時間を切り売りする働き方から抜け出すには?

新井一

記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
最終更新日:

● 質問

収入はあるのですが、自分が手を動かしている間しかお金が入りません。本業もあるので使える時間には限りがあり、これ以上は増やせない天井が見えています。

自分が動き続けなくても収入が積み上がっていく形に、どうすれば移していけるのでしょうか?

起業前質問集

● 回答

時間を切り売りする働き方は、いきなり大海原に出る航海ではなく、まず岸の近くで小舟を浮かべてみることに似ています。最初の入口としては、これ以上ない正解です。ただ、その小舟をいつまでも自分の腕だけで漕ぎ続けると、腕の力が尽きた瞬間に止まります。ここから先は、漕がなくても進む帆を少しずつ張っていく段階です。

全体像をお伝えすると、時間売りをやめずに天井を外していく道は、三つの段階を順に進んでいきます。一足飛びにはいきませんが、順番どおりに進めば確実です。

段階1:毎回の仕事から「決まった手順」を抜き出す

最初の段階は、いま時間を売る中で、案件ごとに自分が同じ動きを繰り返している箇所を見つけることです。最初のヒアリング、見積もり、作業の段取り。毎回ゼロから組み立てているそのやり取りの中にこそ、型にできて手間を減らせる部分が眠っています。同じ流れを何度もなぞっているなら、それは一度きちんと型に落とせば、毎回の労力を確実に削れる箇所です。

段階2:手作業を仕組みに移して、時間を取り戻す

次の段階は、その手順を「自分が手を動かさなくても回る形」に移すことです。拙著『1億円稼いでいる人は何をしているのか?』では、不動産のような大きな資産(金の卵)より先に、自分がいなくても回る小さな仕組み(銀の卵)を持つことが大切だと書いています。予約や見積もりの受付を自動で受けられる形にしたり、毎回の説明を定型のサービス内容として固定したりすれば、一件あたりに食われていた時間が戻ってきます。

大きな仕組みでなくて構いません。小さな銀の卵を一つ持つことが、ここでの出発点になります。

段階3:空いた時間を「単価を上げる」ほうへ回す

最後の段階で、仕組み化で取り戻した時間を、より単価の高い仕事に振り向けます。時間売りを完全にやめる必要はありません。同じ一時間でも、受ける仕事の単価が上がれば、働く時間を増やさずに収入の天井は上がっていきます。今の時間売りの仕事は続けたまま、まず一件分の手間を仕組みに肩代わりさせ、空いた分を単価の高い仕事に充てる、と組み替えてみてください。

実際に、時間売りの天井を越えた方の話をご紹介します。

起業18フォーラムにいた緒方さん(仮名・40代後半・男性・IT企業のシステム保守職・妻と小学生の子)は、休日に初心者向けのパソコン設定の出張サポートを時間単位で請け負っていました。喜ばれてはいたものの、移動と毎回の段取りに時間を取られ、週末がすべて埋まってもそれ以上は受けられない状態に行き詰まっていたそうです。

動き出したのは、起業18フォーラムの勉強会で、自分の一件の流れを書き出してみたときでした。日程調整、聞き取り、当日の段取りと、毎回同じやり取りに想像以上の時間を割いていたのです。緒方さんは勉強会後の質疑で「作業そのものより、その前後で消えている時間のほうが多い」と気づき、予約と事前の聞き取りをネット上のフォームで自動的に受けられる形に置き換え、サポート内容も三つの定型メニューに固定し始めました。

準備2年目には、一件あたりの手間が大きく減ったぶん、空いた時間を法人向けの単価の高い案件に回せるようになり、働く時間はむしろ減ったのに収入の上限が上がっていきました。「時間を売るだけだった頃には見えなかった景色だ」と緒方さんは話してくれました。

時間の天井は、時間を増やして越えるものではなく、一件あたりの手間を仕組みに肩代わりさせ、空いた時間を単価の高いほうへ回すことで越えるものです。まずは、いまの仕事で毎回繰り返している段取りを一つだけ選び、フォームや定型メニューに置き換えられないか試してみてください。うまくいかなくても、それも立派なデータになります。

起業準備中に「ストック型」の収入源を1本作るには何から始めますか?
● 質問 起業準備中に、自分が動かなくても入り続ける「ストック型」の収入源を1本作りたいと考えています。何から

いつか、働く時間を増やさなくても収入の上限が上がっていく。その日のことを、少しだけ想像してみてください。今日、毎回の段取りを一つ仕組みに預けることが、その入口になります。


さらに詳しく知るには、以下より検索してみてください!
記事執筆/監修:新井一(あらいはじめ)起業支援キャリアカウンセラー

新井一
起業18フォーラム代表。「会社で働きながら6カ月で起業する(ダイヤモンド社)」他、著書は国内外で全13冊。最小リスク、最短距離の起業ノウハウで、会社員や主婦を自立させてきた実績を持つ。自らも多数の実業を手掛け、幅広い相談に対応している。

起業アイデア診断
【起業セミナー】会社員のまま始める起業準備・6ヵ月で起業する!

【動画セミナー】あなたのタイミングで学べる動画版もあります!

ポイント この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます!