副業なら開業届は出さなくていい?

新井一

記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
最終更新日:

● 質問

私は会社員で、副業のうちは開業届は出さなくも大丈夫と聞きました。これは本当でしょうか? どんな場合は必要で、どんな場合は不要なのでしょうか?
 

起業前質問集
 

● 回答

まず結論からお伝えしますと、以下の通りです。

「罰則がない」「雑所得なら不要」という点では正しいですが、事業性がある場合は法的義務があり、出さないことで大きな節税メリットを逃す可能性があります。
 

Q1. 「開業届を出さなくても罰則がない」というのは本当?

A. はい、本当です

所得税法上、事業を開始した場合は1ヶ月以内に提出する義務があると定められていますが、提出しなかったことによる罰金や刑事罰などのペナルティは現在存在しません

そのため、実務上は「出さなくてもお咎めなし」という状態になっています。
 

Q2. どんな副業でも開業届を出す義務があるのですか?

A. いいえ。その副業が「事業所得」か「雑所得」かによって異なります

  • 事業所得になる場合
    継続的・反復的に行い、営利目的があるもの(例:本格的な物販、定期的なライター業務など)。これらは原則として提出が必要です。
  • 雑所得になる場合
    単発のアンケート回答、不用品処分、趣味の延長程度の小規模なもの。これらは「事業」とはみなされないため、提出不要です。

国税庁の指針では、「記帳・帳簿保存があるか」や「収入が300万円を超えているか」などが、事業所得として認められるかどうかの大きな目安とされています。
 

Q3. 開業届を出さないことで損をすることはありますか?

A. はい。最大のデメリットは「青色申告」ができないことです

開業届を出さない(=白色申告または雑所得として申告する)場合、以下のメリットをすべて失います。

  • 最大65万円の特別控除(節税効果が高い)
  • 赤字の3年間繰り越し(副業で出た損を翌年以降の利益と相殺できる)
  • 家族への給与を経費にする(専従者給与)
  • 屋号付きの銀行口座開設(ビジネス用口座が作れない)

ポイント メリット・デメリット比較表

「自分は出すべきか?」を判断するために

「自分は出すべきか?」を判断するために、以下の表を参考にしてください。

  開業届を出すメリット 開業届を出すデメリット
税金面 最大65万円の控除など節税効果大 収入が増えると扶養から外れる可能性がある
信頼性 屋号で口座開設や契約ができる 「失業状態」とみなされず失業手当がもらえない
資金面 補助金や助成金の申請が可能になる 事務的な手間(帳簿付け)が発生する

 

ポイント あなたは出すべき? 出さなくてもいい?

状況別に整理してみました

「副業のあいだは無理に出す必要はない?」という疑問を、状況別に整理するとこうなります。
 

開業届を出したほうが良い人
  • 月数万円以上の安定した収入がある
  • 青色申告でしっかり節税したい
  • 将来的に本業(独立)を目指している
  • ビジネス用の銀行口座を作りたい
出さなくても良い(出さない方が良い)人
  • 収入が年間数万円程度の小規模・単発的なもの
  • 会社を辞めた後に「失業手当」を受ける予定がある
  • 家族の「社会保険の扶養」から外れたくない(※組合のルールによる)
  • 明らかに「ポイ活」や「趣味の範囲」での収入である

「副業だから不要」と単純に考えず、自分の副業の「規模」と「今後の予定」で判断するのが正解です。


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記事執筆/監修:新井一(あらいはじめ)起業支援キャリアカウンセラー

新井一
起業18フォーラム代表。「会社で働きながら6カ月で起業する(ダイヤモンド社)」他、著書は国内外で全13冊。最小リスク、最短距離の起業ノウハウで、会社員や主婦を自立させてきた実績を持つ。自らも多数の実業を手掛け、幅広い相談に対応している。


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