記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
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シェアエコノミーの流れに乗り、商品をまず無料でレンタルし、気に入ったら購入していただくビジネスを始めようとしています。
懸念しているのは、お客様が購入もせず返却もしてくれないケースです。会社員のまま起業準備中のため、裁判沙汰になるような時間はとれません。貸し出す際にどのような契約を結んでおくとよいでしょうか?
また、実際にトラブルが起きてしまった場合の対処法も教えてください。

● 回答
「返却トラブルが怖いからレンタルビジネスには手が出せない」という声をよく聞きます。でも実際には、事前の契約整備をしっかりしておけば、トラブルの大半は未然に防げます。返却されないリスクが高いのは、「なんとなく貸し出した」ビジネスです。約款・同意書・決済方法の3点を整えておけば、リスクは大幅に下がります。
拙著『会社員が働きながら月30万円を稼ぐ起業法』でお伝えしているのですが、起業で長く続くビジネスをつくるには「商品力×発信力×信用力」の掛け算が重要です。この信用力とは、実績だけでなく「お客様との約束の仕組み」を整えることでもあります。約款の整備は、その基盤になるものです。
返却トラブルを防ぐ、事前の3つの準備
内閣府の推計によると、国内シェアリングエコノミー市場は2023年度に2兆円規模を超えており、個人間の物品レンタルも急速に増加しています。それに比例して返却・損傷トラブルも増加傾向にあるため、消費者庁もガイドラインの整備を進めています。
- レンタル同意書(約款)の作成:返却期日・未返却時の対応(内容証明・法的措置)・損傷時の賠償基準を明文化する
- 返却前払い決済への変更:無料レンタルより有料の事前決済に切り替えることで、回収リスクがほぼゼロになる
- 身元確認の実施:氏名・連絡先・SNSアカウント等を記録しておく(内容証明を送る際に必要)
特に重要なのが約款です。内容証明郵便で「返却しない場合は法的措置をとる旨」を送付するだけで、ほぼ全員が返却に応じます。この内容証明を有効に使うためには、事前の約款に「未返却時の対応」が明記されていることが必要です。
会員さんの体験談:内容証明1通で問題が解決した
IT系企業に勤める33歳のKさんは、所有する一眼カメラ機材を個人向けにレンタルするビジネスを2023年夏に開始しました。開始から2回目の貸し出しで、返却期日から3日過ぎても音沙汰なし。焦ったKさんでしたが、開業前に作成していた「レンタル同意書」に「未返却の場合は内容証明郵便で請求する旨」が明記されていたことを思い出しました。
弁護士に相談するより先に、レンタル同意書の条文を添えた内容証明郵便を送付。10日後、商品は無事に返却されました。Kさんはその後、決済を先払いクレジットカード方式に変更。現在は月15万円の収入が安定しており、返却トラブルはゼロです。
まず「レンタル同意書」の雛形を1つ作っておいてください。インターネット上の無料テンプレートを使って、最低でも「返却期日」「未返却時の対応」「損傷時の賠償」の3項目を明記しておくだけで、トラブルのリスクは大幅に下がります。
もしトラブルが起きてしまったら:対応の流れ
事前の契約整備をしていても、返却されない場合はゼロにはなりません。そのようなときは、以下の順番で対応してください。
- STEP1:メール・メッセージで返却期日と同意書の条文を改めて通知する
- STEP2:通知から5日待っても応答なし → 内容証明郵便を送付(書き方は郵便局のHPで確認可)
- STEP3:内容証明でも動かない場合 → 少額訴訟制度(60万円以下)または支払い督促制度を活用。弁護士なしでも申請可能
多くのケースはSTEP1かSTEP2で解決します。「裁判沙汰になるのが怖い」と感じている方でも、内容証明の送付は郵便局で1,000円前後で手続きできます。会社員のまま起業準備中でも対応できる現実的な手順です。

レンタルビジネスのリスクは「事前の準備」でほぼコントロールできます。ビジネスモデルそのものは有望ですので、約款を整えたうえで一歩踏み出してみてください。
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