記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
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● 質問
あと3カ月で会社を辞めることを決心し、起業すると上司に伝えました。
どんなことでもよいので、新井さんの経験からアドバイスをいただけますか?
● 回答
まずは、独立おめでとうございます! ついに自分らしく生きる人生を手にするのですね。
ですが、勝負はこれからです。起業すると、毎日今まで以上の真剣勝負になります。頑張りましょうね!
私の経験からアドバイスということですが、私自身ができていないこと、失敗談も含めて、こうしたらいいだろうなということをお伝えしますね。
デジタルデトックスをしましょう!
いきなり願望ですが(笑)ネットを完全に遮断し、自分が集中可能な時間を持つことが大切だなと感じます。
仕事の内容にもよりますが、パソコンに向き合わない時間を定期的に、できれば、毎日8時間働くとしたら3時間以上は持ちたいものです。全く仕事をしない日も週に2日は取りたいです。
とは言え、ネット無しの時間を生産性の低いものにしてしまうと、起業家としてはもったいない。サラリーマン時代と違い、時間が過ぎるのを待つという感覚は一切ありませんからね。
その時間は、アイデアを出すために自然の中に居てもいいでしょうし、もっと良いのはお客様や目上の人と会う時間に充てることですね。
社会にある情報というものは、インターネットの中で作られるわけではありません。現実の社会の中で起こったことが情報となり、インターネット上で人々に共有されているだけです。
その「情報を作り出す、得るための時間」を、起業する人こそ、持ちたいですね。一人、または、家族と起業すると、どうしても内側に入ってしまいがちになります。
戦略的に「休息時間」を考える
サラリーマン時代は、朝起きる時間を気にしていたと思います。朝でも、お昼寝でも、何時に起きるかが基準だったと思います。
今後は、起きることよりも、いつ寝るかを気にするようにしてください。
多くの起業家は、創業当時はそれこそ事務所に寝袋を持ち込んだり、ソファで寝たりしながら、立ち上げに取り組むものです。休息時間が少なくなりがちですから、健康こそが要ですから、そこは忘れないようにしてください。
他人に雇われ、仕事を与えられている間は、納期や期限は自分以外の誰かが決定しています。そのため、生活習慣のほとんどは、仕事のために制約を受けることになります。
起業すると、自分が決めたスケジュールを守ることに、より真剣になります。全てはコストで直接跳ね返ってくるからです。
そんな時に「何時までに寝る」という習慣は、後回しにされます。
ですので、しっかりと休憩するためにも、起業するこれからこそ、物事を効率やスピードで考え、時間単位で考える癖をなくすこと。
内容よりも時間が過ぎることを願っていた過去を忘れ、1時間にどれだけの仕事ができるかを考えましょう。
「出社時間は●時~●時」などはどうでもいいですから、できるだけ寝られる時間帯を確保するために、限られた時間を意識して仕事に取り組んでください。
たまには、接点のない人と話をする
起業するということは、専門家になることを指します。一方でそれは、視野狭窄、交際範囲が狭まるという現象につながってしまうことがあります。
もしかしますと、会社員時代もそうだったでしょうか? 同じ業界の人、同じ会社の人と飲み行くだけだったでしょうか? 仕事の話がメインになる人間関係ばかりでは、成長が限定されます。世の中のトレンド、新製品、変わった趣味や他人の生活スタイルという刺激は、多くの「別の世界に住んでいる人」がもたらしてくれるものです。
仲間内での馴れ合いが全く通用しない世界で、脳と心に刺激を与え続けて下さい。有名起業家が、ツイッターなどで他人と意見交換したりすることも、それが自分の刺激やアイデアの源泉になるという意識があるからこそです。
基礎体力を向上させよう
なぜか、起業家は身体を鍛えている人が多いです。健康への意識が高い人がたくさんいます。身体を鍛えることは、健康促進はもちろん、精神の安定にもつながります。仕事に対する情熱を維持するためにも、無心になって走る時間が必要だと言っていた友人もいました。
会社員のように、週~時間という決まりの中だけで働くわけではありませんから、24時間のフィットネスなどを利用すると便利でしょう。
集中力を維持するためには、絶対に不可欠なのは基礎体力です。その基礎体力維持に、強い関心を持つのは当然ですね。
常に柔軟に
ビジネスは、新しいもの勝ちと勘違いする人が多いですが、確かにそうとも言えますが、一人型ビジネスでは、それは難しいことが多いです。資金も労力も足りないですから。
よって、成功した事例に合わせて、似たような市場に製品やサービスを送り出すことが多くなります。それから、他社を排除するべく差別化が始まるのです。
勘違いして、競争がないように見える「ブルーオーシャン市場」を狙いたくなる気持ちはわかります。
しかし、スマートフォン市場や、それに続くアプリ開発市場も同様、新しいアイデアは必ず模倣と追従が行われます。起業する場合「自分と他人には、それほど大きな差がない」ということを認識することは重要です。
この「アイデアはいつも普遍的である」という意識をもって、消費者の視線に合わせて柔軟に変化するという習慣は、事業を長生きさせる秘訣になってきます。
出口戦略を決めておく
出口には3つあります。ひとつは、事業の撤退、もうひとつは、事業を継続する上での自分の引き際、もうひとつは、第三者とのお別れです。
中小企業の社長の高齢化もその一つかもしれませんが、引き際の判断はとても難しいものです。事業からの撤退も、社会的責任がある故、簡単に決断できない事も事実ですが、特に個人起業家の場合、大けがをする前に撤退することも時には重要となります。
第三者とのお別れとは、例えば、●●ようなお客様とは付き合わない、社員やパートナーが●●のようになったら去っていただく、といったような基準です。
もちろん、社員は簡単にクビを切ったりはできませんが、外注先やパートナーであれば、そのような対応もあり得ます。不平不満や怠慢などが目立ってくることがあれば、勇気をもって入れ替えを行うことも必要になる場面もあるでしょう。
起業して満足しないこと(そこからがスタート!)
単純に社長になりたいとか、創業者になりたいというのであれば、それは会社を設立すれば誰でも他人からはそう呼ばれます。自分自身に夢があり、それを実現する資金を得たいのならば、経営を外部に託し、自らは最高経営責任者となって運営から離れ、収益から報酬を得ることも可能です。
あなたが実現したいことな何なのでしょうか? あなたが得たいものは何なのでしょうか?
何のために起業したのか、そこを見失わないことで、幸せな起業家生活を送ることができるようになります。その目的に合った事業、働き方をデザインして、進んでいってください。
起業する人へのアドバイス【シンプルまとめ】
- デジタルデトックスをして、集中可能な時間を持つこと
- 戦略的に「休息時間」を取り、寝る時間を決めること
- 接点のない人と話をする機会を持ち、視野を広めること
- 運動をし、基礎体力を向上させること
- 柔軟に発想し、変化し続けること
- 3つの出口戦略を決めておくこと
- 起業して満足せず、目的を追求すること
頑張りましょう!
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起業18フォーラム代表。「会社で働きながら6カ月で起業する(ダイヤモンド社)」他、著書は国内外で全12冊。最小リスク、最短距離の起業ノウハウで、会社員や主婦を自立させてきた実績を持つ。自らも多数の実業を手掛け、幅広い相談に対応している。
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