ブランディング本10冊読んでも進まない会社員へ|起業準備で先にやる順番は?

新井一

記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
最終更新日:

● 質問

「会社員のうちにブランディングを始めるべき」とよく聞き、本を10冊ほど読みました。けれど何から手を付ければいいか分からないまま半年が過ぎてしまっています。実際は何から始めるべきでしょうか?

起業前質問集

● 回答

自己流でブランディング本を10冊読み、知識だけが増えて何も実行できていない、という相談が届くことがあります。私の26年の起業支援の中でも、最も再発する失敗パターンです。ブランディングは作るものではなく、行動の結果として積み上がる現象です

ブランディング知識先行で止まる人の構造
本を読むほど動けなくなる典型パターン

  • ロゴ・パーソナルカラー・キャッチコピーから決めようとする
  • SNSアカウントのデザインを完璧にしてから発信を始めようとする
  • 自分の強みを「整える」言葉が見つからず投稿できない
  • 影響力のある発信者の真似に時間を使い疲弊する
  • 結局、半年経って投稿数ゼロのアカウントだけが残る

ブランディング書籍の多くは、すでに事業実態がある中堅企業向けに書かれています。会社員で起業準備を始めたばかりの段階は、整える対象がまだ存在していません。にもかかわらず先に整えようとするので、空回りが続きます。

ステップで考える「順番が決まれば動ける」

中小企業庁「2024年版中小企業白書・小規模企業白書」では、小規模事業者が売上を確保し、持続的に発展していくための取組として、顧客ターゲットの明確化などが挙げられています。ブランディングよりも先にやるべきは、顧客像を1人決めることです。1人決まれば、その人に届く言葉が決まる。言葉が決まれば、自然と発信が始まる。発信が積み上がってから、はじめてブランディングという結果が出てきます。

段階で整理すると、こうなります。第1段階は「誰の何を解決する人なのか」を1行で書ける状態を作る。第2段階はその1人に向けた発信を週1本だけ続ける。第3段階で初めて、配色・アイコン・プロフィール文の整え直しに入ります。第1段階を飛ばして第3段階から入ると、本を10冊読んでも動けない状態が続きます。

  • 顧客像を1人に絞る起点
  • 週1本発信の継続設計
  • 整える作業を後回しにする順番
起業18フォーラム会員・矢野さんの順番直し

起業18フォーラム会員の矢野さん(仮名・40代後半・男性・大手製造業の品質管理職・既婚で中学生子2人)も、最初の半年は自己流でブランディング本を10冊以上読んで止まっていました。SNS発信は1本もできず、ロゴ案だけがメモ帳に20個並んでいたそうです。

起業18フォーラムに参加して、勉強会で「品質管理25年の現場知識を中小製造業に渡す」というコンセプトを書き出したことが転機でした。矢野さんが書き出した1行は「ISO認証の取得に疲れた中小製造業の品質責任者を、月1回の伴走で支える人」でした。この1行ができてから、発信は自然と続くようになり、ロゴもプロフィールも3週間で決まったそうです。現在18ヶ月目で月17万円、製造業5社と顧問契約を結んでいます。

拙著『会社員が働きながら月30万円を稼ぐ起業法』に「STAGE論」という考え方が出てきます。STAGE Iの「最初の1人を獲得する」段階を飛ばして、STAGE IIIのブランディング段階に進もうとしていたのが矢野さんの初期の状態でした。順番を入れ替えただけで、止まっていた半年が動き始めました。

今夜、紙に1行だけ書いてみてください。「誰の何を解決する人として、自分は社会に出ていくのか」を書く1行です。ロゴ案・カラー・キャッチコピーは、その1行が決まった後で十分間に合います。

来週、その1行を起業18の勉強会や信頼できる人に見せて、伝わるかどうかを確認してみてください。ブランディングは作るものではなく、積み上がる結果です。


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記事執筆/監修:新井一(あらいはじめ)起業支援キャリアカウンセラー

新井一
起業18フォーラム代表。「会社で働きながら6カ月で起業する(ダイヤモンド社)」他、著書は国内外で全13冊。最小リスク、最短距離の起業ノウハウで、会社員や主婦を自立させてきた実績を持つ。自らも多数の実業を手掛け、幅広い相談に対応している。

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