記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
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「ランサーズに登録して半年が経ちますが、案件は1件3,000円ばかり。月の収入は3万円台で頭打ちです。続けても本業を超える収入になる気がしません」。
起業18フォーラムには、こういった声が毎月のように届きます。プラットフォームに登録して案件に応募する、という入口を踏んだあとに止まってしまう会社員の方が、想像以上に多いのです。
日本政策金融公庫『2024年度起業と起業意識に関する調査』によれば、パートタイム起業家の月商は50万円未満が90.2%を占め、自宅で作業する方が58.5%、現職で正社員のまま動いている方も37.7%に達しています。低単価から始めるのは間違いではありません。問題は、低単価の案件しか取れない構造のまま続けてしまうことです。本記事では、ランサーズで会社員のまま月15万円ラインに届くための単価設計を、起業支援の現場感覚で整理します。
ランサーズで起こりがちな失敗パターン

ランサーズは、ランサーズ株式会社が運営する国内最大級のクラウドソーシングサービスです。登録ランサー数は100万人を超え、ライティング・デザイン・開発・翻訳まで多様な仕事が並びます。数が多い分、初期に応募する案件は単価3,000円から1万円のレンジに集まりやすく、ここで滞留する会社員の方が圧倒的多数です。
失敗パターンの典型は、案件を「数」で取りに行こうとすることです。100件提案して5件採択、平均単価5,000円で月25,000円。これを倍にしようとしてさらに提案数を増やす方向に走ると、本業との両立が崩れます。単価を伸ばす道は、提案数を増やすことではなく、応募する案件の質を変えることにあります。
単価が上がらない原因3つの落とし穴

会員さんの相談現場を集めると、単価が上がらない方には共通する3つの落とし穴があります。
- 提案文がテンプレで全案件に同じ文面を使い回している
- 納品後のフォローがなく、リピートを生む導線が無い
- 「安さ」で勝負して比較対象に巻き込まれている
1つ目のテンプレ提案は、忙しい会社員の方が陥りがちな省力化です。同じ文面で投げると、案件ごとに求められている要件への解像度が伝わらず、結果として単価競争に巻き込まれます。クライアントが本当に読みたいのは「あなたが私の依頼内容をどれだけ理解したか」だけです。
2つ目のフォロー欠如は、最も損が大きい部分です。納品して終わりにすると、その案件は1回限りの取引で終わります。3つ目の「安さ勝負」は、競合が同じレンジに常駐しているため、永遠に値上げが通らない構造を自分で固定してしまいます。
単価を伸ばす人の動き方

逆に単価が伸びていく方は、案件1件への向き合い方がまったく違います。
- 提案文を1件ごとに書き直し、相手の目的に踏み込む
- 納品後に必ず「次回の相談先」として一言添える
- 得意領域を絞り「○○専門」のポジションを作る
拙著『起業がうまくいった人は一年目に何をしたか?』では、価格が変動する要因として「タイミング・季節・場所・目的・非日常・信用」の6つを挙げました。クラウドソーシングの単価は、このうち『信用』が積み上がるほど着実に動かせる構造になっています。同じ作業内容でも、初回の人と継続3回目の人とでは、相手から見た価値(=信用)がまったく違うのです。
会員Mさんの実例(激安受注からの立て直し)

起業18フォーラムの会員Mさん(30代後半・男性・SI系SE・既婚で4歳子1人・都内勤務)は、最初の半年をテンプレ提案の量産で過ごしていました。応募100件・採択10件・平均単価3,500円。月の収入は3万円台で固定され、平日深夜と休日が完全に潰れていました。
転機は起業18フォーラムの勉強会でした。「単価は作業の重さではなく信用の総量で動く」という議論に触れ、案件への向き合い方をゼロから組み直しました。低単価案件への応募を停止し、代わりに過去納品先のうち反応が良かった3社へ「継続でこの領域を担当させてほしい」と提案を送り直したのです。
修正から5ヶ月目、最初の継続契約が月3.5万円で成立。10ヶ月目には2社目が月5万円で動き出し、加えて単発の高単価案件(1件4万円〜)が月2件入るようになりました。13ヶ月目に月15万円ラインへ到達。本業の年収比でおよそ9割の水準を、在職のまま確保できる状態になっています。
案件数を絞って単価交渉に時間を投じる方が、応募数を増やすより遥かに早く月収を伸ばせます。
続く受注先の作り方

- 納品ごとに「次回希望」のメッセージを必ず添える
- 過去クライアントへ四半期ごとに近況報告を送る
- 得意領域の事例集を1ページにまとめておく
クライアントは忘れる前提で動く方が、継続率は確実に上がります。
四半期ごとの近況報告は、押し売りではなく「先方の状況を尋ねる」スタンスで送るのがコツです。「最近こういう取り組みを進めていますが、何か変化はありますか」と一言聞くだけで、相手は次の発注タイミングを思い出してくれます。事例集は、提案文の説得力を一段上げてくれる武器になります。

ランサーズの単価は、案件数ではなく続けてくれる相手の数で決まります。今日1人のクライアントから「もう一度お願いします」と言われる仕事ができれば、来月の数字はもう変わり始めています。
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