記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
最終更新日:
● 質問
40代前半、独身、SaaSのバックエンドエンジニアです。起業関係の本を月4冊ペースで16ヶ月読み続けてきましたが、いっこうに何かを始められません。
読むのは楽しいのに、本を閉じた瞬間に「自分には何ができるのか」が消えてしまいます。最初の1歩はどう踏み出せばいいのでしょうか?

● 回答
起業18フォーラムの会員さんで、SaaSのバックエンドエンジニアをしている柏木さん(仮名・40代前半・独身・10年勤務)も、同じ悩みで相談に来られました。
本を10冊以上読み続けてきた人が動けなくなる理由は、知識不足ではなく、読んだ知識を「目の前の1人」に向けて使う思考が抜けているからです。
本を増やすほどに、抽象的な議論の中で迷子になります。
本ばかり読んで止まる人の典型的な進み方
柏木さんが最初の16ヶ月でやっていたのは、ベストセラーから始めて、勧められた本を順に読み広げ、Kindleハイライトを書き出して整理し、それを月1回ノートにまとめ直す、という流れでした。ご本人は「学んでいる」つもりですが、実際には「知った気持ちの良さ」だけが手元に残り、肝心の相手は1人も増えていない状態です。
転機は、面談で「読んだ本の中で、いちばん最初に頭に浮かぶ1冊はどれですか」と尋ねたときでした。柏木さんが挙げたのは、エンジニアの独立に関する一般書ではなく、ある中小企業のSaaS導入失敗談の本でした。読んでいるあいだに「自分の勤務先で似たことが起きた」と感じた1冊だったそうです。
最初の1歩を踏み出す動詞は「会いに行く」
そこから柏木さんは、その本に登場する企業と似た規模・業種の経営者に、LinkedIn経由で「30分話を聞かせてほしい」とメッセージを送りました。3通中1通から返事があり、結果として有料の業務改善相談(90分3万円)に発展しました。本を11冊目読む代わりに、本の1冊を引き金にして外の1人と会いに行ったわけです。
厚生労働省の令和6年度能力開発基本調査では、正社員が自己啓発を行う理由として「将来の仕事やキャリアアップに備えて」が59.9%、「転職や独立のため」が10.5%と示されています。あなたが本を読んでいる16ヶ月のあいだに、相手側は「その知識を自分の課題に合わせて使ってくれる人」を探しているかもしれないのです。
拙著『起業神100則』に「ドリルを売るな、穴を売れ」という考え方が出てきます。本を読み続ける行為は「ドリル(知識)を集める」ことに似ています。動き出す側に回るには、自分が持っているドリルで「誰のどんな穴を開けるか」を1人に決めるしかありません。
読書を行動に転換する小さな仕組み
柏木さんは現在、新しい本を読むときに「読了後に1人にメッセージを送るまで本を閉じない」というルールを自分に課しています。本の中身を要約するのではなく、読んでいて頭に浮かんだ実在の知人や経営者に「読書の感想と質問」を1通送る。これだけで、本が行動の燃料に変わります。
本を閉じる前に、その本を読みながら頭に浮かんだ実在の人の名前を、本の裏表紙に1人だけ書く習慣を始めてみてください。翌朝、その人にメッセージを送る理由が、本の側から自然に生まれます。

読んできた10冊が、最初の30分の燃料になります。寝る前に、いちばん最初に頭に浮かんだ1冊を本棚から抜き取り、その本を読んでいるあいだに思い出した知人の名前を1人だけ裏表紙に書き残してください。
さらに詳しく知るには、以下より検索してみてください!
★【起業セミナー】会社員のまま始める起業準備・6ヵ月で起業する!
★【動画セミナー】あなたのタイミングで学べる動画版もあります!
