記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
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Kindle出版を始めて、月5万円のロイヤリティ収入を作りたい。そんなご相談が、起業18フォーラムにもここ1〜2年で目に見えて増えています。
ところがいざ自分で書いて出してみても、最初の1冊で月数百円〜数千円のまま止まる方が大半です。そして「やっぱりKindleは儲からないんだ」と早々に手を引いてしまう。これは本当にもったいないことです。
今日は、会社員のままKindle出版を始めて、月5万円のロイヤリティ収入に届くまでの「最初の1冊の設計」についてお話しします。Amazonの電子書籍出版サービスであるKDPの公式条件を踏まえつつ、起業18フォーラムで26年・延べ6万人の支援をしてきた経験から見えてきた共通点をまとめます。
Kindle出版を在職中の起業準備に組み込む全体像

Kindle出版は、KDPアカウントを整えれば、登録料や出版手数料なしで始められる電子書籍出版の仕組みです。一度公開した本は取り下げない限り販売され続け、自分が会社で働いている間も、寝ている間も読者に届く可能性があります。「会社員のまま、自分が休んでいる時間にも本が読者に届き続ける」というストック型の構造こそ、Kindle出版を在職起業の入口に選ぶ大きな価値です。
KDPの公式情報を確認しておくと、電子書籍のロイヤリティは主に2種類あります。日本の読者向けに70%ロイヤリティを選ぶには、著作権保護された作品であること、税込250〜1250円の価格帯に収めること、KDPセレクトに登録することなどが条件になります。
KDPセレクトは90日単位の登録で、電子書籍版をAmazon独占販売にする代わりに、70%ロイヤリティやKindle Unlimitedの既読ページ分配金の対象になります。登録しない場合は35%ロイヤリティで、日本向けの価格帯は税込99〜2万円です。70%ロイヤリティでは、税込価格から消費税相当額とファイルサイズに応じた配信コストを差し引いた金額に対して、70%がロイヤリティとして計算されます。
会社員が起業準備として始めるのであれば、まずは「KDPセレクト・70%ロイヤリティ・価格は980円前後」というスタンダードな設計を1冊目に置くのが無難です。税込980円の場合、消費税相当額と配信コストを差し引くため、1冊あたりのロイヤリティはおおむね620円前後になります。月80〜100部売れれば、月5万〜6万円台のロイヤリティが見えてきます。
Kindle出版が向いている人・向いていない人

Kindle出版を会社員のまま起業準備に組み込むやり方は、すべての方にぴったり合うわけではありません。向き不向きを冷静に整理しておくと、最初の1冊にかける時間とエネルギーの配分を間違えなくて済みます。
- 10年規模の専門経験を積み、後輩や同僚に「教えてくれ」と頼まれる場面が時々ある人
- 原稿執筆を毎日30分でも続けられる時間設計が、今の生活リズムにある人
- すでにSNSや社内でも自分の発信を細々続けていて、固有のものの見方・言い回しを持ち始めている人
- 「ベストセラー狙い」ではなく「狭く深く届ける」設計に納得できる人
- レビューや売上の増減に過剰に一喜一憂しない冷静さがある人
一方で、自分の業務経験の棚卸しがまだ終わっていない方や、原稿執筆に毎日確保できる時間がほぼゼロの方は、いまKindle出版から入るよりも別の起業準備テーマを先に進めたほうが結果につながりやすい傾向があります。向いていない人を否定する話ではなく、「順番として今ではない」というだけのことです。
最初の1冊で月5万円に届く人の3つの共通点

起業18フォーラムで在職中にKindle出版を始め、月5万円以上のロイヤリティに届いた方を観察すると、書き始める前の段階で共通しているポイントが3つあります。これは才能の話ではなく、設計の話です。
- テーマを「自分が会社で積んだ専門経験×さらに細い切り口」のレベルまで絞り込んでいる
- 1冊目を「全部入りの自己啓発」ではなく「明日から1つだけ実行できる手順書」として書いている
- 原稿が8割固まった段階で、同じ業界や近い課題を持つ3〜5人に内容を読んでもらい感想を集めている
逆にうまくいかない方は、最初の1冊から「自分の人生哲学」「会社員から自由になるための心得」といった広いテーマを選んでしまいがちです。最初の1冊では「自分の経験のうち、後輩に最もよく聞かれる場面」を1つだけ取り出し、その場面の解決手順だけに絞ってください。これは小さな本に見えても、Kindleカテゴリの中ではむしろ強く戦える設計になります。
拙著『会社を辞めずにあと「5万円!」稼ぐ』の「0.1%×0.1%」と狭ニッチ攻略

拙著『会社を辞めずにあと「5万円!」稼ぐ』に「0.1%×0.1%」という考え方が出てきます。日本の総人口を約1億2千万人とすると、0.1%は約12万人、そのさらに0.1%は約120人。狭く絞っても3桁規模の読者が国内に存在し得る、という発想です。
Kindleの場合は、Amazonという「本を探す人・買う人」が集まる場に、最初から本を並べられることが強みです。Kindleのカテゴリは細かく分かれており、小さなカテゴリでは月100部前後の販売でも上位表示を狙える場合があります。無理に「日本人全員に響く一冊」を狙うよりも、「自分の業界の特定の役職・特定の悩み・特定の年代」に的を絞ったほうが、結果として表紙やタイトルが読者の目に届きやすくなります。
- 日本の総人口の0.1% → 約12万人
- そのうちさらに0.1%(年代・職種・課題で絞り込み) → 約120人
- 120人が1冊購入してくれれば年間120冊・月平均10部
- その読者から同じ悩みを持つ友人や同僚へ広がれば、年間360冊・月平均30部も見えてくる
- さらに関連テーマの2冊目・3冊目、SNSやブログからの導線が重なれば、月80〜100部を目指す設計が見えてくる
この計算は楽観的に聞こえるかもしれませんが、書き手として大事なのは「届くべき相手が国内に何人いるか」が見えていることです。最初の1冊を書き始める前に、自分の本が刺さるはずの読者像を一度紙に書き出し、職種・年代・直面している課題の3点で絞り込んでみてください。0.1%×0.1%の感覚で読者を捉えると、テーマ設定が一気に狭くなり、結果として書きやすく届けやすくなります。
会員さんの実例(V字型):自己流の2冊から学びを得て月8万円前後へ

起業18フォーラムにいる秋元さん(仮名・38歳・男性・電機メーカーの法人営業職・妻と中学生の子1人・神奈川県在住)は、最初は完全に独学でKindle出版に挑戦していました。在職中の月収は47万円。残業後と週末に時間を確保し、1冊目は「会社員が自由になるための自己啓発」というテーマで3年前に出版したそうです。
1冊目は半年で販売部数52部・月平均ロイヤリティは約800円。同じ路線で書いた2冊目はさらに振るわず、1年経っても月のロイヤリティ収入は約3,000円にとどまっていました。
転機は、起業18フォーラムに参加して勉強会で「0.1%×0.1%」の考え方に触れたことです。「本業で積んだ専門領域は法人営業。そのなかでも『若手営業×初回訪問で次回アポイントを獲得する方法』が、後輩に最もよく聞かれてきた場面だった」と気づき、テーマを大幅に絞り直しました。
3冊目は『初回訪問で次回アポイントを獲得する若手営業のための3分プレゼン設計』というタイトルで、自分が後輩に伝えてきた現場ノウハウだけを書き上げました。発売後2ヶ月で「ビジネス・コミュニケーション」系のニッチカテゴリで一時的に1位を獲得し、その後もしばらく上位に表示されました。月のロイヤリティ収入は約8万円前後で推移しています。「狭くしたほうが届くという感覚は、自己流のときには想像できなかった」と秋元さんは振り返ります。
Kindle出版と組み合わせると効果が倍増する3つの行動

Kindle出版は単独でも価値ある仕組みですが、出してから「待っているだけ」では、本来届くはずの読者にも届かないのが現実です。私のところには「Kindleにアップしただけでは売れない」「ストアカやココナラに掲載しただけでは売れない」というご相談が届きます。どんなに良い本でも、Amazon上に公開しただけで読者の目に十分触れるわけではありません。出版日を迎える前から、自分の側で読者に存在を知らせる導線を作っておく必要があります。
- 原稿が5割ほど固まった段階で、Xやnoteに「いま書いている本のテーマ」を週1回ペースで発信し、読者との接点を作る
- テーマに近い分野の知人3〜5人に「出版前に読んで、率直な感想や改善点をください」と声をかける。ただし、Amazonカスタマーレビューの依頼とは切り分ける
- 発売後の1ヶ月は毎週1回、自分のSNSとブログに、許可を得た読者の感想や制作背景を添えて本の存在を再発信する
こういった発信導線を持っているかどうかが、最初の1冊で月5万円に届くかどうかの分かれ道になります。原稿の質だけでなく、「届けるための連絡先と動線」の有無で結果は大きく変わります。1冊目の出版日を決めたら、その日から逆算して3ヶ月前には発信導線の設計をスタートさせてください。

Kindle出版は、会社員という土台を保ったまま自分の専門経験を本という形で残し、それが読者に届き続ける数少ない起業準備の入口です。最初の1冊から「日本人全員に届く本」を狙わず、まずは0.1%×0.1%の狭いニッチに絞り込みましょう。狭く絞れば絞るほど、読者にとっての価値はむしろ深くなります。在職中の今だからこそ、落ち着いて書けるテーマがきっとあるはずです。
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