記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
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占い師として独立しようと思ったとき、最初にぶつかるのは「自分の鑑定で本当にお金がもらえるのか」という壁です。タロットや手相、四柱推命など、占術の腕は十分なのに、いざ料金を提示する場面で手が止まる。家族に話せばあまり良い顔をされず、SNSで発信しようとしても二の足を踏む。気づけば「もう少し勉強してから」が口癖になっているのです。
ここでは、占い歴のある会社員の方が在職中から無理なく鑑定の仕事を立ち上げるための順序を、起業18フォーラム会員さんの動き方をもとに整理します。占術の技術そのものより、料金設計とチャネル選びでつまずく方が多いという観察を踏まえて書きました。
占い師の経験がそのまま「商品」になる理由

占いを学んできた年数そのものが、起業準備でいちばん使える素材です。会社員のかたわら身近な人を鑑定してきた経験は、本人にとって「ただの好きなこと」でも、相談する側からは時間を惜しんで予約したいサービスに変わります。占い師が在職中に磨いてきた鑑定経験は、転売もコピーもされない一次資料の塊です。これが最初の値付けの根拠になります。
矢野経済研究所が2024年12月に発表した「占い・スピリチュアル関連ビジネス市場に関する調査」によると、2023年度の占いサービス市場規模は997億円で、主要6市場のうち5市場が成長基調にあります。対面・電話・メール/チャット・スキルマッチング・Webメディアなど複数の入口があり、技術を持っている占い師が入る余地は広がっています。
利用者の中心は女性が約90%、年齢層は30〜50代が約80%、利用目的の85%が恋愛・男女関係です。占い師自身がこの層と同年代であることが多く、相談者の悩みを「自分も通った道」として聴ける、これがそのまま信用に変わります。悩みの土地勘がある占い師に人が集まるのは、占術の差ではなく共感の解像度が違うからです。
拙著『起業神100則』に「名もなき強み」という考え方が出てきます。本人は気づかない、けれど周囲には価値が見えている強み、という意味です。占い師でいえば「友人が悩み相談に来る回数」「鑑定後にお礼の連絡が来る確率」が、これに当たります。料金表より先に、まずこの素材の棚卸しから入るのです。
起業準備で先に決める3つのこと

占術スキルだけでは商売になりません。占い師が起業準備で最初に手をつけるべきは、占い盤の前ではなく、紙とペンを使った設計の方です。決める順序を間違えると、せっかく集まった相談者が次に繋がりません。
1.鑑定単価の最低3段階
30分・60分・90分など、時間軸で3段階の料金を先に決めます。「いくらが妥当か」を考えずに、自分が嬉しい単価から逆算するのが起業準備期のコツです。拙著『会社を辞めずにあと「5万円!」稼ぐ』にこんな言葉があります。「月5万円までは一人で手を動かす範囲、月10万円から仕組み化が必要になる」。占い師の場合、3,000円の鑑定なら月10万円に届くには33件、5,000円なら20件、1万円なら10件です。件数で月の動きが見えると、料金は自然に上げざるを得ません。
2.提供チャネル
対面・電話・メール/チャットのどれから入るかを在職中に決めます。在職中の占い師に最も負担が軽いのはメール/チャットで、平日夜と週末に集中して鑑定が組めるからです。ただしリピートに繋がりにくい弱点があるので、慣れてきたら電話占い、その先で対面、と段階的に増やします。
3.リピート設計
1回限りの鑑定で終わらせない設計を、最初の鑑定を始める前に決めます。鑑定後に1週間のフォローLINEを送るのか、月1回の「経過確認鑑定」を割引で提供するのか、年間契約の「占い顧問」を作るのか。占い師の売上は新規ではなくリピート率で決まるので、リピート導線を初日から作っておくのです。
- 30分・60分・90分の3段階料金
- 対面・電話・チャットのうち1チャネル先行
- 初日からのリピート導線設計
鑑定料金とチャネル設計の現実的な水準

占い師が値付けで一番つまずくのは、相場を調べすぎて自分の単価を下げてしまうことです。電話占いサービスの占い師側の分給は新人ランクで40〜80円、対面ヒーリングサロンの利用者単価は60分6,000〜1万円、ココナラのスタート枠は500〜3,000円という幅があります。問題はその幅のどこに自分を置くかで、占い歴と鑑定経験で判断します。
鑑定経験5年以上の占い師
友人・知人・SNS経由で延べ200件以上の鑑定経験があるなら、初回からの対面1万円スタートが妥当です。ヒーラー資格や占術師の認定を持っているなら、なおさら下げる理由がありません。値付け3倍ルールを意識して、最初に頭に浮かんだ「3,000円なら頼みやすいかな」を、そのまま3倍の1万円で出すのが在職起業の現実解です。低単価で消耗しないための判断です。
鑑定経験2〜4年の占い師
電話占いサービスへの登録から入る選択肢があります。新人ランクで分給80円なら30分鑑定で2,400円、月20件で4万8,000円が見えます。経験を積んで分給100〜120円まで上がれば、同じ件数でも月収は6万〜7万円台に届きます。ただし電話占い大手の専属契約は会社員の就業規則と相性が悪い場合があり、雇用形態の確認は必須です。業務委託契約か、完全な歩合制かを契約書で確認してから登録します。
鑑定経験1年以下の占い師
ココナラ・MOSH・MENTAなどのスキルマッチングサービスから入ります。最初は500〜1,500円の練習価格でレビュー数を10件積み、その後3,000円台に移行します。起業18フォーラム会員さんの中でも、ココナラのレビュー20件を超えたあたりから、自分のサイトでの直接予約が入り始める方が多いです。レビューが信用の代わりに機能する期間と割り切るのです。
起業18会員さんの占い師ケース

30代後半・タロット歴8年・都内の事務職という会員さんの動きを紹介します。職場の同僚や友人からの相談歴は延べ100件を超えていましたが、それを仕事にしようと動き始めてから、最初の半年は売上ゼロでした。
最初に自己流で始めた頃は、WordPressで占いサイトを立ち上げ、メニューを5,000円・8,000円・1万2,000円の3段階で並べていました。けれど集客方法が分からないまま放置になり、半年で問い合わせ1件・成約0件という状態でした。「商品を作って並べれば誰かが来る」という発想は、占い師に限らず最も多い起業準備の落とし穴です。サイトを作ったところで終わってしまうのです。
起業18フォーラムの勉強会に参加してから流れが変わりました。「無料モニターで関係性を作ってから本鑑定を案内する」という導線設計を学び、月1回の無料モニター枠を3名に開放しました。無料の段階で「気持ちが軽くなりました」という声を5件もらってから初めて、月8,000円の継続応援プランの案内を出したのです。
無料モニターの3名のうち2名が継続応援プランに進み、月1万6,000円が安定収入になりました。半年後には対面鑑定を1回1万円で月6件、電話鑑定を週末だけ月4件追加し、現在は月の鑑定売上が10万円を超え、在職中のまま週末稼働の起業準備フェーズに入っています。占術スキルはずっと変わっていないのに、料金とリピート設計を組み替えただけで月収が動きました。
- 知:タロット歴8年と相談実績100件超
- 人:起業18フォーラム勉強会と無料モニター3名
- 金:継続応援プラン月8,000円から組み立て直し
占い師起業でつまずきやすい4つのパターン

占術の腕とは別のところで挫折する占い師が少なくありません。よくある詰まり方を4つ紹介します。
①鑑定料金が低すぎて疲弊する
1件500円や1,000円で受け続けると、月20件鑑定しても1万円〜2万円にしかなりません。鑑定そのものに集中力が要るので、低単価×高頻度は最も体力を奪うパターンです。最初の半年で「占いを嫌いになる」占い師の多くは、この低単価ループに入った人たちで、占術が好きなのに収入が低いという矛盾が消耗の正体です。練習期の500円鑑定は20件で卒業すると先に決めておくのが安全です。
②家族の反対で発信を控える
「占いなんて」と言われた経験を引きずって、SNSや友人への告知を絞ってしまう占い師は多いです。けれど発信を絞れば集客の入口が閉じるので、家族には起業準備の収支を数字で見せ、感情論ではなく事業計画として共有するのが現実的です。月の鑑定件数・売上・継続率の3点を見せられる占い師は、家族からの反対が薄れる傾向があります。
③無料鑑定だけ広がってお金にならない
「練習だから無料で」と始めた鑑定が、いつの間にか有料に切り替わらないまま固定客のように扱われる現象です。無料モニターは件数の上限と期間を最初に伝えるのが鉄則で、「初回30分無料・2回目以降は通常料金」と明文化しておきます。
④電話占いサービスの専属契約で本業に支障
大手電話占いサービスの中には、シフト性で稼働時間を縛る業務委託契約があります。占い師が在職中だと、平日昼の待機指定で本業に支障が出るケースが実際にあります。在職中の占い師は「完全歩合・待機時間自由」の契約形態を選ぶのが鉄則で、契約書のシフト規定を必ず確認します。
- 500〜1,000円鑑定の長期化
- 家族の反対による発信絞り込み
- 有料切り替えのない無料モニター固定化
- シフト縛りの専属契約
次のステップ:相談される占い師へ

占い師の起業準備は、占術の腕を磨き続ける時期というより、料金とチャネルとリピート導線という商売の地図を引く時期です。拙著『会社を辞めずにあと「5万円!」稼ぐ』に飛行機の比喩が出てきます。離陸前の滑走路を走る時期が必ずあり、そこで諦めない人だけが空に上がる、という話です。占い師でいえば、最初の半年〜1年は売上が読めない滑走路期に当たります。
在職中の今は、給与という安全ネットがあるからこそ、滑走路を走り続けられます。料金を下げずに、無料モニターから継続プランへの導線を一つだけ作る。それが回り始めたら、対面鑑定や電話鑑定を増やしていく。占い師さんの仕事は、人の悩みに長く伴走するほど信用が積み上がる商売なので、最初の1年は信用づくりに時間を使うつもりで動くのです。
占い歴は十分なのに踏み出せない、料金が決まらない、家族に反対されている、そういう状態のままでも、在職中なら「滑走路を走るだけ」で構いません。占術を磨いた時間を、相談される占い師としての時間に変えていく場として活用してみてください。

次の一歩は、料金表の3段階を紙に書き出すこと。占い盤の前ではなく、家計簿用のノートと電卓を出して、月10万円までの件数を逆算するところからです。
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