起業と独立の違いとは? そもそも起業って何ですか?

新井一

記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
最終更新日:

● 質問

「起業」と「独立」「フリーランス」「開業」という言葉の違いがよくわかりません。今の会社を辞めてWEB制作のフリーランスになろうと考えており、退職前から知人の会社の案件を受けはじめています。ランサーズでも案件を探しています。

この状態で「起業した」と周りに言ってよいのでしょうか?

また、起業と独立はどう違うのか、自分がこれから目指すべきなのはどちらなのか、も教えていただきたいです。

起業前質問集

● 回答

まず「起業した」と言えるか、というご質問への答えは「まだ起業とは少し違います」です。ただ、それは否定ではなく「独立の第一歩を踏み出した」という意味で、正しい方向性です。この4つの言葉の違いをきちんと理解しておくと、次に何をすべきかが見えてきます。

日常では混同されがちな言葉ですが、それぞれ意味が違います。整理すると次のようになります。

  • 独立:会社組織から離れ、自分の名前・屋号で仕事をすること
  • フリーランス:特定の会社に雇用されず、複数の依頼主から仕事を受ける働き方
  • 開業:税務署に開業届を提出し、個人事業主として正式に動き始めること
  • 起業:新しい事業を立ち上げ、自力で集客の仕組みを作り、価値を届け続けること

わかりやすく言えば、「独立・フリーランス」は『どこで働くかを変えること』で、「起業」は『自分でビジネスの仕組みを作ること』です。ウーバーイーツで料理を届ける仕事も「独立した働き方」ですが、それは起業とは呼びません。ランサーズから案件を受けることも同様で、ランサーズというプラットフォームの仕組みの中で動いている状態です。

拙著『会社員が働きながら月30万円を稼ぐ起業法』の中に「起業の『あそび』」という考え方を書いています。ハンドルに「あそび」があるように、起業家は仕事の流れを自分でコントロールできる余白を持っています。仕事を「もらう側」ではなく「作る側」になること。この差こそが、フリーランスと起業家を分ける線引きです。

起業18フォーラムの会員Fさんの例をご紹介します。30代前半・会社員・WEB制作歴3年で月収30万円。妻と乳幼児の子どもがいる状況で独立を検討していました。

Fさんは最初、前職の取引先1社から案件を受けるフリーランスとしてスタートしました。月8〜10万円の収入は得られましたが、「値下げ要求が来たらお終い」という不安が常にありました。

独立から6ヶ月目、発想を切り替えます。「WEB制作を受注する」のをやめ、「中小企業経営者に向けて、制作と運用を一体でサポートするサービス」の発信を始めたのです。自社ブログを立ち上げ、地元商工会議所の勉強会に登壇し、半年後には月次顧問契約を3社と締結。月収20万円を超えたところで安定し、「仕事をもらう下請け」から「仕組みを持つ起業家」への転換が完了しました。

「集客は誰かのプラットフォームに頼らない」という意識に切り替えるだけで、方向性が変わります。今の仕事の中に「自分が発信できること・教えられること」がないか、まず紙に書き出してみてください。

統計面でも、こうした「仕組みを持つ起業」のスタイルが広がっていることがわかります。日本政策金融公庫「2023年度起業と起業意識に関する調査」によると、起業時に借り入れを行わない人は「起業家」で16.9%、「パートタイム起業家(副業・兼業型)」では89.1%にのぼります。多くの人が、会社員のまま小さく自分の仕組みを作り始めているのです。

  • フリーランス:仕事は他者のプラットフォーム(会社・クラウドサービス)から来る
  • 起業家:自分のプラットフォーム(発信・人脈・ブランド)から集客する
  • 最初はフリーランスからでもよい。ただし「集客の仕組みを自分で持つ」ことを目標にする

ご質問の状況は、「独立の一歩」として正しいスタートです。ただ、それを「起業」と呼ぶためには、集客の仕組みを自力で作ることが次のステップになります。焦る必要はありません。会社員のまま動き続けながら、少しずつ自分のプラットフォームを育てていきましょう。

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フリーランスとして独立したら仕事を頑張ることに集中しがちです。しかし、せっかく稼いでも知らないことがあったばっかりに損をしたので意味がありません。フリーランスで独立する場合に知らないと損をする4つのポイントを紹介します。

「WEB制作」はあくまでもツールです。その先にある「誰のどんな問題を解決するか」を言語化できたとき、フリーランスから起業家への扉が開きます。


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記事執筆/監修:新井一(あらいはじめ)起業支援キャリアカウンセラー

新井一
起業18フォーラム代表。「会社で働きながら6カ月で起業する(ダイヤモンド社)」他、著書は国内外で全13冊。最小リスク、最短距離の起業ノウハウで、会社員や主婦を自立させてきた実績を持つ。自らも多数の実業を手掛け、幅広い相談に対応している。

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