5割以上が後悔! 起業前にやっておけばよかった10の事

新井一

記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
最終更新日:2021/08/21

やりたいことを仕事にできるし、給料だって自分の思いのまま。仕事中にいいアイデアが閃いて、いますぐにも起業したいという人もいるはずです。でも、焦ってはいけません。失敗する人の半数以上は見切り発車をしてしまった人です。

起業家の多くが、起業前に「やっておけばよかった」逆に「やらなければよかった」など、後悔した10の事をご紹介しましょう。
 

ポイント 起業家の多くが後悔した10の事

「やっておけばよかった」「やらなければよかった」

後悔ランキング
 

1.「絶対できる」という信念を揺らがないようにしておく

起業すると「できないよ」「やめとけって」と止められることが多くなります。しかし、周りから何か言われて揺らいでいるようではいけません。ソフトバンクの孫正義氏が創業期に「豆腐のように、売り上げを1丁(兆)、2丁(兆)と数えられるような会社にしたい」と話したのは有名です。そのとき従業員は「何をバカな」と信じなかったそうですが、本人がそれでも突き進むことができたのは「絶対できる」という信念を持っていたからです。
 

2.ライバル企業はどこか、ビジネスモデルの差別化を明確にしておく

失敗する人は気持ちだけで突っ走ってしまいがちです。女性起業家の場合、夢や理想を追い求める傾向が多く、社会貢献の気持ちが強いと「儲からなくてもいい」という人もいます。ですが、計画性のない起業は無謀なだけ。ライバル企業はどこか、自分のビジネスモデルは差別化できているか、起業前にどれだけ下準備ができるか、それが勝敗を分けるのです。
 

3.ビジネス書などに影響されすぎないようにしておく

起業前に、ビジネス書を読みあさる人がいます。読むのは構いませんが、それらを鵜呑みにしないことが大切です。読んだことで気持ちが高揚し、あたかも自分が成功した気分になるのは無駄なことです。また、自分の理念にあった”都合の良いところ”ばかり拾い読みしていませんか?自分にとって痛い話にも耳を傾け、失敗にも成功にも、真摯に向き合う姿勢と分析力が必要です。
 

4.資金は少なく、イニシャルコストを下げる

起業前には自治体や国の助成制度を探してチェックしておきましょう。審査や条件などがありますが、うまくいけば支援金を調達できるかもしれません。ただし、最初から外部の機関に頼り、お金を調達するような思考は腰高経営になりがちです。なるべく借金をせず、身の丈にあった額の資金からはじることが大切です。イニシャルコストを押さえ、いかに利益を生むか。知恵とアイデイアを絞りましょう。
 

5.一年以上は無収入でもやっていけるほどの運転資金を準備する

あと1カ月で軌道に乗るのに資金がなくて、倒産……。そんなことになったら目も当てられません。起業前には少なくとも一年以上無収入でも大丈夫なくらいの運転資金を確保しておくと安心です。起業してしまうと、会社員時代にあった信用はゼロ。金融機関も簡単にはお金を貸してくれません。資金繰りがうまくいかず、経営が続けられないケースは意外と多いので注意しましょう。
 

6.起業したい業界で経験値を積んでおく

未経験の業界で独立を考えているなら、できるだけその業界で働いてみましょう。(なければないで大丈夫です!)自分のビジネスプラン通りに物事が運びそうか、どこかに見落としはないか、何かしらの気づきやヒントが得られるはずです。とくに大事なのは失敗を経験することです。失敗されても許されるのは、会社員の特権です。そのときの失敗から意外なビジネスが生まれるかもしれません。
 

7.メルマガ・ブログ、SNSなどでファンをつくっておく

いくら素敵な商品・サービスをつくっても知ってもらえなければ意味がありません。そんなときこそメルマガ、ブログ、SNSなどの出番です。仕事に対する考え方、問題意識、仕事を通じて何をしたいのか……。地道な作業ですが、これを定期的に行うことで、着実にリピーターが増やせます。起業すべき年の1~2年前から根気強く続けることが大事です。
 

8.定時に上がれるように作業効率を上げておく

「起業してから経理のありがたみに気づいた」。ある経営者がこう言うように、起業してからは領収書の整理、請求書の発送などすべての雑務をあなたがこなさなければいけません。もし、あなたが残業ばかりの仕事サイクルを続けているのであれば、定時に上がれるように作業効率を上げておきましょう。社長は社長にしかできない仕事に時間をかけるべきです。
 

9.メンター&同志をつくっておく

「業績が伸び悩んでいて」「資金繰りが苦しくて」起業すると困難の連続です。誰かに相談したいことも出てくるでしょう。ですが、起業してしまうと、なかなか人に相談はできません。従業員に相談しようものなら会社の不信につながります。そんなときは先輩起業家、または有名経営者などのセミナーに行くといいでしょう。同じ志をもった仲間が見つかるかもしれませんし、良き相談相手が見つかるかもしれません。
 

10.税理士、会計士、弁護士、士業の専門家とつながりをつくっておく

先ほどもお伝えたように独立すると雑務に忙殺されます。そんなときに税理士や会計士のつながりがあると心強いでしょう。損益計算書や貸借対照表の作成、経営戦略に関してアドバイスをしてもらえるかもしれません。コストとして後ろ向きに捉えるのではなく、成長のための投資として前向きにとらえることが大切です。
 

副業
 

記事執筆/監修:新井一(あらいはじめ)起業支援キャリアカウンセラー

新井一

起業18フォーラム代表。「会社で働きながら6カ月で起業する(ダイヤモンド社)」他、著書は国内外で全10冊。最小リスク、最短距離の起業ノウハウで、会社員や主婦を自立させてきた実績を持つ。自らも多数の実業を手掛け、幅広い相談に対応している。