記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
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「起業したいけれど、お金の準備が一番不安です」という声は、26年間の支援の中でずっと聞いてきた言葉です。
でも正直に言うと、多くの会社員が「お金の問題」を実際よりはるかに大きく感じているように見えます。やり方と順番を知るだけで、起業準備中の「資金への不安」は驚くほど小さくなります。
今日はその全体像をお伝えします。
「融資を怖がる前に」起業資金の全体像を知っておく

まず大前提として、起業準備のための資金調達には大きく3種類あります。
- 公的融資(日本政策金融公庫など):金利が低く、無担保・無保証人で利用できるケースが多い
- 自己資金の積み立て:在職中の給与から計画的に積み上げる基本戦略
- 民間融資・信用金庫:公的融資の補完として使う。地域密着型の相談がしやすい
大切なのは、この3つに優先順位があるということです。まず自己資金を積み立てながら、公的融資の仕組みを理解する。これが会社員が起業準備段階でやるべき順番です。
よく「自分には融資が難しそう」と最初から諦める会社員の方がいますが、そう感じる原因は「仕組みを知らないから」であることがほとんどです。知ることが不安を消す最初の一歩になります。
最優先は日本政策金融公庫の「新規開業・スタートアップ支援資金」

2025年に制度が変わった
日本政策金融公庫の創業融資は、2024年3月に「新創業融資制度」が廃止となり、その後2025年3月に「新規開業・スタートアップ支援資金」へと名称が変更されました。名前が変わっても、個人起業家にとって使いやすい制度であることは変わっていません。
無担保・無保証人で利用できるのが最大の特徴です。融資上限も大幅に引き上げられており、現在は7,200万円(うち運転資金4,800万円)となっています。もちろん個人の起業準備で7,000万円を借りる必要はありませんが、「足りない」という心配はまずないでしょう。
会社員でも「開業予定者」として申請できる
重要なポイントを一つお伝えします。この制度は「新たに事業を始める方」が対象です。つまり、まだ会社員として在職中でも、開業を予定しているタイミングから相談・申請ができます。
早い段階から公庫の相談窓口に足を運び、「どんな事業を考えているか」「自己資金はどう準備しているか」を相談しておくことが、審査通過の確率を上げることにつながります。難しく考えず、まず話を聞きに行くところから始めましょう。
自己資金の積み立てが「融資審査」の土台になる

審査で見られる「通帳の動き」
融資審査において、審査担当者が非常に重視するのが「自己資金の形成過程」です。毎月一定額を計画的に積み立てている通帳の記録は、「この人は事業を長続きさせられる堅実な人だ」という評価材料になります。
逆に言えば、申請直前に親から一括でお金を入れてもらっても、そのような形成過程がないと審査に不利になることがあります。「突然大きな金額が入った通帳」は審査担当者がすぐ気づきます。日頃からの積み立て習慣こそが財産なのです。
小さく稼ぎ始めることが「事業実績」になる
もう1つの視点があります。在職中から少しでも個人事業として収入を得ていると、それが「事業実績」として融資審査のプラス材料になる可能性があります。起業準備中に最初のお客さまから仕事を受注してみることは、お金の面でも評価につながります。
- 毎月同額を積み立て、通帳に「規律ある動き」を作る
- 在職中から個人事業として小さく稼ぎ始め、事業実績を記録する
- 申請前に日本政策金融公庫の無料相談を活用し、担当者との関係を作る
起業18会員さんの資金計画から見えてくること

起業18フォーラムの会員さんを長年見ていると、資金の使い方に共通する特徴があります。
- ビジネス・キャリア指導系・専門代行系は、初期費用がほぼゼロから始められるケースが多い
- デジタルコンテンツ・教材系も、制作ツールのサブスクのみで事業スタートできる
- 物理的な在庫や店舗が必要な業種(物販・店舗系)は初期費用の計画が特に重要になる
「知識・スキル・経験を商品にする起業」では、融資を受ける必要すらないケースも少なくありません。まずは「自分が始めようとしているビジネスに本当にお金が必要か」を棚卸しすることが、資金計画の第一歩です。「知・人・金」のうち、多くの会員さんは「知」と「人」を先に動かして、「金」は後からついてきた、という流れで起業を実現しています。
今日からできる「資金の準備」の最初の一歩

お金の準備は「今すぐ大金を用意する」ことではありません。まず仕組みを知ること、そして積み立てを始めること。この2つだけでも、今日からできます。
日本政策金融公庫のウェブサイトには無料の相談窓口があります。「まだ起業は先の話だけど話を聞きたい」というレベルでも相談を受け付けてくれます。怖がらずに一歩を踏み出してみてください。応援しています。
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