朝の30分で起業準備は本当に進む? 子育て中エンジニアが積む4STEPは

新井一

記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
最終更新日:

● 質問

30代後半、自動車メーカーの設計エンジニアです。3歳の子どもが起きる前の朝5時から30分だけ起きて準備しようと決めましたが、何をすればいいのかわかりません。

情報を集めているうちに30分が終わっていく日が続いています。眠さに勝ってまでやる価値のある30分の使い道はあるのでしょうか?

起業前質問集

● 回答

朝の30分は、家族が起きる前のいちばん集中できる時間です。今日はこの30分の使い道を、入口から順番に見ていきます。

子育て中のエンジニアさんが朝の30分で「情報集めだけで終わる日が続く」とおっしゃる相談は、起業18フォーラムにも本当によく届きます。原因は眠さや意志の弱さではなく、30分のあいだに「考えるテーマ」が大きすぎて、毎朝ゼロから探し始めているからです。30分は探索ではなく作業の時間に変えると、続きます。

STEP1 最初の30日:業務で書いてきた資料を1つコピーする

最初の30日間は、勤務先で自分が書いた設計書・議事録・チェックリストから「社外秘に触れない雛形」を1つ選び、30分かけて私物のノートに書き写すだけです。新しい情報は探さない。これだけです。30日続けると、自分の業務で繰り返し使ってきた手順が、自分の手元に「資料化された1枚」として残ります。

STEP2 31〜60日目:その手順を会社の外で使う場面を考える

30日目を超えたら、書き写した雛形を見ながら「会社の外でこれを必要とする人は誰か」を毎朝1人だけ書き出します。同業の中小メーカー、業界外の機械設計コンサル、社外活動エンジニア向けのコミュニティ運営者。1人ずつ書き出していくと、自分の手元の雛形に値段がつく相手が必ず3人〜5人浮かんできます。

STEP3 61〜90日目:浮かんだ相手の1人に試作を渡す

浮かんだ相手のうち、知人ネットワークで直接連絡が取れる1人に「無料でいいので30分話を聞かせてほしい」と頼みます。30分のヒアリングだけで構いません。その上で、自分の雛形を相手の業務に合わせて30分かけて改良します。これも朝の30分の中でやり切ります。

STEP4 91〜180日目:500円でも有料化する

改良したテンプレートを「500円でいいので使ってみてください」と渡す。

中小企業庁が2026年4月に公表した2026年版中小企業白書では、小規模事業者の経営リテラシーが業績の差を生むと示されています。あなたの手元にあるのは、大手メーカーの現場で磨かれた業務知識という、小規模事業者の手元には届きにくい資産です。500円の値づけでも、相手の手元に何かが残れば、半年後に「もう少し続けてほしい」という相談が必ず来ます。

拙著『朝晩30分 好きなことで起業する』にこんな言葉が出てきます。「30分の積み上げが信用に変わる時間軸は、本人が思っているよりも短い」。朝の30分は探索の時間ではなく、すでに自分の中にあるものを社外の1人に向けて整える時間です。

毎朝の30分の最後に、その日に書き写した雛形のタイトルを1行だけメモに残してください。翌朝、ゼロから探さずに「昨日の続き」から始められます。

今夜、机の上に明日朝のメモを置いてから寝てください。「明日30分でコピーする雛形のファイル名」を1行書くだけで、明朝の30分が探索ではなく作業から始まります。


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記事執筆/監修:新井一(あらいはじめ)起業支援キャリアカウンセラー

新井一
起業18フォーラム代表。「会社で働きながら6カ月で起業する(ダイヤモンド社)」他、著書は国内外で全13冊。最小リスク、最短距離の起業ノウハウで、会社員や主婦を自立させてきた実績を持つ。自らも多数の実業を手掛け、幅広い相談に対応している。

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