好きなことで起業、趣味で起業と言われても、全くイメージがわきません。

記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
最終更新日:

● 質問

大企業で30年以上仕事をしてきたので、一人で好きなことで起業、趣味で起業と言われても、全くイメージがわきません。

一人で食べていくとは、一体、何をするのですか?
 


 

● 回答

リスクを取って起業した人にとって、最大の利益は何でしょうか?

個人的な経験としては「時間を自由に使えるようになったこと」と言えます。雇用されて企業で働く場合、ノルマや与えられた仕事をこなすことは簡単ではありませんが、しかし、自分で仕事を作り出す必要はありません。

会社が小さい場合は、様々な業務を掛け持ちすることも多いですが、大企業になるほど、一人当たりにかかる負荷は軽くなるのが一般的です。

普通は、そのような働き方をするわけですから、一人で全責任を負い、自由に時間を使って、好きなことや趣味で仕事を作り出して稼ぐという感覚が身につかないのは当たり前ですね。
 

会社員と個人起業家との違い

好きなことで起業・趣味起業って何?


 

零細企業の場合

個人の負荷は大きいですが、成果に対する責任が大きいので、販売でも生産でも「自分が最後まで作った」という労働対価としてのやりがいは強くなります。販売店では、個人成績がそのまま自分の評価になりますし、生産現場なら思う存分自分の技術を活かすことができます。
 

中小企業の場合

上司と部下の連帯が強く、一般社員の意見は規模に比例して通りにくくなります。事業が柔軟に変わる、ある意味では朝令暮改の人間関係の下で、皆さん理不尽さに耐えながら頑張っていますね。
 

大企業の場合

序列がピラミッドのように存在していますが、労働環境は整い、合理的なシステムを備えています。個性よりも能力を一律に揃えることが重視され、人による差異を埋めようとする力が働いており、収入は高く安定していますが、社員はあくまでも歯車の一つです。
 

会社員としては、環境や安定、高給を求める場合には、やはり大企業が圧倒的有利。対して、やりがいを求める場合には、会社規模が小さい程大きくなる傾向があります。

大企業、中小企業では、昇格して自分が決裁権を持つようになるまでは、与えられた仕事を忠実にこなしていくことが至上命題ですね。一方で起業家は、一人で考え、一人で決め、一人で実行する。全く違う人生ですね。 
 

好きなことで起業、趣味で起業した人はどうやって食べているのか?

好きなことで起業・趣味起業って何?


 

起業の経験のない人は「会社を作れるのは実力のある人だけ」という大きな誤解をしています。ですが正直、会社員として頑張っている人、忍耐している人であれば、起業は誰にだってできると思います。

ネットでは「そんなわけがない」「そんな甘くない」というお話をよく見るわけですが、それは「会社員気質が抜けない人」を指しているのでしょう。確かに「この人はムリだろう」という人がたくさんいることも事実ですが、経営の実力というのは会社を経営しhていく中で育つもので、前提として能力が高いわけではありません。

ですので、起業18では、会社員を続けながら小さな事業を興し、実績を積んでいくことをお勧めしているわけです。

起業を考えた時、その後の生活が心配な人も多いでしょう。しかしながら、仮に起業して失敗しても、後に教訓として活かして再起することは「資金面さえ都合がつけば」可能なのです。経験もないうちに大きく始めて、大きく失敗するから立ち直れないのです。
 


 

例えば、フリーランスでライターとして生計を立てていたとして、それで失敗したとしても大した痛手は負わないでしょう。受注がない時は生活を切り詰めれば何とかなるでしょうし、アルバイトをしたっていいわけです。

クビになることもありませんし、ようするに、覚悟とモチベーションが8割なのだと思うのです、実際は。
 


 

一人で起業するなんて何をしたらいいのかわからないという人は多いですが、大企業のように大きな仕事をするのではなく、身近な、隣にいる人をお手伝いするレベルの仕事をする、それだけです。掃除でもいいですし、愚痴聞きでもいいですし、小さな教室で何かを教えてあげてもいいでしょう。

毎朝、満員電車に乗って営業時間に生活を合わせて、休みの日に出勤しろと言われたり、役割を与えられて好んでもいない作業を指示されるのとは、大きな違いがあります。企業に属せば、自分以外の他人が自由に自分を評価して人生を決めてしまうのですから、不満があっても我慢して仕事を続けなければなりません。

やはり好きな裁量で仕事をやっていくなら、小さくても自分で起業した方が簡単です。
 

 
 

「井の中の蛙」とは、中国の荘子の秋水篇の中に出てくる逸話が基になっていますが、これは、知らない人や無知な人を指す格言ではないと思います。自分がどの立場に属するのかを把握せず、市場や経済、あるいはトレンドなどを掴めないことを表しているのだと思います。

起業家になってみたいのでしたら、やはり、自分が置かれた環境を変えることだと思います。しかし、いっぺんに全部買えてしまうのは怖いですから、半歩、会社員のまま試してみればいいと思うのです。

起業は一般の人にとって未知の分野だと思いますが、自分を大きく成長させるきっかけになるため、一度の人生ですから、一回くらいやってもいいものだろうと思います。

好きなことや趣味で食べていく人生。ぜひ、挑戦してみてください!


さらに詳しく知るには、以下より検索してみてください!
記事執筆/監修:新井一(あらいはじめ)起業支援キャリアカウンセラー

起業18フォーラム代表。「会社で働きながら6カ月で起業する(ダイヤモンド社)」他、著書は国内外で全10冊。最小リスク、最短距離の起業ノウハウで、会社員や主婦を自立させてきた実績を持つ。自らも多数の実業を手掛け、幅広い相談に対応している。




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