記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
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● 質問
起業準備を始めて半年になりますが、気合いを入れて取りかかっても、いつも3日ほどで止まってしまいます。仕事が忙しくなると一気に手が止まり、また仕切り直し。
意志が弱い自分には、起業準備を続けるのは無理なのでしょうか?

● 回答
「気づいたら、また止まっていました」。準備講座に来ていた、ある会員さんの言葉です。続かないことを意志の弱さのせいにする方は本当に多いのですが、原因はそこではありません。続くかどうかを決めるのは意志の強さではなく、意志に頼らなくても動ける仕組みがあるかどうかです。
意志の力は、もともと長続きしないもの
拙著『起業神100則』では、意志力には限りがあるという考え方を紹介しています。社会心理学では「自我消耗」と呼ばれ、何かを我慢したり判断したりするたびに、意志の力は少しずつすり減っていきます。仕事で頭を使い果たした夜に、気合いだけで準備を続けようとすれば、止まるのが自然です。
同書には、起業準備を「筋トレのように始める」という言葉があります。毎回全力で持ち上げようとするのではなく、昨日より少しだけ多く、を淡々と積む。続ける人は、根性ではなくこの習慣化の設計でやっています。
止まり続けた人が、止まらなくなるまで
起業18フォーラム会員の桑原さん(仮名・20代後半・夫婦共働き・金融機関勤務)も、まさにこの繰り返しでした。やる気のある日にまとめて進めようとして、繁忙期に入ると数週間まるごと手が止まる。それを何度も繰り返していたそうです。
流れが変わったのは、起業18フォーラムの勉強会で「やる気がある日にやろうとするから止まる」と指摘されたことでした。そこから桑原さんは、進め方をがらりと変えました。意志に頼るのをやめ、毎週水曜の夜だけ、たとえ15分でも必ず机に向かう、と曜日と時間を固定したのです。
量は減りました。けれど、止まらなくなりました。気づけば数カ月で20回以上、準備の時間を積み重ねていて、忙しい時期をまたいでも歩みが途切れなくなっていました。大きく進んだ週もあれば、わずか数分で終わった週もありました。それでも続いていることが、本人の自信になっていました。
「決める時間」を先に置くという発想
桑原さんがやったことは、意志を鍛えることではありませんでした。やったのは、迷う余地をなくすことです。いつやるかを毎回考えていると、その判断だけで意志の力が削られていきます。曜日と時間を先に決めてしまえば、当日は「やるかどうか」を考えずに机に向かえます。
もう一つ大切なのは、止まった日があっても自分を責めないことです。続けるコツは、完璧に毎週やることではなく、止まっても翌週またその時間に戻ることにあります。一度の中断で「やっぱり自分はダメだ」と全部を投げ出してしまうのが、いちばんもったいない。三日坊主を何度繰り返しても、また始めれば、それは立派に続いていることになります。
- やる気のある日を待たず、決まった曜日と時間に固定する
- 1回の量を「これなら必ずできる」まで小さくする
- 進んだ量より「続いている事実」を成果とみなす
気合いを入れ直すのをやめて、まずは週に1回、15分だけの「決める時間」を作ってみてください。多くの曜日に散らすより、一つに固定するほうが、忙しい時期も守りやすくなります。
今週のうちに、準備に充てる曜日と時間を一つだけ決めて、カレンダーに先に書き込んでみてください。やる気ではなく予定が、あなたを机に向かわせてくれます。
続け方の設計をもっと知りたい方は、こちらも参考になります。

3日で止まる自分を責める必要はありません。やめたくなったら、いつでもやめられます。退路があるからこそ、肩の力を抜いて、また小さく再開すればいいのです。
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