記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
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● 質問
ハンドメイドの作品を週末に作り続けて3カ月、SNSにも毎日投稿してきました。家族や友人からは「可愛い」「センスがある」と言ってもらえるのですが、Minneでは月に1件売れるかどうかで止まっています。
趣味を副業にしたい気持ちはあるのに、何を変えれば売れる側に進めるのでしょうか?

● 回答
起業18フォーラム会員の山中さん(仮名・40代後半・大手メーカー設計職15年・夫婦のみ・夜活で起業準備中)は、半年前に同じ場面で立ち止まっていました。布小物を週末に20点作り、Instagramに毎日投稿していたのに、Minneでの売上は月に1,200円。家族からは「上手」と言われ続けるのに、知らない人にはなぜか届かない。
山中さんが半年でMinne月商4万円に届いた転機は、作品を1つも増やさなかったことでした。
「作品を増やす人」と「困りごとに翻訳する人」の違い
趣味副業で止まる人と進む人を比べると、半年で出している成果の差は、努力量ではありません。日本政策金融公庫総合研究所の2019年の論文では、趣味起業家の現在の月商が100万円未満の割合は64.2%、採算が黒字基調の割合は53.4%でした。趣味を起点にした事業でも、売上目標の達成や採算づくりでつまずく人が少なくないことが、この数字にも出ています。
拙著『起業神100則』に「ドリルを売るな、穴を売れ」という考え方が出てきます。お客様が欲しいのはドリルそのものではなく、ドリルで開けた「穴」のほう。趣味の作品も同じで、買った人が解きたい困りごとは何なのか、ここを言葉にせずに作品だけ並べても、選ぶ理由が伝わらないのです。
- 新作の点数だけを毎月の目標にしている
- 商品説明欄に素材・サイズ・制作工程を並べて、買い手の悩みに触れていない
- SNSの投稿が完成写真ばかりで、誰のどんな場面で使うかを示していない
- 知り合いに「可愛い」と言われたら満足してしまう
山中さんが翻訳した「困りごと」の一言
山中さんは、起業18フォーラムの勉強会で「あなたの作品で、誰のどんな1日を変えたいですか」と問われ、その晩ノートに「同僚の40代女性が、デスクで肩がこって午後の集中力を失う」と書きました。布小物が解いていたのは、肩こりという生活の困りごとだったのです。
翌週から、ラベンダーの香り袋を、肩にかける細長い形に変え、「PCデスクの肩こり対策」というキーワードで再投稿しました。新作は1点も出していないのに、商品ページの滞在時間が2倍に伸び、月内に有料注文が5件入りました。
作品を増やす前に、商品ページの1行目を「相手が悩んでいる場面の言葉」に書き換える作業を、今夜10分だけ試してみてください。
- その作品を最も使いそうな1人を、年齢・職業・1日のシーンで具体化する
- その人が同じ場面で抱えている小さな困りごとを3つ書き出す
- 困りごとのうち、自分の作品が「ついでに」解けるものを1つ選ぶ
- 商品名と説明文の冒頭を、その困りごとの言葉に置き換える
趣味と副業の境目は「相手に名前を付けた日」
趣味のままで止まる人と、副業に育てる人の境目は、技術でも熱量でもなく、相手に名前を付けたかどうかでした。山中さんは「同僚の佳奈さん」というモデル像を商品ページに登場させただけで、似た立場の40代会社員女性が「私のことだ」と反応するようになったのです。
もし今、好きを売る前のどこで止まっているか分からないなら、この週末、自分の作品を一番喜んでくれた知人1人の名前と、その人が同じ週に困っていたことを3つだけ紙に書き出してみてください。困りごとを書き終えた瞬間に、次に作るべき1点ではなく、次に書き直すべき商品ページが見えてきます。

趣味副業は、好きを売る話ではなく、好きで誰の何を解くかを決める話です。作品を増やす前に、相手の困りごとの輪郭を1行で書ければ、次の1点はもう正しい方向に動き出しています。
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