家族の急な事情で起業準備が止まったらどう戻る? 中断しても続く「朝晩30分」設計の作り方

新井一

記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
最終更新日:

● 質問

会社員のまま起業準備を進めていますが、親の通院付き添いや子の体調不良で、決めていた作業時間が頻繁に飛びます。「今週は集中して進める」と決めても、家族の予定が割り込むと一気に1週間止まり、戻ろうとした時には何をしていたか分からなくなります。

会社の繁忙期と違って、家族の事情はいつ来るか読めません。どう設計すれば止まらずに済むのでしょうか?

起業前質問集

● 回答

家族の突発事情で予定が崩れた日が続くと、起業準備は止まる、という相談が届くことがあります。順番を変えれば、もう一度動かせます。

問題は「時間が足りない」ではなく、「中断したあと、戻る場所が決まっていない」ことのほうに本質があります。

総務省の「令和4年就業構造基本調査」では、介護をしている人629万人のうち、有業者は365万人で、介護をしている人に占める有業者の割合は58.0%と示されています。家族の事情で予定が崩れる会社員は珍しい存在ではありません。むしろ「在職中の起業準備は、突発事情を吸収できる設計でないと続かない」と捉え直すほうが、現実的なのです。

「まとまった時間」を諦めることが第一歩

突発事情で止まる人の多くは、「まとまった時間が取れたら一気に進めよう」と考えています。けれど、まとまった時間が取れる日が来ても、その時には別の家族予定が割り込んでくるのが常です。

「まとまった時間」を期待する設計を諦めて、「30分の細切れ」を前提に組み直すと、突発事情に強くなります。

拙著『会社を辞めずに朝晩30分からはじめる起業』には、むしろ朝晩30分だからこそ続くという考え方が出てきます。短いから物足りないのではなく、短いからこそ突発事情に飲み込まれにくいのです。長い時間枠は割り込みに弱く、30分の枠は割り込みに強い、という構造的な違いがあります。

中断しても戻れる設計を作る4ステップ

入口から順番に見ていきましょう。「中断しても戻れる」を成立させるには、4つの要素を最初に整える必要があります。

  • STEP1:作業時間を「朝20分・夜10分」など30分以内の小ブロックに分割
  • STEP2:作業ごとに「次の1手」を1行メモに残してから終える習慣
  • STEP3:中断中の1週間に「考えるだけ」「読むだけ」のサブ作業を用意
  • STEP4:月次レビューを月末ではなく週1回・10分に短縮

起業18フォーラム会員の高井さん(仮名・40代前半・女性・大手保険会社総合職15年・既婚子1人・実母が要介護2で同居)は、立ち上げ初期、月の予定の半分を実母の通院付き添いで持っていかれていました。最初の3ヶ月で起業準備の進捗はほぼゼロでした。

転機は6ヶ月目です。高井さんは作業時間の設計を全面的に作り直しました。朝の家事前20分を「書く時間」、夜の子の就寝後10分を「翌日の1手を書き残す時間」と固定化。実母の通院で日中が消えた日は、移動中のスマホで「読むだけ」のリサーチに切り替える運用に変えたのです。

この設計に変えた結果、高井さんは4ヶ月で初の月収3万円、11ヶ月目で月収10万円の継続契約に到達しました。

「予定が飛んだ日も、夜10分の1手メモを残せれば、次の日に戻れる」と振り返っています。

「中断したから止まる」のか、「戻る場所がないから止まる」のか

家族の突発事情で起業準備が止まる、と感じている時、本当の問題は「中断したこと」ではなく「戻る場所が決まっていない」ことのほうにあります。中断は誰にでも起きます。戻る場所さえ用意されていれば、中断は止まりにつながりません。

  • 長時間ブロックを諦めて、30分以内の小ブロックに作業を分ける
  • 作業終了時に必ず「次の1手」を1行残しておく
  • 中断期間中は「考える」「読む」の低負荷タスクに切り替える
  • 週1回・10分の見直しで進捗を可視化する
  • 突発事情が来ても、月次の累積で前進を確認する

突発事情が読めない以上、設計で吸収するしかありません。30分の枠と「次の1手」のメモがあれば、家族の予定がいつ割り込んでも、起業準備は止まらず続いていきます。

今夜、明日の朝20分と夜10分の2ブロックをカレンダーに書き込んでください。

そして来週、信頼できる仲間に、自分の30分設計を見てもらう機会を1回入れてみてください。

主婦の起業準備は、家事のスキマ時間で進む?「朝晩30分」が続く理由と詰まる理由は?
● 質問 子育て中で家事や育児の合間に起業準備を進めようとしていますが、毎日予定通りに動けず3ヶ月で止まってし

起業18フォーラムでは、家族の事情を抱えながら起業準備を続けている方が大勢います。一人で抱えるよりも、同じ設計を持っている仲間に見てもらうほうが、突発事情への耐性は早く育っていきます。


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記事執筆/監修:新井一(あらいはじめ)起業支援キャリアカウンセラー

新井一
起業18フォーラム代表。「会社で働きながら6カ月で起業する(ダイヤモンド社)」他、著書は国内外で全13冊。最小リスク、最短距離の起業ノウハウで、会社員や主婦を自立させてきた実績を持つ。自らも多数の実業を手掛け、幅広い相談に対応している。

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