記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
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● 質問
現在育児休業中で、この期間を活用して個人事業の起業準備を進めようと考えています。
育休中でも起業準備の勉強をしたり、将来のサービス設計を考えたりすることは問題ないと思うのですが、実際に個人事業として仕事を受注した場合、育児休業給付金への影響や会社の就業規則との関係で何か問題が出るのか不安です。
どの範囲までなら安全でしょうか。

● 回答
あくまでも一般論としてお答えしますね。育休中の起業準備について、ここは「準備活動」と「実際の就業(仕事の受注・報酬の受け取り)」を明確に分けて考えることが重要です。
「準備・勉強・設計」自体は法的な制限を受けません。一方、実際に仕事を受注して報酬を得る段階では、就業規則の確認と育児休業給付金への影響を必ず把握してから動くことが必要です。
「起業準備」と「起業した活動」の違い
法律上、育休中に起業の「準備活動」をすることを禁止している規定はありません。読書・セミナー参加・ビジネスプランの設計・ウェブサイトの構築などはすべて「準備活動」であり、自由に行えます。
問題が生じるのは、実際に仕事を受注し、報酬を受け取り始めた場合です。この段階になると、「就業」と見なされる可能性があり、以下の2点を確認する必要があります。
- 会社の就業規則:個人事業・兼業に関する規定の確認が必要。事前申請が必要なケースもある
- 育児休業給付金への影響:就業した日数・時間が一定を超えると給付金が減額・不支給になる可能性がある
育児休業給付金が影響を受けるタイミング
雇用保険の育児休業給付金は、支給単位期間(通常1ヵ月)ごとに、就業日数が10日以下(10日を超える場合は就業時間が80時間以下)であることが支給条件です(雇用保険法施行規則に基づく)。不支給になるのは「就業日数10日超」かつ「就業時間80時間超」の両方を同時に超えた場合のみです。どちらか一方だけ超えても、もう一方が範囲内であれば給付金は支給されます。
個人事業として仕事を受注する場合、「就業した日」が積み重なると上限に近づきます。開業届を出して少しでも仕事をしただけで全額失われるわけではありませんが、日数管理が必要になります。
- 就業日数10日以下(または、10日超でも就業時間が80時間以下):給付金は支給。個人事業・他社からの収入額は給付金の減額計算に含まれないため、日数・時間の上限を守れば収入がいくら高くても給付金は減額されない
- 就業日数11日以上かつ就業時間80時間超の支給単位期間:その期間の給付金は不支給
- 就業日数・就業時間は必ず記録し(業務日報・タイムカード等)、申請時に証拠書類の提出が必要
- 詳細な判定は勤務先所轄のハローワークに確認することを推奨
育休中に起業準備を進めるための現実的な戦略
育休期間は「起業準備の黄金期間」になりえます。本業がない分、じっくり考える時間が取れます。ただし動き方には段階を設けましょう。
- 育休前半:ビジネスアイデアの整理・市場調査・商品設計・発信の準備など「受注前の活動」に専念
- 育休後半(復職を考えながら):会社の就業規則を確認した上で、小規模な受注を試みるかを判断
- 復職後:本格的に事業を動かし始める。在職中の起業準備として継続
育休中に「考えること・設計すること・学ぶこと」は全力でやっていい。実際に受注・報酬を受け取るステップに進む前に、就業規則と給付金ルールを確認してから動く。この順番を守るだけで、リスクは大幅に下がります。
- 準備活動(勉強・設計・ウェブ構築など)に法的制限はない。育休中でも自由に進められる
- 実際の就業(受注・報酬受け取り)は就業規則と育児休業給付金の条件を必ず確認してから
- 給付金が不支給になるのは「就業日数11日以上かつ就業時間80時間超」を同時に超えた場合のみ。個人事業の収入額は給付金の減額計算に影響しない
- 就業した日数・時間は記録を残し、申請時に証拠書類(業務日報等)を提出すること
育休中に起業準備を始める方を応援しています。不安な部分はハローワークや社労士に確認しながら、安心して準備を進めてください。
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