記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
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● 質問
長年続けてきた手芸が好きで、いずれは趣味を仕事にできたらと思っています。ただ、好きで続けているからこそ、お金が絡んで嫌いになってしまうのが怖いです。
趣味の副業を始める前に、何を決めておけば長く続けられるでしょうか?
● 回答

趣味の副業を長く続ける鍵は、好きの感情を守る環境を先に作っておくことです。始めてしまえばどうにかなる、という発想で踏み出すと、好きだったはずの作業が義務に変わり、ある日ぱったりと手が止まります。動き出す前に、時間・相手・お金の3つの条件を紙1枚に書き出しておくと、好きが続く確率がぐっと上がります。
拙著『1億円稼いでいる人は何をしているのか?』にも書いたのですが、時間の使い方は「重要×緊急」の4象限で整理できて、長く続く事業は「重要だが緊急ではない」象限に小さく確保した時間で動いていきます。趣味を仕事に変える準備は、まさにこの象限の代表例です。
続けるための3つの条件を、具体的に整理してみます。
- 時間条件:
本業・家族・睡眠を引いた残りの中で、趣味として残しておく時間と商品化に使う時間を分けて確保する - 相手条件:
最初に売る相手は、好きの世界を共有できる3人前後に絞る(自分の趣味を理解する人と最初に取引する) - お金条件:
売上が出始めても、最初の半年は趣味の道具・材料費の補填だけに使うと決める
特に大切なのは、相手条件の絞り方です。最初の半年で見ず知らずの一般客100人に売ろうとすると、対応に追われて作業が嫌いになります。好きの世界を理解してくれる3人前後に丁寧に届けるところから始めると、感情の余白が残ります。
消費者庁「特定商取引法ガイド」では、個人であっても要件を満たす取引は通信販売の販売業者に該当する場合があると整理されています。特商法・住所表記・返品条件などの基本は、最初の3人に対してもきちんと整えてから始めると、後から大きく直す必要がなくなります。
会員さんの萩原さん(仮名・46歳・既婚・子なし・大手食品メーカーの研究職)は、20年続けてきた手織りの作品を仕事にしたいと考えていました。最初の半年は知人20人に同時に告知し、注文の対応・素材調達・配送で消耗し、好きだった織りそのものが苦痛に変わってしまったそうです。
起業18フォーラムの勉強会で時間・相手・お金の3条件を学び直し、相手を手織り仲間の3人に絞り、時間は土曜の午前と日曜の夜だけと固定。売上はすべて素材費に回すと決めたとのことです。
準備11ヶ月目に初の安定的な月収3万円、22ヶ月目で月12万円の継続収入になり、現在も本業を続けながら、織りそのものを楽しめる感覚を取り戻しています。好きを守ろうとする条件が、結果として好きを長く続けさせる土台になったというのが萩原さんの実感でした。
趣味の収入づくりは、勢いで始めると好きの感情を壊しやすい領域です。時間・相手・お金の3条件を紙1枚に書き出してから、最初の3人に届けることから始めてみてください。好きを残したまま、稼ぐ感覚も育っていきます。

好きが嫌いに変わる原因は、趣味そのものではなく、最初の環境設計の抜けです。週末に3条件をノートに書き出して、最初に届ける3人の名前を書いてみてください。半年後の自分の手が、まだ楽しそうに動いている景色が見えます。
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