記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
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札幌のIT関連産業の売上は4,230億円規模(令和元年度・SAPPORO企業進出総合ナビ)。市独自の創業補助金も整備されており、道内有数の充実した創業支援体制を持つ都市なのをご存じですか?
この記事では、約195万人都市・札幌ならではの強みと、在職中から活用できる公的支援策を、具体的な手順として紹介します。
札幌で起業する3つの地域特有メリット

① IT産業の集積とニアショア需要
札幌市のIT関連産業は、全国でも有数の集積を誇ります。売上高4,230億円(令和元年度・SAPPORO企業進出総合ナビ)という規模は、道内で群を抜いています。大手SIerのサテライト拠点や独立系のWeb制作会社、クリエイティブ系スタジオが多く集まっており、東京の仕事を地方で受ける「ニアショア」の需要も根強いのです。IT系のフリーランスや小規模システム開発事業者にとって、動きやすい土台が整っています。
東京に比べ事務所賃料や生活費が安く、コストを抑えながら東京単価の仕事を受けられる。IT系で独立する会社員にとって、札幌は「東京より有利な出発点になりえる都市」のひとつです。
② 食・観光という強力な地域ブランド
北海道ブランドの食材は、国内外で圧倒的な知名度を持ちます。農産物・乳製品・海産物をEC販売やBtoB卸に転換するビジネスは、札幌を拠点にすることで仕入れ交渉や品質管理が格段にやりやすくなります。また、観光需要の回復で体験型の観光サービスや地域ガイドビジネスへの関心も高まっています。「この街に住んでいること」が直接、差別化になるビジネスです。
③ 生活コストの低さが継続力を支える
独立初期に最も怖いのは「固定費の重さ」です。札幌の平均家賃は東京23区と比べて大幅に低く(マンション平均で3割程度安い水準)、月々の支出を抑えられれば、売上が安定しない期間が続いても走り切れる時間が長くなります。会社員時代と同じ生活水準を保ちながら起業の準備を進めやすい環境は、実は大きなアドバンテージです。
札幌の創業支援施策と補助金を使い切る

札幌で起業する際に使える公的支援は、「市」「道」「国」の3層に整理できます。重ねて使うことで初期コストを大きく圧縮できます。
- さっぽろ新規創業促進補助金(札幌市):株式会社設立で7.5万円、合同会社設立で3万円を補助(登録免許税相当分)※令和8年度現行。令和7年度以前に提供されていた定款認証手数料相当分の補助は廃止されています。申請前に必ず札幌市公式ページで最新情報をご確認ください。
- 特定創業支援等事業(さっぽろ創業支援プラザ):法人設立時の登録免許税が0.7%→0.35%に軽減
- Sapporo Business VILLAGE(札幌市産業振興センター):インキュベーション施設。事務所スペースと経営相談を一体提供
- 北海道起業支援金(北海道庁):最大200万円・補助率2分の1。道内での新規起業が対象
- 移住支援金(北海道・市町村):東京23区在住者が北海道に移住して起業する場合、北海道UIJターン就職移住支援事業の基本額は単身60万円・世帯100万円。※ただし札幌市独自の移住支援金は令和8年4月1日以降の転入者から単身30万円・世帯60万円に改定されています。最新情報は札幌市公式ページでご確認ください。
さっぽろ創業支援プラザとは
「さっぽろ創業支援プラザ」は、札幌中小企業支援センターと札幌商工会議所が窓口を担う無料の総合創業相談サービスです。事業計画書の作り方から融資の選択肢まで、ワンストップで相談できます。まだ何も決まっていない段階でも、気軽に連絡してみてください。ここでの「特定創業支援等事業」を修了した創業者は、前述の登録免許税軽減のほか、信用保証の特例も受けられます。
注意点として、さっぽろ新規創業促進補助金は「初めて法人の代表になる人」が対象です。個人事業主からの法人成りも条件を満たせば対象になりますが、開業届の提出から5年以内という要件があります。自身の状況をプラザで事前確認してから動くほうが確実です。
札幌で起業に向いているビジネスアイデア

令和3年の経済センサス(総務省・経済産業省)によると、札幌市内の事業所数は73,576事業所、従業者数は930,326人です。業種別では卸売・小売業(事業所全体の23.2%)、宿泊・飲食サービス業、医療・福祉が上位を占め、この3業種で事業所全体の45.5%と半数近くを占めています。この産業構造から逆算すると、以下の分野が起業に向いています。
- IT・DXコンサルティング:道内中小企業のIT化は遅れており、「使えるエンジニアを外部顧問にしたい」というニーズは多い。技術者が1人で対応できるコンサル型から始めやすい
- 食・農産物のEC販売代行:北海道産食材のブランド力を活かし、生産者と消費者をつなぐ。仕入れ先と関係が作れれば、参入障壁が自然と高くなる
- インバウンド向け体験型サービス:外国人観光客向けの雪国体験・食体験・地域案内。英語力と地元の知識という掛け合わせで差別化できる
- 医療・介護の周辺サービス:高齢化が進む北海道では安定した需要がある。コンサル・記録代行・スタッフ研修など、資格外の周辺業務でも十分に事業化できる
- 移住・二拠点生活コーディネート:札幌への移住を検討する首都圏在住者向けコンサル。地元に住んでいる人にしかできない仕事
拙著『会社員が働きながら月30万円を稼ぐ起業法』で紹介しているSTAGE別の考え方では、最初は月1万円を確実に稼ぐSTAGE Iから始めるのが正しい順番です。「大きく稼ぐ」より「小さくても継続できる仕組みを作る」を優先することで、独立後の安定につながります。
札幌在住の会員さんが在職中から動き出した話

小野寺さん(仮名)のケース
小野寺さん(仮名・48歳)は、札幌在住のITシステムエンジニアとして22年間勤めた後に独立した会員さんです。SQL設計と業務フロー改善が専門でしたが、「飛び抜けた技術がない」という自己評価が長年、独立への踏み出しを妨げていました。
起業18フォーラムに入会したのが47歳のとき。強みの棚卸しをするうちに、「業務設計×DB最適化」という組み合わせが、IT投資余力の少ない道内中小企業には刺さると気づきました。「使えるエンジニアを1人だけ外部顧問として持ちたい」というニーズが、中小の製造業や小売業の中に確実に存在しているのです。
入会から6ヶ月で、知り合いの製造業の総務担当に声をかけ、月5万円の顧問契約を取りました。本業を続けながらSTAGE Iの収益を積み上げた形です。「会社員のうちに最初の顧客を得た」という事実が、感情ではなく実績に基づいた独立判断を可能にしてくれた、と小野寺さんは話しています。
その後10ヶ月で月15万円、独立から1年後には月20万円を超えました。現在は道内の製造業・小売業を中心に複数のクライアントを持ち、対面コンサルと遠隔作業を組み合わせたモデルを確立しています。
札幌から起業を始める最初のステップ

在職中に動き出した会員さんに共通することがあります。「考える前に、まず起業18のセミナーを受けた」という行動です。皆さん、まだ何も決まっていない段階でも基礎がわかることで、その後の展開が大きく変わったとおっしゃいます。「まずは行動」という事実が、次の行動を確実に引き寄せます。

私はこれまで26年間、延べ6万人以上の方の起業をご支援してきましたが、「動き出しが早い人ほど、独立後の選択肢が広い」という傾向は一貫しています。会社員として収入が守られている今のうちに動いておくことが、あとで必ず効いてきます。
既に事業プランがある人は、さっぽろ創業支援プラザに連絡するところから始めてみてください。ない人は、起業18フォーラムで一緒にやりましょう!
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