記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
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● 質問
会社員のまま起業準備を始めたいのですが、「まず事業計画書を作るべきか」と迷っています。一方で、計画書を完成させようとすると半年以上止まってしまう不安もあります。
事業計画はいつ・どの程度作れば動き出せるのでしょうか?

● 回答
事業計画書は、最低限の4項目だけあれば動き出せます。手順を順番に整理していきます。「金融機関に出す本格版を最初に作る」のではなく、「自分の意思決定に使える最小版」をたった1枚だけ書いてから動き出す、という順番です。
拙著『会社員が働きながら月30万円を稼ぐ起業法』の冒頭で書いていることのひとつに、いわゆる事業計画書不要論があります。小さく在職中に動き出す段階では、A4用紙1枚におさまる4項目があれば十分、というスタンスです。
- 誰に売るか(具体的な顔が浮かぶ1人)
- 何を売るか(3分で説明できる単発商品)
- いくらで売るか(最低価格と理想価格の2点)
- 半年後の到達点(売上・契約数・気持ちの状態)
4項目を書く作業は、紙とペンがあれば30分で終わります。最初から完璧な計画書を作ろうとすると、たいてい仮説の検証へ進めず、書き直しと情報収集の往復で半年が消えていってしまいます。起業18フォーラムで支援してきた経験から見ても、最初の半年で止まる方の多くが、この罠にはまっていました。
2026年5月1日に閣議決定された「2026年版中小企業白書・小規模企業白書」でも、小規模事業者の開業段階では「計画の精緻さよりも仮説検証の回転数」が成果に直結すると整理されており、最初の事業計画書は、走りながら更新していく前提で十分なのです。
起業18フォーラムにいた松木さん(仮名・40代後半・男性・地方銀行の支店融資担当・既婚・子ども1人)は、銀行員らしく、最初は20ページ規模の事業計画書を書こうとして、3ヶ月かけて目次しか埋まらない状態が続いていました。起業18フォーラムに参加して、勉強会で「不要論」と「最小4項目」の整理に出会い、計画書を一度ゴミ箱に入れて、A4一枚に書き直したのです。
松木さんが書いた4項目は「誰に=中小製造業の二代目社長/何を=財務見直しスポット相談/いくら=3万円〜10万円/半年後=月1件×3万円」というものでした。書いた翌週から、本業で接していた取引先の社長2名にスポット相談を提案し、3ヶ月目には最初の3万円が動きました。現在は13ヶ月目で月7万円の継続契約が2社、本格版の事業計画書は、退職前に書く予定だそうです。
もうひとつ、最近の現場で増えている運用があります。毎月の進捗を起業18フォーラム宛てに「報告メール」として送っていただくと、ご自身の振り返りになるだけでなく、その履歴をAIに読み込ませることで、数字の変化や弱点を客観的に見直すこともできるのです。計画書のような重い文書ではなく、月に1回のメールで進捗を言葉にしていくほうが、続けやすい方ははるかに多いと感じています。
最初の事業計画書は、誰かに見せるための文書ではなく、自分の動き方を決めるためのメモで十分です。20点の4項目を今夜書いて、毎月見直すサイクルに乗せていくこと。それが結果的に、半年後の質的な飛躍につながっていきます。

来月末、自分宛てに「今月の進捗」を1通だけメールしてみてください。宛先が自分自身であっても、書くという行為そのものが、次の月の動きをそっと変えていきます。
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