ニトリせどり、転売で儲けられると聞いたのですが、本当ですか?

新井一

記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
最終更新日:

● 質問

ニトリせどり、転売で儲けられると聞いたのですが、本当ですか? ネットでもそういう情報をよく見かけますし、副収入として安全に始められるものなのでしょうか?

起業前質問集

● 回答

ネットで見かける「ニトリせどりで月10万円」という情報。ご興味を持たれるのは自然なことです。ただ結論からお伝えすると、ニトリせどりは「短期的にお金になることもある」けれど、「起業準備としては最も非効率な選択肢のひとつ」です。同じ時間を使うなら、もっと先に資産が積み上がる方法があります。

その理由を、市場の動き・著書の考え方・会員さんの実例から、丁寧に整理してお伝えします。

なぜ「ニトリせどり」をおすすめしないのか

経済産業省「令和5年度電子商取引に関する市場調査」によると、2023年のBtoC物販系EC市場規模は14兆6,760億円に達しました。前年比4.83%増の巨大市場です。一見、追い風に見えますが、その内訳は大手プラットフォーマー(Amazon・楽天・メルカリ)に流入が集中し、個人転売の利益率は年々圧迫されています。

さらに、Amazonは「真贋調査(しんがんちょうさ)」と呼ばれる出品者検証を強化中で、個人がメーカー仕入れ証明を出せない場合のアカウント停止が頻発しています。「ある日突然、月数十万円の売上がゼロになる」というリスクは、いまや日常的な現象になっています。

  • ニトリ規約「転売目的の大量購入」は明確に禁止対象
  • Amazon・メルカリの真贋調査でアカウント突然停止のリスクあり
  • 店舗仕入れ→撮影→出品→梱包→発送で月100時間超の労力
  • 動かなければ収入ゼロ、体調を崩した瞬間に止まる
  • 仕入れ資金がショートすると一気にキャッシュフロー破綻

「ニトリせどりは違法か?」と聞かれれば、違法ではありません。ですが、プラットフォームの規約・運営判断ひとつで明日から消える可能性のある収入に、あなたの大切な時間と資金を預けていいのか。そこを冷静に見ていただきたいのです。

「フロー思考」と「ストック思考」で読み解くせどりが消耗する理由

拙著『1億円稼いでいる人は何をしているのか?』に「フロー思考とストック思考」というテーマを書いています。フロー思考は「今月の売上を作る働き方」、ストック思考は「資産が積み上がる働き方」。両者の違いは、1年後・3年後にまったく違う景色を見せます。

ニトリせどりは典型的なフロー思考のモデルです。仕入れて売って、また仕入れて売って。手を止めれば即ゼロ。一方で、コンテンツ・スキル・顧客リスト・サブスク収益などは、いったん仕組みを作れば寝ている間も売上が動きます。これがストック思考です。

  • Kindle・Brain・noteでの電子書籍/ノウハウ販売
  • YouTube・ブログでの広告/アフィリエイト収入
  • 過去経験を活かしたオンライン講座(Udemy・自社サイト)
  • 個人向けサービスの月額会員モデル
  • BtoBコンサル契約(顧問・伴走型)

これらは初期立ち上げに時間がかかりますが、3ヶ月から半年でフローと逆転し、その後は手を止めても収入が続きます。ニトリせどりに毎月100時間使うか、Kindle1冊を2週間で書くか。1年後の自分の手元に残るものを想像してみてください。

会員Zさんの事例:ニトリせどり月3万円から、Kindle出版で月15万円へ

起業18フォーラムの会員Zさん(38歳・男性・元物流会社勤務)も、最初はニトリ・コストコ・ドンキ・GUなどの店舗せどりからスタートした方でした。週末2日をフルに使い、月の利益はおおよそ3万円〜5万円。「割に合わない」と感じる日が続いたそうです。

転機になったのは、Amazonアカウントが真贋調査で突然停止された出来事でした。1週間ほどでアカウントは復活したものの、Zさんは「他人の規約に左右される収入は怖い」と痛感。せどりを続けながらも、週末の半分を「自分のメディアづくり」に切り替えていきました。

具体的には、店舗せどりで得た「店ごとの値付けの癖・季節商品の動き・Amazon相場の読み方」をノウハウとして整理し、Kindle電子書籍を3冊執筆。1冊目は500円・90ページの体験記、2冊目以降は1,200円のノウハウ集。出版から8ヶ月後には、せどりを完全にやめてもKindleと派生講座で月15万円が安定して入る状態になりました。

同じ「店舗での商品観察」という時間を、フロー収入で消費するか、ストック資産に変換するか。違いはこの一点です。

では、ニトリせどりに使う予定だった時間で、何ができるか?

「せどりはダメ。じゃあ何をすればいいの?」と感じられたかもしれません。ご安心ください。会社員のまま、誰でも今日から始められる選択肢はあります。

  • これまでの仕事で得た「業界の常識・型・テンプレ」を文章化する
  • 身近な人がよく相談してくる悩みを15個書き出す
  • その悩みに対して自分が答えられることをリストアップする
  • 500円〜1,000円のミニ電子書籍として1冊だけ出してみる
  • 反応があったら有料コンテンツ・講座へと展開していく

これが、せどりと同じ時間軸で取り組んだとき、半年後に資産として残るアプローチです。手を止めても回り続ける収入の種は、すべての会社員が持っている「経験」のなかにあります。

ニトリせどりが気になったあなたは、それだけ「副収入を作りたい」という強い気持ちをお持ちです。その気持ちを、消耗するモデルではなく、積み上がるモデルに向けてください。一年後の景色が、まったく違って見えるはずです。


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記事執筆/監修:新井一(あらいはじめ)起業支援キャリアカウンセラー

新井一
起業18フォーラム代表。「会社で働きながら6カ月で起業する(ダイヤモンド社)」他、著書は国内外で全13冊。最小リスク、最短距離の起業ノウハウで、会社員や主婦を自立させてきた実績を持つ。自らも多数の実業を手掛け、幅広い相談に対応している。

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