記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
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● 質問
海外旅行が大好きで、休みのたびにアジアや欧州を旅しています。
旅先で世界遺産やパワースポットの情報を発信したり、現地でお城を借りたディナーを提供したりして、旅行関連のビジネスで起業したいのですが、旅行業の資格もなく何から始めればいいかわかりません。
いきなり海外でビジネスを展開することはできるのでしょうか?(30代・会社員)

● 回答
観光庁「令和5年版観光白書」によると、日本人の海外旅行者数は2023年に約962万人(コロナ禍前2019年比約48%水準)まで回復し、インバウンド消費額は2023年に約5兆円を超えました。旅行市場は明らかに再拡大の局面に入っています。(出典:観光庁・令和5年版観光白書)
ただ、「旅行が好き=いきなり旅行会社が作れる」というのは大きな誤解です。旅行業法の登録なしにツアーの企画・販売・手配を行うことは法律違反となります。それでも、旅行好きを起業に生かすルートは確実に存在します。順番を守れば、ゼロからでも旅行関連ビジネスで収益化できるのです。
旅行業の規制と「資格なし」でもできること
旅行業法では、旅行商品の企画・販売・手配には第1種〜第3種または地域限定旅行業の登録が必要です。第1種は基準資産額3,000万円以上が必要で、個人が最初から目指すのは現実的ではありません。2018年の規制緩和で通訳案内士の資格なしでも有償ガイドができるようになりましたが、ツアー企画は別の話です。
- 旅行業登録なしでのツアー企画・販売・手配は旅行業法違反
- 旅行代理店や航空会社との提携は登録なしでは難しい
- 「お城でディナー」などの旅行商品化には旅行業登録が必要
一方で、資格なしでも合法的に始められることはいくつかあります。
- 旅行先の専門情報をブログ・SNSで発信してアフィリエイト収益化
- 旅行者と現地在住者のマッチングコーディネート(コーディネート料を受け取る)
- 旅行計画の相談を受けてアドバイス料をもらう旅行コンサルタント
- 現地集合・現地解散のキャンプやBBQなど、「旅行商品」に当たらないイベント企画
会員Tさんの事例:商社マンがアジア旅行の知識で月収15万円を実現した道のり
起業18フォーラムの会員Tさんは、30代前半の大手商社勤務で、プライベートではアジア各国を10年以上旅してきた方です。旅行関連で起業したいとセミナーに参加した当初、手元には資格も開業資金も、特定のスキルも「ないない尽くし」の状態でした。
私がTさんに最初にお伝えしたのは「まず特定の地域に絞って、自分だけが知っている旅行の深い知識を発信することから始めてください」ということです。Tさんはその後、タイ・ベトナム・カンボジア専門の旅行情報ブログを立ち上げ、3ヶ月目には現地在住日本人とのSNSコミュニティを設立します。
転機は参加から1年後のことです。「旅先でちょっとしたトラブルに対応してくれる日本語話者を紹介してほしい」というSNSの声をきっかけに、旅行者と現地在住日本人のマッチングサービスをビジネス化しました。コーディネート料として月収15万円を安定して得られるようになり、現在は旅行業登録に向けた資金を積み立てながら現地ネットワークを広げ続けています。
拙著『会社で働きながら6カ月で起業する』にこんな言葉があります。起業は「知・人・金の3種のチカラ」をバランスよく育てることが大切だというものです。旅行好きが磨くべき最初のチカラは「知(旅先の専門知識)」と「人(現地ネットワーク)」です。この2つが育ってから、はじめて「金(旅行業登録・設備投資)」が意味を持ちます。まずは自分が一番詳しい地域を1つ選んで、そこについての情報を発信することを今日から始めてみてください。

旅行業の登録はゴールではなく、旅行ビジネスのステージを上げるための手段のひとつです。まずは「知る人の少ない旅の情報を持っている専門家」として認知されることからスタートすれば、道は自然と広がっていきます。
よくある質問

Q.旅行業の登録なしで現地ツアーを企画することはできますか?
- 旅行業登録なしでのツアー企画・販売は旅行業法違反
- 登録なしで可能なのは「情報提供」「コンサルタント」「マッチング」に限られる
- 地域限定旅行業(第3種に準ずる)は最もハードルが低く、基準資産額300万円が目安
まずは登録を要しない形のビジネスで実績と資金を積み、段階的に旅行業登録へ進むのがリスク最小の順番です。
Q.外国人向けの有償ガイドをするために通訳案内士の資格は必要ですか?
- 2018年の規制緩和により有償ガイドに通訳案内士の資格は不要
- 「地域通訳案内士」「観光案内ボランティア」等の地域資格は任意
- ガイドという形なら旅行業登録も不要で個人として有償提供できる
外国人観光客が戻りつつある今、日本語・現地語を両方使えるガイド人材の需要は高まっています。特定の地域・テーマに特化したガイドは差別化しやすい出発点です。
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