起業の準備が終わらない。いつ動き始めればいいですか?

新井一

記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
最終更新日:

● 質問

起業準備を始めたいのですが、完璧に準備が整ってからでないと動けない性格です。もっと勉強してから、もっと事例を集めてから、と思ってしまいます。どうしたらいいでしょうか。

起業前質問集

● 回答

野沢さん(仮名・40代前半)は、ファイナンシャルプランナーの資格を持つ会社員でした。「家計相談の起業準備を始めたい」と思いながら、「もっと事例を集めてから」「もっと実績を積んでから」と考え続け、何もせずに過ごしていました。セミナー代に約18万円使いましたが、最初の相談料を受け取ったのはその後のことです。

転機は、起業18フォーラムに入会し、仲間の「友人に声をかけてみた」という報告を聞いた日でした。翌月、野沢さんは知り合いの主婦2人に声をかけ、試しに無料で家計相談を行いました。2ヶ月後には月2万円、その後6ヶ月で月8万円の収入につながり、12ヶ月目には月収が安定。現在は月収15万円前後で推移しています。

  • 「まだ知識が足りない」→ 本を読む → 「やっぱりまだ足りない」の繰り返し
  • 準備が増えるほど「失敗できない」というプレッシャーも増加する
  • 完璧な準備は存在しないため、スタート地点が永遠に来ない

中小企業庁の中小企業白書によると、廃業の主な原因は「準備不足」よりも「市場との不一致」や「変化への対応の遅さ」にあります。つまり、完璧に準備しても市場の反応は動かしてみなければわかりません。

拙著『起業がうまくいった人は一年目に何をしたか?』に「案ずるより産むがやすし」という考え方が出てきます。著者がサポートしてきた起業家に共通するのは、最初から完成度の高いサービスを持っていたのではなく、「まず20点で出して、反応を見ながら育てた」というパターンです。

完璧主義が最も大きなコストをかけているのは、時間です。動かない1年間に失った顧客経験は、お金では買い戻せません。

  • 知り合い1人に「試しにやってみせる」だけでいい
  • 有料化は「またお願いしたい」と言われてから考える
  • フィードバックこそが、どんな準備よりも価値ある情報になる

準備が終わるのを待つのではなく、動きながら準備が育っていく構造を選ぶことが、完璧主義から抜け出す唯一の方法です。

完璧主義が起業の邪魔をしている場合の対処法を教えてください。
「準備が整ってからにしよう」と思い続けて、気づけば8ヶ月が経っていました。完璧主義の性格でスタートを切れないで

「もう少し準備したら」という声は、これからも頭の中に聞こえてきます。それでも一歩踏み出した人が、実際の市場で答えを見つけています。今日できることは、知り合いの中から「話を聞いてくれそうな人を1人選ぶ」ことです。声をかけるのはその次でかまいません。


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記事執筆/監修:新井一(あらいはじめ)起業支援キャリアカウンセラー

新井一
起業18フォーラム代表。「会社で働きながら6カ月で起業する(ダイヤモンド社)」他、著書は国内外で全13冊。最小リスク、最短距離の起業ノウハウで、会社員や主婦を自立させてきた実績を持つ。自らも多数の実業を手掛け、幅広い相談に対応している。

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