の原因にあるとお話ししましたが、勢いがない人は失敗することすらできません。起業にリスクはつきものですが、万が一リスクに対する準備が整う前にピンチが襲ってきても、学生の勢いがあれば猛烈な速さで対処することも可能かもしれません。

起業には経験とご縁が必須です。学生起業家は、圧倒的に経験と、経験者とのご縁が不足しています。しかし今の学生にはSNSや情報収集能力があります。自分に足りない経験は、情報収集によって補い、ご縁はSNSを使って広げることができます。わからないことは貪欲に教えを乞い柔軟に対応する、例え失敗したとしても立ち上がる強い心があれば学生の起業は、つよみはあっても弱みはないのかもしれません。
 

ポイント おわりに

学生起業が失敗する原因

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「失敗は成功のもと」ということわざがあります。学生の起業は失敗することが多いと思いますが、今成功している多く人は、学生時代に失敗の経験をしています。

学生時代の失敗は、勢いが強く猪突猛進することにあります。しかし、猪突猛進できるのは学生の特権です。失敗を恐れて起業しなければ成功に通じる道は開けません。失敗するリスクよりも挑戦しないリスクのほうが、長い目でみたときには大きいはず。

上に挙げた失敗の原因の逆を行けば大丈夫です。挑戦しましょう!


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記事執筆/監修:新井一(あらいはじめ)起業支援キャリアカウンセラー

新井一
起業18フォーラム代表。「会社で働きながら6カ月で起業する(ダイヤモンド社)」他、著書は国内外で全12冊。最小リスク、最短距離の起業ノウハウで、会社員や主婦を自立させてきた実績を持つ。自らも多数の実業を手掛け、幅広い相談に対応している。


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