自治体の業務委託案件って、未経験でも応募できるのですか? 倍率と選ばれ方の実態は?

新井一

記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
最終更新日:

● 質問

会社員のままでできる起業準備の選択肢として、自治体の業務委託募集に応募してみたいと思っています。でも、自治体の業務委託案件は競争が激しくて、未経験では取れないという話を聞きました。本当に未経験では選ばれないのでしょうか?

起業前質問集

● 回答

自治体の業務委託案件は競争が激しく未経験では取れない、と思っていませんか。実際は逆です。自治体DX領域では人材不足が深刻で、本業で日常的にExcelや業務システムを触っている会社員は、それだけで貴重な候補になります。「未経験」と感じているのは応募者側の自己評価であって、自治体側の評価軸とは大きくズレています。

総務省が推進する自治体DX推進計画では、地方自治体の人材不足対策として業務委託・兼業人材の活用が明記されています。地方の小規模自治体ほどIT人材が圧倒的に不足しており、東京の大企業で経理・総務・営業事務をやっている会社員が、その経験のまま「貴重な人材」になります。

未経験でも選ばれる人と落ちる人の差

選ばれる人と落ちる人の差は、専門スキルの差ではありません。応募書類で「自分の本業の何が、どの自治体業務にどう活きるか」を翻訳できているかどうかです。

落ちる応募書類の典型

  • 本業の役職と業務範囲だけを箇条書きしている
  • 「自治体業務に貢献したい」という抽象的な動機しかない
  • 応募する自治体の現状把握が一切書かれていない

本業の経験を抽象化して列挙するのではなく、「うちの自治体のこの課題に、私の○○の経験が、こう使える」という具体性で書いてください。自治体側の担当者は、自治体業務を知らない応募者を「自治体業務の言葉に翻訳して説明してくれる候補」として探しています。具体性が選考を分けます。

自治体業務委託が起業準備の信用を作る理由

「○○県○○市の業務委託として採択された経験あり」という1行は、独立後の民間営業の場で強く効きます。

起業18フォーラム会員のDさん(仮名・50代前半・男性・大手SIer勤務・既婚・子2人)は、SE職で20年のキャリアがありながら「個人として何ができるか」が見えず、起業準備に踏み出せずにいました。スタート時点は会社員月収65万円・起業準備の収入はゼロ・退職への漠然とした不安を抱えたままでした。6ヶ月目に都道府県の業務委託マッチングプラットフォームから自治体DX案件に応募し、書類審査を通過。9ヶ月目に複数自治体と業務委託契約を結び、月12万円の継続収入に到達しています。会社の名刺を外しても残る個人実績の獲得という意味で、独立準備の信用蓄積として機能しています。

自治体業務委託の応募で書くべき3点

  • 応募する自治体の課題を1段落で要約
  • 本業の経験を自治体業務の言葉で翻訳した実例
  • 関わり方の具体提案(週○時間・成果物の単位)

未経験者が落ちる理由は、能力ではなく翻訳力です。本業20年の経験を「相手の言葉」に置き換える作業をすれば、自治体側は迷わず採用します。地方の小規模自治体では応募者数自体が少ない案件も多く、競争が激しいというイメージとは現場の実感が真逆です。

外注・業務委託を使い始めるタイミングはいつですか?
● 質問 起業準備中で、事務作業や画像作成など自分が苦手な仕事を外注したいと思っています。 でも、どのタイミン

あなたが本業で当たり前にやっている業務、それは別の現場では希少な経験です。自治体業務委託の募集サイトを今夜30分眺めてみてください。応募できそうな案件が1つでも見つかったら、書類を書いてみる価値は十分あります。動かないうちに「未経験では無理」と判断していませんか?


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記事執筆/監修:新井一(あらいはじめ)起業支援キャリアカウンセラー

新井一
起業18フォーラム代表。「会社で働きながら6カ月で起業する(ダイヤモンド社)」他、著書は国内外で全13冊。最小リスク、最短距離の起業ノウハウで、会社員や主婦を自立させてきた実績を持つ。自らも多数の実業を手掛け、幅広い相談に対応している。

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