記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
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● 質問
会社を辞めてから起業準備をするパターンと、勤務を続けながら起業準備をするパターンでは、手取り収入や社会保険の面でどのくらい違いが出ますか?
退職してからの起業準備を検討していますが、リスクを正確に把握しておきたいです。

● 回答
起業18フォーラムでも「退職のタイミング」についての相談を数多く受けてきました。その中で繰り返し見えてくるのが、「社会保険コストの計算が抜けている」という共通点です。
厚生労働省が定める協会けんぽの保険料率(2024年度)によると、40歳以上の会社員が負担する社会保険料(健康保険+厚生年金+介護保険)の本人負担分は、給与の約15%程度です(健康保険料率は都道府県によって異なり、全国平均は約10%。厚生年金保険料率は18.3%で固定。介護保険料率は1.60%)。40歳未満の場合は介護保険が適用されないため、本人負担は約14%程度となります。月収40万円であれば、40歳以上の場合の本人負担は月約6万円。同額を会社が折半負担しています。
退職して国民健康保険と国民年金に切り替えた場合、保険料の合計は年収ベースで計算されますが、収入がゼロの期間でも支払い義務は継続します。
会社を辞めて起業準備する場合の最大のリスクは、収入がなくても社会保険料の支払いが続くことです。
具体的に見てみます。前年収入が480万円あった場合、退職後1年目でも国民健康保険は前年所得に基づいて計算されるため、月3万〜4万円程度の支払いが発生します(正確な金額はお住まいの市区町村によって異なります)。国民年金も月16,980円(2024年度・令和6年4月〜令和7年3月)が固定で加わります。
- 健康保険:前年所得ベース計算(収入ゼロでも翌年まで高い保険料が続く)。保険料率は市区町村によって異なる
- 国民年金:月16,980円(2024年度)・収入に関係なく固定
- 退職後最長2年間は「任意継続」で健康保険を継続する選択肢もあるが、保険料は全額自己負担となる。なお2022年1月の法改正により、任意継続は途中で任意に脱退することも可能になっている
勤務しながら起業準備をする場合は、会社の折半分を受けながら準備を進められるため、同じ準備期間でも退職後より経済的な安定を保ちやすいのです。
私は起業の収入成長を「STAGE I(月0〜1万円)→ II(月1〜5万円)→ III(月5〜10万円)→ IV(月10〜30万円)」という段階で捉えています。退職を検討する基準は「STAGE IIIを安定して超えたタイミング」です。会社員の収入がある期間に、このステージを着実に上げておくことがリスクを最小化する順番です。
退職を検討する前に、退職後の月額コスト(健保+年金+生活費)を計算し、それを何ヶ月間カバーできる貯蓄があるかを確認してみてください。「準備ができたら辞める」ではなく「辞めても○ヶ月は動ける」という状態を先に確認することが重要です。

在職中の準備期間は、コストのかからない実験の場です。退職前に「STAGE IIIの安定」という基準を持つことで、辞めるタイミングを数字で判断できるようになります。
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