記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
最終更新日:2021/11/07
令和になり、予想もしなかったパンデミックが発生。この時代を生き残れる新しいタイプの起業家と、時代に合ったアイデアが求められています。
今、どのなビジネスアイデアが求められているのでしょうか? しかも、大企業が手掛けるビジネスではなく、会社員でもできる副業、フリーランスでもできるスモールビジネスの世界で、一体、どのようなアイデアならば実現可能、そして持続可能なのでしょうか?
このコラム「起業アイデアの出し方~成功するビジネスネタの見つけ方」では、起業アイデアの出し方、まとめ方の基本について解説します。読み終える頃には、起業アイデアがいくつも浮かんでいると思います。
ただし、お読みになる前に、ひとつだけ忘れずにいてください。起業アイデアは、ゼロから突然浮かんでくるものではありません。起業アイデアは、これまでの経験、知識、今あるものを違う角度から見る好奇心から連想されてくるものです。たくさんのビジネスに触れ、起業したい人や経営者と関わることで、磨かれていくセンスでもあります。
それでは「人生の転機」となる起業アイデア出しの基本、早速ご説明して参ります。
起業アイデアが出るまで行動を止めるのは愚の骨頂
起業をする時に「何をしようか?」と、アイデアについて迷われる方が多いですが、実は、そんな暇はありません。やることは実にたくさんあります。
起業するまで一つひとつやっていくしかないのですが、起業アイデアがまだ無い状態でもやれることはたくさんあります。たとえば、銀行口座であったり、住所や電話番号の用意であったりです。(※起業準備に必要なものは、こちらの記事「 起業するにはこの順番で!【ToDoやることリスト】を大公開 」にまとめていますので、よろしければご覧ください。)
起業アイデアが出ることを待たず「すぐに取り掛かれる起業準備」を進めていくことが大切です。動いている人の方が、様々な情報や人に触れることになり、困ったことに直面することになり、たくさんのアイデアが生まれるものです。
さて、起業アイデア出しと同時に色々な準備を進めなければならないこと、ご理解いただけましたでしょうか?
では、話を進めます。
まず、知っていただきたいことがあります。それは、「起業して事業を成長させていくためには、以下の4つのスキルが必要になる」ということです。
- 売れる商品を作るスキル
- マーケティングスキル
- セールススキル
- 利益を管理するスキル
今回のコラムは、その「1」の「売れる商品をどうやって作るのか?」についての解説です。好き勝手に起業アイデアを考えるのではなく、その好き勝手なアイデアを、いかに売れるものに仕上げるか、起業するなら、そこが最も大切なポイントになります。
起業アイデアを出すために、考える要素とは?
起業アイデアは、外の情報を探しに行くことも大切ですなのですが、その前に、自分の中にあるものを、きちんと整理していくことが必要になります。
この順番を逆にしてしまうと、自分にとって必要な情報がわからず、起業のチャンスがあったとしても、気がつくことなく見過ごしてしまったり、甘い儲け話に引っかかってしまったりしてしまうのです。
まずは、あなた自身の中にある「自己基盤」を、しっかりと把握することから始めてください。これは、環境がどう変わろうが関係のない本質です。
起業アイデアを出す前に、あなたの中にあるものを整理する
起業アイデア、ビジネスネタを探すために、まずは以下のことを考えていきます。
- あなたが好きなことは何か?(やっていて楽しいこと)
- あなたが持っているスキルは何か?(教わって身につけたこと)
- あなたが持っている才能は何か?(訓練していないのに上手にできること)
- あなたが持っている強みは何か?(スキル×才能)
- あなたが助けたい人、関わりたい人は?(理想のお客様)
- あなたの理想のお客様の問題は?(お客様は、痛みを避け、快楽を追求する)
- あなたが持っているノウハウは何か?(理想のお客さまのために、あなたの強みを、適切な場所とタイミングで使うこと)
- あなたのモチベーションが上がる時は?(強みを発揮できる精神状態にすること)
起業アイデアを出す前に、あなたが好きなことを見つける
ほとんどの大人は「あなたが仕事にしたいほど好きなことは何ですか?」と訊かれても、答えに窮してしまうものです。これまで何十年もの間「やらなくてはならないこと」「やるべきこと」ばかりをやる生活をしてきたため「好きなことを仕事にする」という感覚が、全く育っていないのです。
好きなことで起業して稼ぐには、「好きなこと」と「強み」が交わるポイントを見つける必要があります。ひとつ注意点としては「好きなこと」という言葉には「そのままでは起業アイデアとして使えないこと」も含まれているということです。
たとえば「旅行が好き」「昼寝が好き」とだからといって「ただ旅行に行く」「ただ昼寝をする」だけでは起業することは困難です。その起業アイデアを仕事として稼げるようにするためには、もう少し考える必要があります。
たとえば「旅行の様子をYouTubeで配信して広告費を稼ぐ」とすれば、起業アイデアとして使える可能性がでてくるのです。
「好きなことなんかで起業できるわけがない」と決めつけて思考を閉ざしてしまう前に「起業にはいろいろな考え方、やり方がある」ということを知ってください。
それを前提として、どんなことでも良いので、起業アイデアを出す前に、あなたが好きなことを書き出していきましょう。
子供のころから現在に至るまで、どんなことが好きだったのか? 遊びでも仕事でも、一人で妄想することでも、どんなことでも構いません。
起業アイデアについて考える前に、まずはそこから徹底的に書き出していきましょう。
起業アイデアを出す前に、あなたの強み(スキル×才能)を見つける
強みとは、大人になってから身につけたスキルに、子供のころから何となく上手にできる才能を掛け合わせたもの、と定義します。
まず、起業する時に使えそうなスキルや才能を言語化することから始めます。それらは、3つに分類して整理していきます。
- 物に関するスキル(才能)
- 情報に関するスキル(才能)
- 対人スキル(才能)
スキルに関して言えば、1~3のそれぞれには「シンプルなスキル」と「複合的なスキル」があります。仕事をしていて身につくのは「複合的なスキル」です。
複合的なスキルは、自分自身で「このスキルが身についた」と言葉にして認識することが難しいので「自分にはスキルがない」と勘違いしてしまうことがあります。
逆に、普段使っていないスキルでも、シンプルに言語化されているもの、たとえば「資格」を持っていたりすると、それを「スキル」と認識することができたりします。
まずは「あなたにも起業に使えるスキルがある」ということを信じていただき、もちろん「才能がある」ことも知ってください。
ここから、あなたの持つスキルと才能を言語化し、細分化してみましょう。
物に関するスキル(才能) | |
身体系 | 手・指を使う・目を使う・体全体を使う・機敏さ、スピード、強靭さ、スタミナを使う など |
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素材系 | 工芸・裁縫・織物・撃鉄・裁断・彫刻・成型・鋳物・成形・仕上げ・ペイント・再加工 など |
食べ物・道具系 | 洗う・きれいにする・準備する・操作する・片づける・作る・生産する・製造する・料理する・メンテナンス・保管・修理 など |
機械系 | 設定する・組み立てる・運転・操作する など |
建築系 | 建設・再建・復元・破壊 など |
植物・動物系 | 園芸・栽培・飼育 など |
情報に関するスキル(才能) | |
集める・作る系 | 収集する・調べる・研究する・インタビューする・観察する・聞き取る・嗅ぐ・味わう・見る・イメージする・発明する・想像する・アイデアをデザインする など |
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マネジメント系 | コピーする・同一性や違いを比較する・コンピューターを使う・数字を扱う・会計をする・分析をする・分類する・組織化する・分別する・システム化する・優先順位を決める・計画をする・プロセスを作る・適用する・プログラムをする・発展させる・向上させる・視覚化する・絵を描く・ペイントする・ドラマ化する・撮影する・合成する・結合させる・問題を解決する・パターン化する・決断する・評価する・褒める・推奨する など |
格納・回収系 | 記録する・写真を撮る・データ入力をする・ファイリングする・情報を回収する・隠す・記憶する・トラッキングをする・体系化する(スキルを使えるようにする)・復元する(物を使えるようにする) など |
対人スキル(才能) | |
対個人 | 教える・給仕する・助ける・対面で会話をする・電話で会話をする・チャットをする・文章を書く・手紙を書く・指導する・アドバイスする・授業をする・家庭教師をする・トレーニングをする・コーチングをする・カウンセリングをする・メンタリングをする・エンパワーリングをする・面倒を見る・癒す・診断する・査定する・評価する・審査する・選択する・紹介する・出会いをつくる・代表をする・代理をする・人のアイデアを代弁・翻訳する など |
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対グループ・組織スキル | 大勢と上手にコミュニケーションをする・表情豊かに話す・書く・プレゼンテーションをする・芸をする・楽しませる・おもしろくする・鼓舞・感激させる・サインを出す・物まねをする・演じる・歌う・楽器を弾く・ゲームをする・リクリエーション・エクササイズをリードする・教える・トレーニングをする・イベントを企画する・グループディスカッションを仕切る・感謝を伝える・議論を深める・モチベーションを上げる・営業をする・グループカウンセリングをする・マネジメントする・監督する・経営する・フォローする・完了させる・プロデュースする・リードする・立ち上げる・創始する・起業する・交渉する・争いを止める など |
さらに、具体的に言うと? | |
上のスキルを組み合わせて、具体的にしてみましょう。 | 正確にできる・適応力がある・熟練している・楽しめる・大胆である・機敏である・目が高い・独断的である・抜け目がない・権威的である・落ち着いている・注意深い・カリスマ的である・能力が高い・一貫性がある・情熱的である・協力的である・勇敢である・創造的である・決定力がある・計画的である・頼りになる・勤勉である・外交的である・思慮深い・推進力がある・精力的である・経済的である・効率的である・活気がある・情熱的である・特別である・徹底的にやる・専門家である・しっかりしている・柔軟である・人間性がよい・衝動的である・自立している・革新的である・もの知りである・忠実である・規則正しい・客観的である・公平である・社交的である・突き抜けている・我慢強い・見識がある・知覚力がある・根気がある・頑固である・開拓者である・実践的である・プロである・保護的である・時間に正確である・作業が早い・理性がある・現実的である・信頼されている・繰り返されている・よく気がつく・責任感がある・敏感である・安全志向である・モチベーションが高い・独立志向がある・神経質である・洗練されている・強い・優しく接する・機転のきく・徹底的にやる・独自性がある・珍しい・多彩である・活発である など |
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起業アイデアを出す前に「何をしていると楽しいか?」を振り返る
スキルは「何をしていると、時間を忘れて没頭してしまうか?」と考えるとわかり易くなります。好きなことは、どんどん詳しく、上手になっていくものです。それこそ、あなたの最大の武器となるスキルです。
才能は「特にトレーニングをしたこともない、なのに、最初から人より早く、上手にできてしまうこと」です。それらを言語化することで、ビジネスで活かせる「強み」が次第にわかってきます。
まず、上の表から言葉をピックアップしてみましょう。表にない強みもたくさんありますので、それはそれでOKです。
それが、後天的に身につけた「スキル」なのか、理由はわからないけれど何となく人より上手くできる「才能」なのかを区別し「スキル × 才能」=「あなたの強み」を定義していきます。
ここまで来たらもう簡単です。世の中にある「自分にもできそうなビジネス」「やってみたいビジネス」を徹底的にリサーチしましょう。
自分自身がわからない時には、どうする?
私たちのような大人は、このようなことを考えることや、自分自身を知っていくことに慣れていません。ですので、好きなことや強みを探そうと思っても、わからなくなって頭が真っ白になってしまうこともあります。
もし、あなたが自分自信がわからないという状態になってしまったら、「今楽しいと感じるときに、その状態を記録する」ということを、1カ月程度かけてコツコツやっていきましょう。
その記録は紙に書いたり、音声や動画で残したり、ブログに書くのも効果的です。決まった動作をしてで体に記憶させる(アンカリング)こともよいでしょう。「やっているときに楽しい=あなたがビジネスで使えるレベルの強みになる可能性が高い」と考えて、肯定的に捉えてみましょう。
たとえば、私の場合は・・・
- 子供のころ、パソコンを触ることやゲームが好きだった。
- 大学のころ、ホームページやEメールという新しいものに興味を持った。
- ホームページを作る作業も好きだったが、そこから得る反応がとても嬉しかった。
- 人を集めたり、話をしたりすることが楽しくなった。
- その経験を人に話すと喜んでもらえることから、セミナーをやるようになった。
振り返ると、いろいろと思い出すことがあります。これが今、私が提供しているノウハウにつながっているのです。
ノウハウとは、その「強み」を「誰のために」「どこで」「どのタイミングで」「どうやって」使うのか? ということです。私たちは、それぞれ違う強みを持っていますので、他人のノウハウを学ぶだけでは成功できません。
自分の強みを「誰のために」「どこで」「どのタイミングで」「どうやって」使うのかを、自分の意思で自由にカスタマイズし続けることが「好きなことで起業すること」につながります。
それでもまだ「自分にできることがわからない」と言う方に
それでも「スキルがない」「好きなことがわからない」と、迷宮に入ってしまう方も少なくありません。
原因は二つあります。
自分を過小評価している
営業事務系のOLさんや、派遣社員として働いている方などに「自分は汎用的なスキルしかもっていない」「強みなんか特にない」と勘違いしている人が多くいらっしゃいます。自分があまりも当たり前のように仕事をしているので、それが「他の人から見たらすごいことだ」ということに気がついていないのです。
「いやいや、新井さん。私の仕事なんて、誰にでもできることですから」と言いたくなる人もいるかもしれません。でしたら、なぜ、あなたは今の会社に採用されたのでしょう? なぜ、社長が自分で事務をやらないのでしょう? なぜ、営業さんはあなたに、仕事を頼むのでしょう?
答えは、あなたが何らかの価値を提供をしているからです。
あなたは、必ず、何かを持っています。それでも何も出てこない理由は、アイデア事例を一切リサーチしていない(知識不足)、さらに、あなた自身が「アイデアを出したくない」と思っているからと言っても過言ではないでしょう。
アイデアを出したら、やらなければいけなくなる。変化するのが怖い。そういった潜在意識が、あなたに「私なんか何もないので」と言わせているのかもしれません。
人は、重い病気をしたり、失業をしたりなど、大きなネガティブインパクトがある出来事が起こるまで、自分が幸せな状態であったことを実感できないものです。あなたもきっと、あなたが実は好きなことを持っていて、強みを持っている幸せな人であることを実感できていないだけなのです。
今の組織、今の立場の自分から抜け出せていない
会社員のまま起業準備をするのなら、昼の時間が使えないことは前提条件です。
よって、企業に相手にサービスを提供するほとんどの仕事は、立ち上げが困難であると言わざるを得ません。もちろん、100%無理とは言いませんが、自分がいなくてもビジネスができるのか? そこを解決しない限り、無理なのです。
つまり、大抵の「会社組織の問題を解決するサービス」は、提供困難であると考えてよいと思います。
組織の中のあなた、組織の中の人たち、それしか見えない状態になっていると、その組織の問題を解決することをビジネスにできると考えてしまいがちです。ですが、それはあくまでも、あなたがその組織の内部にいる「社員」だからこそ相手にしてもらえる話かもしれません。
- 本人が自腹を切ってでも学びたいことなのか?
- 企業研修を受注するのなら、会社員を続けながらサービスを提供することができるのか?
- 一人の何の看板もない人間に戻った時、それが必要とされることなのか?
おススメは、まずは会社から離れて考えてみることです。社員としての自分ではなく、一人の人としての自分です。
そして、会社員のまま起業準備をするのなら、時間の都合上、会社組織にはサービス提供できない場合も多いので、プライベートの個人に対して発揮できる強みは何か? を考えてみましょう。
- 遊び、学び、仕事、それぞれでどんな行動をして、どんな成果がでたのか?
- どんな困難があり、乗り越えるために何をし、結果どうなったのか?
- その成果はどのくらいだったのか?
- その成果を出すために、どのような強みを使ったのか?
を考えてみてください。
いつくかの成果を拾い出し、定義(言語化)の作業を繰り返し行うことで、共通している強みがわかってきます。それが、起業アイデアにつながる、自分発見のヒントになります。
起業アイデア・ネタは必ず見つかると信じること
日本で新しいアイデア、起業家が生まれにくい理由は、教育はもちろん、社会人になってからの人材育成にも問題がありそうです。大学生は皆同じ格好(リクルートスーツ)で歩き回り「社会に出る=型にはまる」ということを感じさせられます。
ルールを遵守する優秀な労働者として、朝礼、社訓斉唱、社歌、長く多い会議などに慣れてしまえば、もう、自分の強みや起業アイデアの創造など、できなくなってしまうのかしれません。
それでも、自由に働くことを求める人であれば、起業アイデアをきっと見つけることができるでしょう。まずは、真似からです。
成功している人の真似をすることは、少しも悪いことではありません。自分にできるサイズまで小さくして、どんどんテストをして、自分のアイデアに進化させていきましょう!
そのためにも、モチベーションを維持し続けることが大切です。強みを発揮できる精神状態を維持することができれば、アイデアの発掘はもちろんのこと、テストマーケティングもPDCAも楽勝です! 「強みを発揮できる精神状態」それってつまり・・・好きなことをするということだと思います。
「アイデアが見つからない」と、あなたが発する言葉は、あなた自身に大きな影響を与えます。ただ、無理にポジティブに感情を転換するのもまた辛いものです。
ポジティブになっても現状は変わらないですし、感情が乱れているのに笑ったり、気にしないようにしたりするにも限界があります。行動を無理に変えようとすることも、疲労を増すだけです。
どうにもできないと思うのでしたら、その感情を受け入れてしまってください。「起業アイデアなんて見つからなくてもいい」「見つかってもいいし、見つからなくてもいいし、また考えたくなったら考えよう」と、それでいいと思います。
朝起きられない日は無理せず、それでいいと考えましょう。本当にやりたくなったら、自然に起きられるはず。だからこそ、やりたいことを見つけることが大事なのです。
起業アイデアを見つけるためにも、自分のよいところを見てくれる人と付き合うようにしましょう。人間関係を変えていくことで、新しい気づき、発見がたくさん見つかるはずです。
大好きな人とだけ仕事がしたいから、大好きなことだけやりたいから、もう、人にもらうものなんていらない。そう心に決めて、あなた自身に問い続けましょう。
起業アイデア事例
事例1・KMさん(40代・会社員)の起業アイデア
ITエンジニア・コンサルタントとして働く優しいお父さん。その卓越したスキルと家庭菜園の趣味を生かして、個人事業主としても活動。農家さん専用のクラウドサービス(野菜の栽培、出荷等を支えるシステム)を構築し、提供している。
KMさんの勤めるIT企業での仕事はやりがいもあり、充実したものでありながら、もっと直接ユーザーに関わり喜んでもらう姿を見たいという思いから個人で活動するようになった。KMさんは、ネットマーケティングの勉強会・新井塾に受講生として参加し、その後、農家支援と並行して、コーチングやマーケティングなどの起業支援ビジネスまで手掛けるようになった。
一般的にエンジニアはコミュニケーションがあまり得意でないという印象がありますが、KMさんは癒し系で人を安心させるキャラクターの持ち主。そうかと言っておしゃべりで饒舌に語るわけでもなく、誠実な人という印象を与える人。
家庭菜園を楽しみながら、人と人とがつながっていき農家さんとのつながりが生まれ、ITのスキルが農家さんの役に立つことを思いついたという。
KMさんは情報収集、分析能力にも優れている。ITエンジニア、アーキテクトとしての活動がベースになっているので、全体像を俯瞰してみることができたり、論理的に物事を考えることができる人。
農家さんとの雑談の中から、必要なシステムが頭に描けたという。起業アイデアとして、まずは、JA等へ提出する栽培記録の資料を手軽に作れる仕組みを構築し始めた。
その後もたくさんの農家さんとのコミュニケーションを重ね、インタビューを繰り返して情報を集め、栽培管理・農薬管理・出荷管理、クラウドサービスを開始した。
KMさんの圧倒的な強みは、企画を実現できるITスキル。多くの人はいろいろと思いついたとしても、それを自分の手で実現できないとなればすぐに諦めてしまう。
KMさんの場合は、そこを自分で進めることができる上に、農家さん以外の起業家仲間のITについての困りごとや要望も相談に乗り、受託開発としてこなしてしまうハイレベルなスキルと才能を持っている。さらに、システムを提供された側がそれを使うことができなければ意味がないと考え、せっかく作ったシステムを使いこなすためのやり方やノウハウまでも、わかりやすくきちんと説明している。
事例2・KSさん(30代・会社員)の起業アイデア
KSさんは、システムエンジニアとして働くポスト団塊ジュニアの好青年。好奇心が旺盛で、行動力がずば抜けていることが、彼の光る才能と言える。
ワクワクすること、やりたいことを見つけて、次々とビジネス化に挑戦している。結果が出ないことがあっても、あきらめずに続けられることができる人。
KSさんも、現在は副業サラリーマン。シフト制の仕事なので、時間をうまく調整して確保し、自分のやりたいことをやっている。
時間がない、不規則だから無理、と諦めてしまう人が多い中で、KSさんの活動からは見習うことが多い。KSさんも新井塾に生徒として参加され、起業支援ビジネスを手掛けるようになった。
独自の起業アイデアとして「ライフワークバランスの提案を通じて就活女子を応援する」を提唱し、女性のための就活支援コーチとして活動中。
いわゆるイケメンでいい人のKSさんだが、パッと見は威圧感があってやや怖い。言葉数も少ないタイプだが、キャリアに悩むたくさんの女性の相談に乗っている人気コーチでもある。
現在、就活女子に対する自立アドバイスを事業化するべく頑張っているKSさんだが、そのきっかけは彼自身の体験から。
社会人として働きながら、くすぶっている女性をたくさん見てきた。
そんな女性たちに自立する人生の楽しみ方を教えたいという。
KSさんも、システムエンジニアだけにPCを使いこなすのが上手。ニュージーランドに留学した経験もあり、英語も読むことができるので、知りたいことがあると海外の情報などもすぐに調査し、副業に生かしている。
「会社給与に依存しない、新たな収入源の仕組み作り」の発見や開発に非常に敏感で、たくさんの情報を仕入れて検証している。すでに自分の事業を始めているにも関わらず、各種勉強会やセミナーにも積極的に参加し、それを仲間にシェアしながらレベルアップを続けている。
KSさんは先述の通り「想いを行動する」という才能がズバ抜けている。ある日突然沖縄にいたり、ある日突然アメリカにいたり、忙しい中でも思い立ったらすぐに出かけていき、自分の時間を楽しんでいる。
現在は、自らの想いを実現する事業を軌道に乗せるべく活動をしながら、新井塾で身につけたWEBマーケティングのスキルを磨き続けている。就職難でニートとなり、たくさんの職種を経験した派遣社員やアルバイトの経験が今になって生かされている。
事例3・TKさん(40代・会社社長)の起業アイデア
プロフェッショナルコーチとして、モヤモヤサラリーマンを支援しているTKさん。かつて、新井が講師を務めた起業セミナーで知り合い、起業支援を一緒にやろうと誘ったことから、その活動が始まった。
その後の活躍は目覚ましく、あっという間に独立を果たした。
TKさんはその後も活動の幅を広げ、新しい事業アイデアを発展させ、現在では企業経営者向けにもコーチングを提供。とても温厚な性格で、しっかりと寄り添ってくれるコーチングスタイルは、新井の知り合いの中でも評判で人気がある。
独立に向かって準備を進めながら、月に一度飲み会で定期的に会い、お互いの情報交換を続けてきた。
プロコーチであるTKさんは、コミュニケーションがとても上手。とにかく聴き上手で、ずっと丁寧に話を聴いてくれる。
これはまぎれもなく彼の才能であり、誰もがつい話過ぎてしまう。
また、起業支援を一緒にしようと誘った際も、二つ返事でOKを出してくれた。その決断の早さと、決めてから考える姿勢が、今の仕事につながっている。
TKさんは、自分を成長させるためにいろいろな勉強会にも参加している。成功している人は、インプットとアウトプットのバランスがとてもよい。
コーチングをすることや顧客獲得だけに時間を使うのではなく、自分が成長するために様々なことをインプットする姿勢が現在につながっている。自分自身のサラリーマン時代の苦悩も隠すことなく開示し「みんなの笑顔の近くで、みんなの笑顔のために」コーチングを実践している。
コーチングのスキルは質問のスキル。TKさんと会話をしていると、様々なシーンで質問を受けることがあり、その過程で頭がすっきりと整理されていく感覚がある。コーチングのスキルはもちろんだが、TKさんはつかんだチャンスを確実に生かしていくことができるタイプの人。
判断が非常に早く、とりあえず前向きに検討するという習慣がついているために、周囲の人から仕事を依頼される。
事例4・SKさん(30代・会社社長)の起業アイデア
起業塾を運営しているSKさん。たくさんのサラリーマンが起業するための支援をしている。
新井の起業支援事業のパートナーとして、様々なビジネスを一緒に手掛けてきた仲間。
SKさんとは、創業支援の専門家が集まる団体で同期として出会う。その後、お互いが「好きなことを仕事にして起業したい人を支援したい」と考えていることを知り、新井の方から「一緒に仕事をしよう」と呼びかけた。
ある日、セミナーでよい反応が取れなかった際に、二人で居酒屋で反省会をした。そこで話し合ったこと、自分たちが本当に支援したい人は誰なのか、そこで見えてきたことが、今の自分たちのビジネスの原点になった。
その後も、週一度のペースでミーティングを行い、常に事業アイデアの打ち合わせをしてきた。
SKさんには、たくさんの師匠がいる。
積極的に学び、投資も一切惜しまない。そして、その学んだ内容を惜しげもなく自らのクライアントに公表し、さらに師匠の名前まで話して完全に話してしまう。
クライアントさんとのコミュニケーションや情報は、マインドマップやテンプレート化されたシートに記録として残し、次のセミナーや新しい企画、コピーライティングにも生かしている。クライアントさんやセミナー参加者の情報をしっかりと記録し、生かしているところがとても素晴らしい。
SKさんは、セミナーではワークでの参加者同士の話を短時間で聴きとり、適切にフィードバックをする。セミナー講師として超一流の腕を持っている。
才能と言える起業支援事業に加え、現在ではセミナー講師への指導も行うなど、次につなぐための努力を怠らない。しかも、それを楽しんでやっているところが、とても素晴らしい。
事例5・HDさん(40代・会社社長)の起業アイデア
彼女がほしい男性のためにアドバイスをする「恋愛プロデューサー」として起業準備を進めるHDさん。彼女がほしい男性に対してアドバイスをし、彼女ができるまで伴走していくのがHDさんの起業ネタ。
現在、恋愛支援を成功させるべく、忙しい本業の仕事で全国を飛び回る傍ら、日々積極的に取り組んでいる。
HDさんの才能は、人とのコミュニケーションがとても上手なこと。話し上手というよりは聴き上手で、人を安心させることができる。応援され体質で、仲間がたくさんいる。
ビジネスにも人を巻き込むのがうまく、協力をうまく取り付けながら、自分のビジネスの加速の力にしている。フェイスブックなどのオンライン上でのコミュニケーションもとても上手で、たくさんの人からのコメントがついている。
HDさんはブログを一生懸命に更新し、情報発信を続けている。目標値が高く、常に上を目指して努力している。
このビジネスを最初に始めた時は、フェイスブックの友人を解除されてしまったなんていう苦い経験をしたことも。それでも挫折することなく、本当にやりたいことに、明確な軸を持って取り組み続けている。
事例6・CSさん(30代・一般社団法人代表理事)の起業アイデア
姿勢改善のためのウオーキング協会で、レッスンを提供している理学療法士、ママ起業家のCSさん。骨格のプロとして、モデルウォークとは違う視点から女性にアドバイスを行い、理論的な姿勢改善、美しさのレッスンを提供中。
現在、子育てをしながら、レッスンのオンライン化にも積極的に取り組んでいる。
CSさんは、負けず嫌いな性格。その芯の強さで事業を急拡大させてきたが、話せばとても柔らかい物腰で、笑顔がとっても可愛らしい女性。
ファンが多く、インスタでも積極的に発信中。協力者が周りに多く、講師を委託するなど、子育てをしながら事業を続けられる環境を構築している。
CSさんは、ブログなどの文字による発信は苦手、そして、YouTubeも恥ずかしがって使わない。それでも、クチコミ、評価の連鎖で、集客力はバツグン。
会社員のままレッスンを始め、あっという間に独立した経験を活かして、今では個人サロン開業支援も行っている。
あなたの起業アイデア・ネタに出会えるまで、行動を続けましょう^^
起業18フォーラム代表。「会社で働きながら6カ月で起業する(ダイヤモンド社)」他、著書は国内外で全10冊。最小リスク、最短距離の起業ノウハウで、会社員や主婦を自立させてきた実績を持つ。自らも多数の実業を手掛け、幅広い相談に対応している。