記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
最終更新日:
● 質問
会社員として副業を始めたいのですが、最初はリスクが少ないアルバイトや時給契約の仕事から入ろうと考えています。
雇用契約の副業なら確実に収入が入ると思うのですが、起業準備としては不向きでしょうか?

● 回答
副業はアルバイトから始めるのが安全だと思っていませんか。起業準備の視点では、時給契約はむしろ遠回りになることが多いのです。確実に収入が入るという見え方の裏側には、起業に育たない構造的な落とし穴があります。
厚生労働省の副業・兼業ガイドラインでは、副業形態として雇用契約・業務委託・委任など複数の選択肢が整理されています。同じ「副業」という言葉でも、雇用契約と事業契約では起業準備への影響が真逆になります。
雇用契約の副業に潜む落とし穴
- 労働時間が本業と通算され健康・割増賃金のリスクが残る
- 顧客リストが残らず、自分の商品が育たない
- 時間を売る構造のため収入の天井が時給で固定される
- 本業+副業の長時間労働で起業準備の思考時間が消える
厚生労働省のガイドラインでは、雇用契約の副業の場合、本業と副業の労働時間が通算され、長時間労働による健康・割増賃金の論点が残ります。会社員のまま起業準備を進める方にとって、この通算規定は意外と大きな足かせです。時間を売る副業は、現金は早く動きますが、起業の資産は1つも積み上がりません。半年後・1年後に手元に残るのは、当月の振込履歴だけです。
事業契約に切り替えた会員Yさんの修正
起業18フォーラム会員のYさん(仮名・40代前半・男性・大手商社経理10年・既婚子1人)は、起業準備として時給1,500円のオンラインアシスタント業務を選び、半年続けました。月収はプラス6万円になりましたが、本業+副業で平均労働時間が週60時間を超え、本業のパフォーマンスが落ちて評価が下がる事態に。さらに半年経っても「自分の商品」は何も育っていませんでした。
起業18参加後、Yさんは勉強会で「時給契約は事業に育たない」を学び、本業の経理スキルを単発の業務委託契約に切り替えました。具体的には、中小企業向けに「月次決算チェック+経営者向け数字説明レポート」を月額28,000円の業務委託契約で提供する形です。最初の1社は本業時代の取引先の社長に直接提案して獲得しました。時給ではなく成果物単位の契約に変えただけで、同じ作業時間で2倍の単価、かつ顧客リストが残る形に転換できました。12ヶ月目に月6万円、18ヶ月目に月15万円の継続収入で本業を続けながら経理顧問先5社を持つ状態に到達しました。
事業契約に切り替える具体的な順番
拙著『起業神100則』に「最初に売る相手は身近な1人」という考え方が出てきます。Yさんの最初の1社は、本業で過去5年間取引のあった中小企業の経営者でした。新規開拓ではなく、すでに信頼関係がある相手に対して、自分の本業スキルを業務委託契約として提案する。これが在職中の会社員にとって最も再現性の高い経路です。
- 本業で過去5年に取引のあった経営者リスト30名を書き出す
- その中で「自分の業務スキルが活かせそうな相手」を5名に絞る
- 業務委託契約のテンプレートを準備(成果物・期間・報酬を明文化)
- 最初の1社に月額数万円の継続契約として提案する
会社の就業規則で副業の届出が必要な場合は、業務委託契約の方が雇用契約より承認が下りやすいケースもあります。理由は単純で、労働基準法上の労働者に当たらない業務委託は労働時間通算の対象外で、本業の労働時間管理に影響しないからです。ただし、契約名が業務委託でも実態が労働者と判断される場合は別です。時間ではなく成果物を売る契約に変えるだけで、起業に育つ副業に変わります。

今週中に、本業の業務範囲で過去5年に取引のあった経営者・担当者の名前を、30名分書き出してください。そのリストは時給副業では絶対に手に入らない、あなたの最大の資産です。時給で支払われる仕事は「今月の現金」、事業契約は「来月の信用」。両方の蓄積が違います。
来週、そのリストから1名だけ選び、自分の業務スキルを月額数万円の業務委託契約として提案してみてください。半年の時給副業より、その1件の方が、起業準備として圧倒的に前に進みます。
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