英語の実践セミナーで起業する場合、セミナーの価格や講師の謝礼は?

記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
最終更新日:

● 質問

仕事で英語を使うビジネスパーソンを相手に、英語セミナーを提供しようと考えています。

英語学習ではなく実践できる環境ということで、2日間、英語でセミナーを行います。最初は2時間程度の講座を5000円で提供し、その後の2日間のクラスに誘導するつもりです。

差別化の特徴は、英語を教えるのではなく、全く別のテーマのセミナーを英語で行い、英語でワークをするなど実践ができることです。

そのテーマを、たとえば価格交渉術や不動産取引についてなど、ビジネスの現場で使える知識の習得セミナーにすれば、ワークの中で、普段、ビジネスパーソンが冷や汗をかきながら言葉を選んで交渉するような実践の英語が身につくと考えています。

そのような営業系のレベルの高い英語による交渉術はもちろん、もう少し下のレベル、たとえば技術系の現場でエンジニア同士が使う英語(ようするに中学、高校レベルの英語と、共通言語である専門用語ができれば十分)も習得できるように、IT系のクラスもやりたいと思っています。

英米中高の数学クラスの再現や、パソコンのクラス、プロムナードなども入れてパーティー会場での英語も身につけられるように、また、Nativeの英語だけではビジネスの現場では足りないので、あえてインドやアジア系の講師も入れて、様々な英語、言い回し、癖に対応できるようにしたいと思っています。

このような、中レベル以上の英語セミナー、2日間で5万円程度で商売になるでしょうか? また、講師はどのように集めて、謝礼はいくらにするべきでしょうか? 会場はどのように探すのでしょうか?
 


 

● 回答

まず、このような英語の実践セミナーが商売になるかは、専門性次第だと思います。実践的な英語を身につけたい人は多いですが、セミナーの内容がニッチになり過ぎると、集客に苦労するでしょう。

アイデアはとても良いと思いますので、後はいかに多くの人が参加してみようと思う程度の絞り込みで、セミナーテーマを決められるかだと思います。

たとえば、不動産取引を英語で学びたいと思う人は少ないと思います。
 

セミナー価格について

セミナー価格や講師の謝礼はどう決める?


 

価格ですが、専門性の高い講師を拘束するならばそれなりのギャラが必要になりますので、利益を出すためには集客人数にもよりますが最低3万円はもらいたいですね。ですが、参加者側から見るとちょっと高いかなと感じる価格帯です。

一般的に、セミナーの価格というものは、ブランドが無いうちは、企業が助成金なしで参加費を負担する場合でしたら一人当たり3万円、個人負担なら1万円くらいが限度でしょう。2日間でしたら、その倍というところでしょうか。

ブランド、実績がある程度できてきて、強いコンテンツを提供できるのでありましたら、企業よりも個人向け価格の方が伸びしろがあり、2日間講座で5万円くらいまででしたら上げられるでしょう。その場合にも、体験講座を3000円ほどで提供し、参加メリットを実感してもらうことが必要です。

いきなり5万円で売ろうとせず、まずはフロントエンドで市場の反応を探りつつ、次につなげるようにしましょう。

また、売上安定のためにはリピート参加も重要になってきますので、リピート参加者は安価で参加できるなどの特典を与えて、毎回テーマを変えるなどの工夫も必要になってきます。
 

集客が厳しい場合

セミナー価格や講師の謝礼はどう決める?


 

繰り返しになりますが、セミナーの場合、テーマがあまりニッチになり過ぎると集客が非常に難しくなります。最初は絞り込んで、充分に発信をしても集まりが悪いようでしたら、少しずつ対象者を広げられるようにテーマを広く、或いは浅く初心者向けにしていきましょう。

もし、テーマを広くすると訴求が弱くなるということが気になるようでしたら、集合型セミナーに拘らず、教材販売やマンツーマンレッスンにするなど、柔軟に商品を変えることも検討しましょう。集客できないからやめるというのが、イチバンもったいないです。
 

謝礼・会場について

セミナー価格や講師の謝礼はどう決める?


 

講師への謝礼ですが、素人講師の場合、2日間で最低6万円、それ以上は集客人数による上乗せで10万円上限くらいかと思います。これは絶対の数字ではありませんが、私の過去の経験から言うと、このくらいかなというところです。

会場探しは、今はオンラインの方が良いでしょう。会場費も必要ないので圧倒的に楽になります。どうしても会場が良い場合は、ネットで検索すれば、ポータルサイトがいくらでもありますので利用してみましょう。

また、まず、あなたが他社のセミナーに参加してみることをお勧めします。ラーメン屋さんがラーメンを食べ歩いたことがない、お金をもらう立場になるのにお金を払ったことがない、ということでは話になりません。高額講座を受けたことがない人に、高額講座は売れないでしょう。

会場、内容の調査含め、お金を払う人の気持ちを知ることにもなりますので、積極的に体験に出かけましょう。


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記事執筆/監修:新井一(あらいはじめ)起業支援キャリアカウンセラー

起業18フォーラム代表。「会社で働きながら6カ月で起業する(ダイヤモンド社)」他、著書は国内外で全10冊。最小リスク、最短距離の起業ノウハウで、会社員や主婦を自立させてきた実績を持つ。自らも多数の実業を手掛け、幅広い相談に対応している。




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