起業準備に「安全な道」はある? 26年の支援で見えた“安全の正体”

新井一

記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
最終更新日:

● 質問

会社員のまま月数万円の起業準備を始めたいのですが、不安が大きく「安全に始められる道はないか」と毎日検索しています。

家族に迷惑をかけたくないので、リスクゼロで進められる「安全な道」は存在するのでしょうか?

起業前質問集

● 回答

「会社員の起業準備に安全な道はある」と思っていませんか? 結論からたどると、リスクゼロという意味での安全な道は存在しません。けれども、リスクをコントロールできる範囲に収める道はあります。この違いを最初に飲み込めるかどうかで、その後の半年が大きく変わります。

パーソル総合研究所の在職中の収入活動に関する調査によると、50代正社員で実際に在職中のスモールビジネスを動かしている男性は5.7%、女性は6.2%にとどまります。「興味はあるが動けていない9割の会社員」が探しているのは、安全な道ではなく『漠然な不安が消える根拠』なのです。パーソルの数字は、検索行動と実行率のあいだに大きな谷があることを示しています。

拙著『起業神100則』にはこんな仮名事例が載っています。「不安の正体は『漠然』であり、紙に書き出した瞬間に対処できる具体に変わる」という考え方です。安全という言葉の中身を分解すると、たいてい次の4つに分かれます。

「安全」を分解する4つの問い

  • 失っても生活が続く金額の上限はいくらか
  • 本業に支障が出ない時間枠はどこか
  • 家族との合意ラインはどこまでか
  • うまくいかなかったときの戻り道はどう設計するか

起業18フォーラムにいた澤口さん(仮名・40代前半・女性・損害保険会社・夫と小学生の子ども1人)は、最初の半年は独学で「安全な始め方」を検索し続けていたものの、月収は0円のまま動けずにいました。起業18フォーラムに参加して、勉強会で「不安は紙に書いた瞬間に具体的な課題になる」という整理に出会い、その夜に上の4つの問いに自分の数字を書き入れたそうです。

澤口さんが書いたのは「予算20万円・本業に支障が出ない朝晩30分・夫との合意は月5万円超えたら家計に算入・戻り道は半年休止」の4行でした。書いた翌週から週末の30分だけ動き出し、9ヶ月目に最初のクライアントから月3万円、現在14ヶ月目で月7万円の継続契約2社を会社員のまま継続しています。

「安全な道」を探す検索は、たいてい不安を消すために行われます。本当に必要なのは、不安を消すことではなく、不安をコントロールできるサイズに切り分ける作業です。26年の支援現場で、このひと手間を済ませた会社員ほど、半年後の到達点が違いました。

独立直前にやる「最後の準備」を1つ選ぶとしたら何でしょうか?
● 質問 会社員のまま起業準備を続けて3年、月収が安定し、いよいよ独立を考えています。「独立して後悔した」「想

「安全な道」と思えるその検索ボックスを、「リスクの上限を決める4つの問い」に置き換えてみてください。それだけで、止まっていた半年が動き出すことがあります。


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記事執筆/監修:新井一(あらいはじめ)起業支援キャリアカウンセラー

新井一
起業18フォーラム代表。「会社で働きながら6カ月で起業する(ダイヤモンド社)」他、著書は国内外で全13冊。最小リスク、最短距離の起業ノウハウで、会社員や主婦を自立させてきた実績を持つ。自らも多数の実業を手掛け、幅広い相談に対応している。

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