メルカリから本格的な物販に進むとき何に気をつけますか? 売る前に決める3つの線引き

新井一

記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
最終更新日:

● 質問

メルカリで不用品を売っていたのですが、もう少し本格的に物販を始めたいと思っています。何を仕入れて売ればよいか迷っているのですが、最初に決めるべきことは何でしょうか?

起業前質問集

● 回答

最初に決めるのは「何を売るか」ではなく「何を売らないか」の方です。売る商品を決める前に、自分が扱わない商品の3基準を決めておくと、半年後の判断速度が大きく変わります。

消費者庁の「特定商取引法ガイド」では、インターネットでの通信販売は個人でも要件を満たせば販売業者に該当し、広告表示・誇大広告禁止・許認可が必要な商品など複数のルールが適用される、と整理されています。不用品の単発販売と継続的な物販の境目を曖昧にしたまま動き出すと、ある日いきなり責任範囲が広がります。

拙著『会社員が働きながら月30万円を稼ぐ起業法』で繰り返し書いている話なのですが、起業の初期は「闘争力より逃走力」を意識する局面で、競合が殺到する正面の闘いに巻き込まれず、自分が逃げて勝てる小さな場所を選ぶ思想です。物販で言えば、扱わない商品を先に決めることが「面倒な場所から逃げる」ための最初の判断になります。

売らない商品の3基準は次の通りです。

  • 許認可が絡む商品:
    食品(食品衛生法)・化粧品(薬機法)・酒類(酒税法)・古物(古物営業法)など、許認可なしで売ると違法になる領域
  • 説明責任が重い商品:
    家電・電子機器・健康食品など、不具合発生時にクレーム対応・返品対応が複雑になる商品
  • 返品時に家計が壊れる単価:
    1点5万円超の商品。返品1件で月の利益が消える価格帯は、起業準備段階では避ける

この3基準を紙に書いて、最初に扱う商品ジャンルから機械的に外していきます。残った領域から「自分が興味を持って続けられる」「過去に買って失敗した経験がある」「身近な人が悩んでいる」の3観点で重なる商品を選ぶと、半年後の継続率が大きく変わります。

会員さんの戸塚さん(仮名・43歳・既婚・小学生の子1人・IT企業の営業担当)は、最初の半年で「売れそうな商品」を求めて家電・ガジェット・化粧品まで手を広げ、返品対応と薬機法の確認に追われて消耗しました。

起業18フォーラムの勉強会で「売らない商品の3基準」を学び直し、最初に扱うジャンルを「キャンプ用品の小物(許認可不要・単価3,000-8,000円・自分が10年継続している趣味領域)」に絞ったとのことです。

準備12ヶ月目で月4万円、22ヶ月目に月13万円の継続収入になり、現在も会社員を続けながら月10件前後の発送を続けています。戸塚さんが振り返って言うのは、扱う商品を絞ったぶん商品説明テンプレートと返品対応マニュアルを丁寧に作る時間が確保でき、結果としてクレームが激減したということでした。

不用品販売と継続的な物販の境目を曖昧にしないこと。これが起業準備の物販で最初に押さえるポイントです。在庫を増やす前に「売らない商品の3基準」を紙に書き、自分が扱う領域を狭く深く設計してください。

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物販は「何を売るか」より「何を扱わないか」を先に決めるほうが続きます。

今夜のうちに、自分が扱わない商品の3基準を紙1枚に書き出してみてください。


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記事執筆/監修:新井一(あらいはじめ)起業支援キャリアカウンセラー

新井一
起業18フォーラム代表。「会社で働きながら6カ月で起業する(ダイヤモンド社)」他、著書は国内外で全13冊。最小リスク、最短距離の起業ノウハウで、会社員や主婦を自立させてきた実績を持つ。自らも多数の実業を手掛け、幅広い相談に対応している。

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