記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
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● 質問
起業準備に補助金が使えると聞いて気になっているのですが、補助金で本当に起業準備は進むのでしょうか?採択率や倍率の話を聞くと、自分のような会社員の起業準備で本当に通るのかも見えず、踏み出せずにいます。実際のところ、どのように使えるものですか?

● 回答
中小企業庁の2024年度小規模事業者持続化補助金の採択率は、一般型で約60%という数字になっています。一方で、ものづくり補助金の通常枠では採択率は40〜50%前後を推移しており、補助金によって採択率は大きく異なります。「補助金は通らないもの」と「補助金で起業準備が完結する」という両極端の認識は、どちらも実態とズレています。
補助金には2つの顔があります。1つ目は「通る人と通らない人の差がはっきりしている」という事実、2つ目は「補助金が出てから動く人は補助金が止まると動けなくなる」という構造です。前者は技術の問題、後者は依存の問題で、後者のほうが起業準備にとっては重大です。
採択される人と落選する人の差
採択される人と落選する人の差は、事業計画の完成度ではなく、事業の必然性です。「なぜこの事業を、なぜ私が、なぜ今やるのか」という3つの必然性が書類に書かれていれば、採択率は大幅に上がります。
- 事業内容が抽象的で「誰に何を売るか」が1行で書けない
- 「補助金が出れば始める」という条件付きの計画
- 商工会議所の指導を受けずに自己流で書類作成
小規模事業者持続化補助金を狙うなら、書類を書く前に必ず商工会議所・商工会の窓口に相談してください。書類段階で指導を受けるかどうかで採択率が10〜20ポイント変わるという話を、商工会の担当者から複数回聞いてきました。確認印がほぼ必須なので、その流れで指導も受けられます。
補助金依存の落とし穴
採択率の話より重要なのは、補助金が出るから動くという思考になっていないかという点です。拙著『起業神100則』に「インプット中毒」という言葉があります。情報や制度を集めることで動いた気になり、実際の手と口は止まったままになる現象です。補助金情報を集め続け、申請書を書き続け、採択されると安心して止まる、というサイクルに入る人を毎年見てきました。
起業18フォーラム会員のEさん(仮名・40代前半・男性・製造業の品質管理職・独身)は、最初「自己資金30万円しかないから補助金で起業準備を加速させたい」と考えていました。スタート時点は会社員月収45万円・起業準備の収入はゼロ・補助金情報サイトを毎晩眺めて3ヶ月止まったままでした。4ヶ月目にフォーラムで「補助金は走っている人を加速させる燃料であって、止まっている人を動かす点火装置ではない」というアドバイスを受け、まず自己資金10万円で最小の試運転を開始。6ヶ月目に小規模事業者持続化補助金50万円が採択され、ウェブサイト整備に活用。10ヶ月目に月収内月収7万円の継続収入に到達しました。
- 補助金なしでも進む計画を先に作る
- 補助金で加速できる部分(広告・設備・外注)を切り分ける
- 不採択でも事業を止めない設計
採択率60%という数字は「適切に書類を書けば過半数が通る」と読めますが、適切に書ける人がそもそも全体の半数程度という意味でもあります。商工会議所・商工会の窓口は無料で書類指導をしてくれます。会社員のまま起業準備をしている人は、本業のあとに窓口に通えるよう、平日夜・土曜開催の相談会を活用すると効果的です。

補助金が出るから動くではなく、動いているから補助金が活きる。小規模事業者持続化補助金の最新公募要領を、今週末に商工会議所の窓口で受け取ってきてください。窓口の担当者と話すだけで、申請書の解像度が一気に上がります。書き始めれば、半年後には採択通知が手元に届く可能性が現実になります。
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