記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
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● 質問
会社員として在職しながら起業準備を進めていますが、4ヶ月続けたところで気持ちが折れて、ここ数週間まったく動けていません。「やめたほうがいいのかな」「自分には向いていなかったのかな」という思いがぐるぐる頭を巡って、自分でも何から戻せばいいかわかりません。
気持ちが折れたとき、何を立て直せば再スタートできるのでしょうか?

● 回答
起業準備の途中で気持ちが折れて何度も止まりかけた、という相談が届くことがあります。「自分の弱さ」と片づけてしまう人が多いのですが、私のこれまでの起業支援の経験では、止まる理由はメンタルそのものより「不安の中身が漠然としていること」のほうが大半です。気持ちを立て直すには、まず漠然を解きほぐして、不安を「具体の小さな塊」に分解するほうが先です。
「自分が悪い」と片づけてしまった会員さんの話
起業18フォーラム会員の津久井さん(仮名・30代後半・女性・経理職・夫と子ども1人)は、自己流で起業準備を始めて4ヶ月目に気持ちが折れた方です。月収手取り28万円で、会社の給与以外の収入はゼロ。最初は「自分が弱いから止まる」と決めつけて自己嫌悪に陥っていました。
転機は、起業18フォーラムの勉強会で「不安は具体化すれば対処できる」という考え方を聞いたときに訪れました。津久井さんは漠然とした不安を紙に書き出してみると、「商品が売れるか」「家計が崩れるか」「家族が反対するか」など、実は別々の課題が混ざっていたことに気づいたそうです。混ざった不安を1つずつ分けて、それぞれに小さな対処を割り当てたら、行動が再開しました。10ヶ月目に最初のクライアント2件・月収4万円、16ヶ月目に継続契約で月収11万円、現在は会社員のまま在職起業を続けています。
「漠然」が続くと自我消耗が加速する
拙著『起業神100則』には「不安の原因は漠然」という考え方が出てきます。そして同じ本で、心理学者バウマイスターの「自我消耗」の話にも触れました。意志力は使うほど減るのに、漠然は何度も意志力を使わせるからです。気持ちが折れる前に、まず「何が漠然のままなのか」を可視化することが、最も効率の良いメンタル立て直しになります。
- 不安を「気持ちの問題」とまとめて自己嫌悪で処理している
- 動けない理由を1つに集約してしまい、複数の課題を見落としている
- SNSで他人の進捗を見ては自分と比較して、自我消耗を加速させている
- 休む日と動く日の境目がないため、頭が常時「動かなければ」状態に固定される
立て直しの順序:書き出し→分解→最小行動
厚生労働省が2023年に発表した労働者の健康調査では、強い不安・悩み・ストレスを感じる労働者の割合は82.7%という数字があります。在職中に起業準備を進める人にとって、不安そのものをゼロにするのは現実的ではありません。大切なのは、不安をなくすことではなく、不安を扱える「サイズ」に切り分けることです。
- 紙に「いま不安に感じていること」を10分で全部書き出す
- 1つずつに「これは事実か/妄想か/確認すれば消えるか」と短くラベルを付ける
- 「確認すれば消える」ものから、今日1つだけ最小行動を実行する
津久井さんが立て直せたのも、最初に書き出した16個のうち、半分が「確認すれば消えるレベルの不安」だと気づいたからでした。「家族に反対されるかも」は、実際に話してみたら反対されなかった。「商品が売れないかも」は、知人3人に聞いてみたら、1人が「ぜひ頼みたい」と言ってくれた。紙に書き出して仕分けるだけで、頭を消耗させていた漠然の7割が消えていきます。
立ち止まる日を、悪者にしない
もう1つ大事なのは、「止まる時期」を罪悪感で塗り替えないことです。会社員のまま起業準備を進めると、波があります。私自身も26年間支援してきた中で、ずっと右肩上がりだった会員さんはほぼいません。大半の方が、数週間〜数ヶ月の停滞期を1度〜2度はくぐっています。津久井さんが「自分の弱さ」と思い込んでいた時期も、実は普通の景色だったのです。
会員さんの実例の幅は 起業18フォーラム会員の事業業種一覧 から確認できます。続いている方々の多くが、止まる時期を経験しながらここまで来ています。

紙とペンを10分用意して、頭の中の不安を全部書き出してください。漠然が具体に変わった瞬間に、足は自然に動き始めます。
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