記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
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● 質問
未就学児を育てながら、朝晩のわずかな時間で起業準備をしています。今は単発の作業を請け負って少し収入を得ていますが、手を動かした分しか入らないので、子どもが熱を出すと収入もゼロになります。
働いた時間に比例するのではなく、少しずつ積み上がっていくような収入を作るには、何から始めればいいのでしょうか?

● 回答
子どもを寝かしつけたあとの、静かな部屋。その三十分を「積み上がる収入」に変えていきたい、という問いですね。手を動かした分だけ入る働き方の不安は、よく分かります。
ここで一つ問い直してみてほしいことがあります。「収入が積み上がらない」のは時間が足りないからではなく、作った成果がその場で消えてしまう種類の仕事を選んでいるから、という可能性です。同じ朝晩30分でも、何を作るかで、収入の性質はまったく変わります。
フェーズ1:今の仕事を「消える型」と「残る型」に分ける
まず、今やっている単発の作業を一度見直します。納品したら関係が終わる仕事は、時間と引き換えに収入が消える「フロー型」です。一方、一度作れば後から何度も価値を生むものは「ストック型」です。
拙著『会社を辞めずに朝晩30分からはじめる起業』では、商品の形を、お試しの入口、メインの仕事、ついでの追加、そして月会費や継続契約のような積み上がる形の四つに分けて整理しています。このうち四つ目の「積み上がる形」を、フロー型の仕事と並行して少しずつ仕込んでいくのが、時間の限られた人ほど効いてきます。
フェーズ2:予算・期間・出口を仮決めする
積み上がる収入は、すぐには立ち上がりません。だからこそ、始める前に三つを仮決めしておくと、途中で迷子になりません。いくらまで使うか(予算)、いつまで試すか(期間)、どうなったら次に進むか(出口)を、先に紙の上で決めておいてください。
金額の目標は、最初は小さくて構いません。日本政策金融公庫の2024年度の調査では、本業を持ちながら起業しているパートタイム起業家の月商は、90.2%が50万円未満です。小さく始めて、無理のない規模で続けている人が大多数なのです。育児中なら、なおさら小さく始めて長く続けるほうが理にかなっています。
フェーズ3:朝晩30分を「積み上げる時間」に充てる
毎日の30分を、消える作業ではなく、残るものを少しずつ作る時間に充てます。一本の記事、一つの教材、何度も使える型。今日の30分が、明日の自分の代わりに働いてくれる形を選んでいきます。
起業18フォーラムにいた早瀬さん(仮名・30代後半・女性・未就学児の子育て中・デザイン関連の仕事)は、当初、単発のデザイン制作を朝晩の時間で請け負っていました。手を動かした分だけ収入になる反面、子どもの体調次第で予定が崩れ、半年ほど経った頃には「このままでは続かない」と壁を感じていたそうです。
動き出したのは、起業18フォーラムの勉強会のワークで自分の仕事を一つずつ書き出すうち、「これは全部その場で消えるフロー型だ」と自分で気づいてからでした。会員仲間と進捗を見せ合う中で出口を決め、自分の制作ノウハウを、初心者向けのテンプレート教材としてまとめ始めたのです。
最初は売れるか半信半疑でしたが、テスト販売の反応を見ながら少しずつ改良を重ねました。一年後には、その教材が毎月決まった額の収入を生むようになり、子どもが熱を出した週でも収入が途切れない土台ができていました。
- 納品で終わる仕事と、後から効く仕事を分ける
- 予算・期間・出口を、始める前に仮決めする
- 毎日の30分を「残るもの」を作る時間に充てる
積み上がる収入は、特別な才能ではなく、何を作るかの選び方から生まれます。今ある自分のスキルから、一度作れば何度も使えそうなものを一つ選び、小さなテスト販売の告知を一本だけ出してみてください。

子育てと両立しながらここまで動いてきたこと自体が、すでに大きな一歩です。一度で完璧な仕組みを作ろうとせず、少しずつ景色を変えていけば大丈夫です。
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