本業の繁忙期で起業準備が止まる人と前進する人の違いは何?

新井一

記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
最終更新日:

● 質問

会社員として起業準備を続けているのですが、本業の繁忙期(3月〜4月、9月〜10月)に入ると起業準備が完全に止まってしまいます。繁忙期が終わってから再開しようとしても、半月以上前進できません。

繁忙期でも進める人と止まる人の差は、どこにあるのでしょうか?

起業前質問集

● 回答

日本政策金融公庫の「2025年度起業と起業意識に関する調査」では、現在経営している事業に充てている時間が週35時間未満の人を「パートタイム起業家」と定義し、その黒字基調が74.8%という数字も示されています。繁忙期に止まるのは「時間不足」ではなく「再開設計の欠落」が原因です。

繁忙期で止まる人と止まらない人の比較

26年の支援で見えてきたのは、繁忙期で止まる人と止まらない人には、作業量の差はほとんどないということです。差は「再開コスト」の設計に集約されます。

項目 止まる人 止まらない人
繁忙期の作業時間 完全にゼロ 朝の10分だけ維持
記録の頻度 記録なし 週1回の月次レビュー
顧客連絡 繁忙期中は完全停止 月1通のフォローメール
再開コスト 半月の立ち上げ作業 即日復帰可能
起業18フォーラム会員Iさんの修正

起業18フォーラム会員のIさん(仮名・40代後半・男性・電機メーカー営業企画12年・既婚子2人)は、本業の繁忙期(3月決算前後・9月中間決算前後)に入ると、起業準備が完全に止まる2年間を過ごしました。自己流で「繁忙期は本業に集中、終わったら再開」と決めていたのですが、繁忙期明けに記録を読み直し、顧客リストの感覚を取り戻し、当初の構想を再確認するだけで半月かかり、年間の前進時間が実質6ヶ月分しか残らない事態が続いていました。

起業18参加後、勉強会で「繁忙期はゼロにせず、最小単位で残す」設計に切り替えました。具体的には、朝の出社前10分間だけ「起業準備ノートを開いて昨日までの状態を読み返す」という習慣を、繁忙期中も維持したのです。作業らしい作業はしません。読むだけです。同時に、見込み顧客3名に対して月1通のフォローメール(業界の小ネタを共有する短文)だけは送り続けました。

結果として、繁忙期明けの再開コストがほぼゼロになりました。記録は最新の状態で残っており、顧客との接点も切れていません。Iさんは在職中14ヶ月目に月4万円、20ヶ月目に月12万円の継続収入に到達し、現在は本業の業界知識を活かした製造業向けプレゼン資料制作の月額顧問契約8社を継続中です。繁忙期中の朝10分が、年間の前進量を2倍に押し上げた最大の要因でした

繁忙期でも続く最小設計
繁忙期に維持する最小単位の設計

  • 朝10分間「ノートを読む」だけの維持作業
  • 見込み顧客への月1通のフォローメール(短文・業界小ネタ)
  • 週末に15分の月次レビュー(数字・進捗・気づき)
  • 繁忙期前に「最低限残す3項目」を決めて家族と共有

拙著『会社員が働きながら月30万円を稼ぐ起業法』のSTAGE論にも書いているのですが、起業準備は「進める時期」と「種を腐らせない時期」を区別すると、半年・1年単位の前進量がまったく変わってきます。繁忙期はゼロにするのではなく、種を腐らせない最小単位で維持する。これが在職中の会社員にとって、最も継続性の高い設計です。

今夜、自分の本業の繁忙期スケジュールを年間カレンダーに書き出し、繁忙期中に維持する3項目を決めてください。これだけで、来年の前進量が変わります。

来週、繁忙期中も続けられる「朝10分のノート読み返し」を1週間試してみてください。業界知識という資産は、編集スキル不足を補ってあまりあります。種を腐らせない設計を持つ人が、結果的に半年後に最も前進している人です。


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記事執筆/監修:新井一(あらいはじめ)起業支援キャリアカウンセラー

新井一
起業18フォーラム代表。「会社で働きながら6カ月で起業する(ダイヤモンド社)」他、著書は国内外で全13冊。最小リスク、最短距離の起業ノウハウで、会社員や主婦を自立させてきた実績を持つ。自らも多数の実業を手掛け、幅広い相談に対応している。

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