スマホやiPadだけで起業準備はどこまでできる? パソコンが要る場面との境界は?

記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
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パソコンを持っていなくても、いまあるスマホとタブレットだけで起業準備を始めたい。そんな相談が、子育て中の方や通勤時間の長い方から、年々増えています。

結論から先にお伝えすると、スマホとiPadだけでも起業準備のスタートは十分に切れます。手元の一台で小さく始めて、収入が育ってから道具を足す。この順番が、お金も時間も一番ムダになりません。

とはいえ、どこまでがスマホで足りて、どこからパソコンが必要になるのか。その境界が見えないまま「とりあえず買ってから」と先延ばしにしている方も少なくありません。

この記事では、スマホ完結でできる作業とパソコンが要る場面を、具体的なアプリ名やサービス名で線引きしていきます。

iPhoneとAndroid、起業準備にはどちらが向くか

仕事に使うスマホ選びの判断軸

まず、起業準備に使うなら「iPhone」と「Android」のどちらがよいか、という入り口の疑問から整理します。両者の一番の違いは、スマホを作っている会社です。iPhoneはアップル社が開発から販売まで手がける製品で、AndroidはGoogleのソフト「Android」を載せたスマホを、ソニーやシャープ、サムスンなど多くの企業が作っています。

メールや電話、検索をする程度なら、どちらを選んでも差はほとんど感じません。手頃な価格で持ちたい人はAndroid、操作感や画面にこだわる人はiPhoneを選ぶ傾向がある、という程度の話です。

ただ、仕事で使うことを考えると、セキュリティを理由にiPhoneを選ぶ人は一定数います。iPhoneはメーカーごとにOSへ手を加えないため、不正なアプリが入り込む余地が比較的小さいといわれているからです。すでに持っている端末があるなら、まずはそれで始めて構いません。買い替えを検討する段階になったとき、はじめてこの違いを思い出せば十分です。

スマホ・iPadだけで仕事は回せるのか

パソコンなしで起業準備が成り立つ根拠

総務省の令和6年版情報通信白書によると、スマートフォンの世帯保有率は90.6%で、パソコンの65.3%を大きく上回っています(2023年調査)。多くの世帯にスマホが行き渡り、しかもアプリ側も、小さな画面で仕事が回るよう年々作り込まれてきました。起業準備の最初の道具は、わざわざ買い足さなくても、すでに手の中にある方がほとんどなのです。

では、スマホやiPadで足りる作業はどこまでか。お客さんとのやりとり、写真撮影、SNS発信、簡単な画像づくり、フリマ出品、ネットショップの日々の運用。このあたりはスマホやiPadのほうが、むしろ速いくらいです。

iPadがあれば、ここに「ある程度まとまった文章を書く」「資料を見ながら作業する」が加わります。Bluetoothキーボードを足せば、短い記事や提案文くらいなら不便なく打てます。手元の一台で始められる以上、「パソコンを買ってから」と先延ばしにする理由は、もうほとんどありません。

スマホ完結でできるビジネスの具体例

指1本で進む起業準備の仕事の中身

具体的には、メルカリでの出品、InstagramやThreadsでの発信、Canvaでの画像づくり、CapCutでのショート動画編集、BASEやSTORESのアプリでの注文確認まで、指1本で完結します。文章の下書きや構成づくりも、いまはChatGPTのアプリがスマホで動きます。

  • フリマ物販:
    メルカリ・ラクマでの撮影・出品・発送連絡までスマホ完結
  • SNS集客:
    Instagram・スレッズ・TikTokは元々スマホ前提の設計
  • 画像・動画づくり:
    Canva・CapCutはスマホアプリが本体級の機能
  • ネットショップ運用:
    BASE・STORESの日々の注文対応はアプリで十分
  • 相談・スキル販売:
    ココナラのメッセージ対応はスマホ向き

どこからパソコンが必要になるのか

スマホ完結が限界を迎える作業量の境界

では、どこで限界が来るのでしょうか。これは「業種」というより、「作業の量と種類が増えたとき」です。多くの人が、収入が月に数万円を超えたあたりで、同じ壁にぶつかります。

たとえば商品点数が増えてくると、メルカリの出品を1点ずつスマホで打つのがつらくなります。注文が増えれば、発送伝票やお客さんの管理を、表で一覧にしたくなります。確定申告が近づけば、1年分の取引をまとめて入力する作業が発生します。こうした「量をさばく」「一覧で見る」「長文を打つ」作業は、画面の小さいスマホでは効率が一気に落ちます。

  • 商品100点超の在庫管理・一括出品
  • 1年分の取引をまとめる確定申告・帳簿づけ
  • 長文の記事執筆・提案書づくり
  • 複数の画面を並べて見比べる作業
  • 動画の本格編集・大きなファイルの書き出し

会計についても、freeeやマネーフォワードはスマホアプリで日々のレシート登録まではできますが、年に一度の申告作業はパソコンのほうが圧倒的にラクです。スマホで売上が立ち始めたら、利益の中から中古のノートパソコンを1台用意する、と先に決めておくと判断に迷いません。

朝晩30分だから続く、スマホ起業準備

スキマ時間にスマホ活用が続く理由

拙著『会社を辞めずに朝晩30分からはじめる起業』でも書いているのですが、朝晩30分、合わせて1日1時間あれば、自分のビジネスは少しずつ育てられます。まとまった時間が取れない人ほど、この「分割して進める」やり方が向いています。

そして、この朝晩30分と最も相性がいい道具が、まさにスマホです。机に座ってパソコンを開くより、布団の中やキッチンの片隅で30分動けるほうが、続く人は圧倒的に多いのです。技能や時間の切り売りではなく、自分のビジネスを持つ。その小さな一歩を毎日刻むための道具として、スマホはとても優秀です。

起業18フォーラム会員の寺岡さん(仮名・40代前半・メーカーの資材調達・子育て中)は、家にパソコンがなく、最初はスマホしかさわれませんでした。焦って「iPhone1台で稼げる」という情報商材に2万円ほど払い、自己流でつまずいたのが出発点です。

その後、起業18フォーラムの勉強会で「まず手元のメルカリで型を作る」と学び直し、不用品販売から取扱いを広げました。注文が増えてBASEに移し、在庫と帳簿で手が回らなくなった段階で、利益から中古ノートを買い足しています。スマホで始めて、伸びてから道具を足す。この順番に気づいたことが、寺岡さんの転機でした。準備を始めて14ヶ月、いまでは月2万8千円前後の利益で落ち着いています。

「スマホだけで簡単に稼げる」話の裏側

手軽さに紛れ込む危険な誘いの見分け方

手軽さの裏返しで、スマホには危ない誘いも流れ込んできます。SNSのDMで届く「iPhone1台で簡単」「タップするだけ」「友達を紹介するだけ」といった言葉は、ほぼ詐欺だと思って構いません。具体的な仕事内容や報酬の振込方法を出さず、先に登録料や情報商材を買わせるものは、特に危険です。

本気で検討するなら、運営会社の所在地と連絡先、報酬の計算根拠と振込時期まで、すべて確認してください。消費者庁も、SNS発のもうけ話のトラブルに繰り返し注意を呼びかけています。「高収入」「がっつり稼げる」という抽象的な言葉しか出てこない相手とは、関わらないのが安全です。

起業の現実は、もっと地味です。だからこそ大きく賭けず、今あるスマホで小さく試す、という入り方が結局いちばん遠くまで行けます。失っても痛くない範囲で始めれば、つまずいても何度でもやり直せます。

おわりに

手元の一台から始める起業準備の順番

パソコンがあるに越したことはありませんが、なくても起業準備は今日から始められます。手の中のスマホで小さな一歩を刻み、収入が育ってから道具を足す。その順番さえ守れば、設備にお金をかけすぎて動けなくなることもありません。

● 質問 起業準備として、AI集客ツールを導入して投稿を自動化し始めました。毎日投稿しているのに、フォロワーも
AI集客ツールを試しましたが反応がゼロでした。何が間違っているのですか? - 起業18フォーラム | 副業から始めて「稼ぐ力」を身に付けられるコミュニティサロン

よくある質問

Q.パソコンを買わずに、スマホとiPadだけで起業準備を始めても大丈夫ですか?

大丈夫です。フリマ出品、SNS発信、画像づくり、ネットショップの日々の運用は、スマホやiPadのほうがむしろ速く回せます。まずは手元の端末で型を作り、収入が育って作業量が増えてからパソコンを足す、という順番がおすすめです。

Q.スマホだけでは難しくなるのは、どんな作業ですか?

「量をさばく」「一覧で見る」「長文を打つ」作業です。商品100点超の一括出品、1年分の確定申告・帳簿づけ、長い記事や提案書の執筆、複数画面を並べた比較作業などは、画面の小さいスマホでは効率が大きく落ちます。月に数万円を超えたあたりが、買い替えを考える目安です。

Q.起業準備に使うなら、iPhoneとAndroidのどちらがよいですか?

すでに持っている端末で始めて構いません。メールや検索程度なら差は出ません。仕事用に買い替える段階になったら、不正アプリが入りにくいといわれるiPhoneを選ぶ人もいる、という程度に覚えておけば十分です。

Q.「iPhone1台で簡単に稼げる」という誘いは信用していいですか?

仕事内容や報酬の振込方法を示さず、先に登録料や情報商材を買わせるものは、ほぼ詐欺だと考えてください。消費者庁もSNS発のもうけ話に繰り返し注意を呼びかけています。運営会社の所在地・連絡先・報酬の計算根拠まで確認できない相手とは、関わらないのが安全です。


さらに詳しく知るには、以下より検索してみてください!
記事執筆/監修:新井一(あらいはじめ)起業支援キャリアカウンセラー

起業18フォーラム代表。「会社で働きながら6カ月で起業する(ダイヤモンド社)」他、著書は国内外で全10冊。最小リスク、最短距離の起業ノウハウで、会社員や主婦を自立させてきた実績を持つ。自らも多数の実業を手掛け、幅広い相談に対応している。




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