記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
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「Xを始めたけど3日で止まった」「フォロワーが100人を超えない」という声は、起業18フォーラムでも頻繁に届きます。Xを発信ツールとして使い始めた会社員の多くが、始めてから数ヶ月で「やった気はするが何も変わっていない」という状態になっています。Xで起業準備が前に進む人と止まる人の差は、「続く量」を先に設計しているかどうかにあります。
Xの日本での月間アクティブユーザーは推定で数千万人規模です。検索と拡散が同時に機能するプラットフォームとして、本業の専門性を発信し、業務委託やコンサルの問い合わせにつなげた事例は多くあります。ただし、発信が続かなければ何も生まれません。この記事では、勤めながらでも継続できるX活用の設計を整理します。
「続かない」ではなく「続かない量を設定している」問題

Xが続かない最大の原因は、「最初から無理な量を設定していること」です。「毎日3回投稿する」「インプレッション1万を目指す」という目標は、本業と並行して起業準備をする人には続きません。
拙著『会社員が働きながら月30万円を稼ぐ起業法』の「継続可能ゾーン」という考え方があります。やる気満々のときに決めた行動量は、2〜3週間後には負荷になります。「頑張ればできる量」ではなく「頑張らなくてもできる量」を最初に設定することが、続けるための唯一の設計です。
Xの投稿を「週3回」から始めた人より、「週1回だけ」から始めた人の方が、半年後も続いているケースが起業18フォーラムの支援現場では圧倒的に多いです。
X発信を続けるための設計

勤めながらXを使って起業準備を進めるためには、発信の内容・頻度・目的を最初に決めておくことが必要です。
発信テーマ:「本業の業界知識×1つの困りごと」に絞る
何でも投稿するアカウントは誰の記憶にも残りません。「採用担当20年の視点で、中小企業の採用でよくある勘違いを書く」というように、本業で持っている知識と特定の困りごとの組み合わせに絞ることで、フォロワー数が少なくても質の高い読者が集まります。
投稿頻度:週1〜2回を最初の半年は守る
週1回×26週=26本の投稿が、最初の半年で作れます。26本あれば、自分の発信に対してどんな反応が来るかのパターンが見えてきます。「この言葉に反応が来た」「この内容が引用された」という実績から、次の発信の精度が上がります。
目標:フォロワー数より「DM・コメント・引用」の数
Xを活用する目的は、フォロワーを増やすことではなく「業務委託の問い合わせにつながる信頼を積み上げること」です。1,000フォロワーでDMが来るアカウントの方が、1万フォロワーで反応がゼロのアカウントより、起業準備として意味があります。フォロワー数ではなく、1対1でやりとりできる人が増えているかどうかを進捗の基準にしてください。
Xから最初の収入につなげる仕組み

日本政策金融公庫「2024年度 新規開業実態調査」によれば、開業の動機として最も多かったのは「自由に仕事がしたかった」で56.9%でした。Xの発信から収入につなげるためには、発信だけでは不十分です。発信の外側に「次に来るべき場所」を用意することが必要です。
- ①プロフィールに「何屋さんか」を一行で書く:自己紹介欄に「○○の課題を持つ方に△△を提供している人」と入れる。フォロワーが最初に見る場所
- ②受け皿(連絡窓口)を一本化する:DM・メルマガ・LINE公式のいずれか1つに絞る。複数並べると問い合わせが分散する
- ③声をかけてきた人に丁寧に返す:最初の30件は全員に個別返信する気持ちで対応する。ここから口コミが生まれる
起業18フォーラムの会員Sさん(仮名・37歳・採用担当10年)は、Xで「採用面接での見抜けないポイント」を週1回投稿し続けました。3ヶ月後、中小企業の人事部長からDMで「採用の相談に乗ってほしい」と連絡が来て、月3万円の業務委託契約が成立しました。フォロワーは300人でしたが、「この人に話を聞きたい」と思われる投稿が積み重なったことが、最初の収入につながりました。
Xで絶対やってはいけないこと

Xを使う際には、いくつか注意すべき点があります。
会社の情報・内部データを投稿しない
業務で知り得た情報(顧客情報・社内の問題・未公開情報など)をXに投稿することは、守秘義務違反や就業規則違反につながります。発信するのは「自分の知識・経験・見解」だけにしてください。
就業規則を確認する
勤め先がXでの会社外の活動告知や情報発信を制限している場合があります。発信を始める前に、自社の就業規則を確認しておきましょう。
よくある質問

Q.匿名アカウントと実名アカウントはどちらがよいですか? 理由と手順を解説します。
起業準備中は、匿名で始めて実績を積んでから実名に移行する方法が現実的です。「○○業界10年の経験を持つ匿名アカウント」でも、投稿の内容が刺されば問い合わせは来ます。実名は独立に近づいたタイミングで切り替えることができます。
Q.発信テーマが思い浮かびません。
職場の後輩からよく相談されること・友人に「どうすれば?」と聞かれること・本業で他の人より得意なことを書き出してみてください。「自分では当たり前のこと」の中に、社外で価値になるテーマが必ずあります。
まとめ:少ない量で続けることが先

Xで起業準備を前に進めるには、多く発信することより「続けること」が先です。週1回の投稿を半年続ければ26本の実績が積み重なり、発信に対する信頼が少しずつ生まれます。フォロワー数より「話しかけてくれる人が増えているかどうか」を基準に動いてください。

まず今日、プロフィールに「自分は何屋さんか」を一行書き込むところから始めてみてください。
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