起業の相談相手が一人もいない? 人脈ゼロから始める準備の考え方

新井一

記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
最終更新日:

● 質問

起業に興味はあるのですが、周りに相談できる人が一人もいません。同僚も家族も会社の話ばかりで、起業の話をできる相手がいないのです。

人脈がないと、起業準備は始められないのでしょうか?

起業前質問集

● 回答

「人脈がないから始められない」という考え、よく聞きます。でも実際は逆です。人脈は起業準備を始める前にそろえておくものではなく、準備を進める中で自然に増えていくものです。むしろ、相談相手がいない今の状態は、変なしがらみなく動けるという意味で、出発点としては悪くありません。

「強い人脈」は最初から持っていなくていい

拙著『会社で働きながら6カ月で起業する』では、人脈を「強い人脈」と「弱い人脈」に分けて紹介しています。強い人脈とは、失業したときに電話一本で仕事を紹介してもらえるような深い関係のことです。これは一朝一夕には作れません。

大事なのは、起業準備の入口で必要なのは、この「強い人脈」ではないという点です。最初は、ちょっとした感想をもらえる相手が一人いれば十分に動き出せます。今いないなら、これから一人ずつ作っていけばいいのです。

相談相手は「探す」より「反応から見つかる」

起業18フォーラム会員の鵜飼さん(仮名・30代後半・独身・ソフトウェア企業の技術職)も、まさに同じ悩みを抱えていました。職場では仕事の話しかせず、起業の話を持ち出せる相手が誰もいなかったそうです。

鵜飼さんは長いあいだ、一人で情報を集めては立ち止まる、を繰り返していました。動き出すきっかけになったのは、何気なく投稿した本業の小ワザです。社内ツールの効率化のコツをSNSに書いたところ、保存とDMが思いがけず集まりました。

ただ、その反応をどう仕事につなげればいいかは見当もつかず、ここで初めて起業18フォーラムの門をたたきました。勉強会で先輩会員の進め方を聞きながら、「誰に向けて、何を発信するか」を一つずつ言葉にしていったそうです。

気づけば、同じ関心を持つ人とのつながりが少しずつ増え、相談が向こうから届くようになっていました。人脈を探しに行ったのではなく、自分が動いた結果として人が集まってきた、という順番です。

なぜ「人脈づくり」から入ると失敗するのか

相談相手がいないと、つい「まず人脈を作らなければ」と交流会やセミナーに通おうとします。けれど、何も発信していない段階で名刺を配っても、深い関係には育ちません。これは私が支援の現場で何度も見てきた遠回りです。順番が逆なのです。

先に小さくても自分の考えや知見を外に出すと、それに反応した人が寄ってきます。その人たちは、あなたが何をしているかを知ったうえで近づいてくるので、最初から話が早いのです。人脈は「集めるもの」ではなく、「発信した結果として集まるもの」だと考えると、今やるべきことがはっきりします。相談相手がいないことを嘆くより、まず一つ発信してみる。順番を入れ替えるだけで、見える景色が変わります。

人脈ゼロから始めるときの考え方

  • 準備の入口では深い人脈は不要、感想をくれる相手が一人いれば動ける
  • 相談相手は探し回るより、自分が発信した反応の中から見つかる
  • 同じ立場の人が集まる場に身を置けば、つながりは自然に増える

もし身近に相談相手がいないなら、同じように起業準備を進めている人が集まる場に、まず見学のつもりで一度顔を出してみてください。独りで抱え込まなくていいと実感できるはずです。

今の仕事で「これ、意外とみんな知らないんだな」と感じた知識を一つ、短い文章にして外に出してみてください。その反応が、最初の相談相手を連れてきてくれます。

準備の進め方に迷ったときは、こちらも参考になります。

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相談できる人がいないと不安に感じるのは、それだけ真剣に考えている証拠です。その慎重さを持っているあなたなら、つながりは後からちゃんとついてきます。


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記事執筆/監修:新井一(あらいはじめ)起業支援キャリアカウンセラー

新井一
起業18フォーラム代表。「会社で働きながら6カ月で起業する(ダイヤモンド社)」他、著書は国内外で全13冊。最小リスク、最短距離の起業ノウハウで、会社員や主婦を自立させてきた実績を持つ。自らも多数の実業を手掛け、幅広い相談に対応している。

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