記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
最終更新日:
● 質問
会社員のまま起業準備を続けて3年、月収が安定し、いよいよ独立を考えています。「独立して後悔した」「想像より厳しかった」という声をネットで見るたびに不安になります。
退職する前に、これだけはやっておけ、という準備があれば教えてください。1つに絞って優先したいです。

● 回答
まず全体像から。独立直前にやる準備を1つに絞るなら、「3年以内に再就職できる状態を残したまま独立する」設計です。退路を絶つ覚悟ではなく、退路を設計する技術が、結果的に攻めの判断と長期の継続を生みます。順序立ててお伝えします。
厚生労働省「2024年版 労働経済白書」によると、起業後5年以内に再就職した経験者のうち、「在職中のスキル・人脈が再就職に直接活きた」と回答した人は67.4%です(出典:厚生労働省)。在職中の信用資産は退職後も保存されますが、放置すると数年で陳腐化します。独立直前の準備とは、この信用資産を「再就職可能な状態」で凍結保存しておく作業です。
- ステップ1:退職前6ヶ月で職務経歴書を最新化(再就職時にすぐ動ける状態)
- ステップ2:上司・同僚・取引先と良好な状態で退職する(出戻り・推薦の余地)
- ステップ3:退職金・貯金・想定収入で「最長何ヶ月持ちこたえられるか」を月単位で計算
- ステップ4:撤退基準を1つ決める(例:6ヶ月連続で月収5万円未満なら再就職活動を再開)
拙著『起業がうまくいった人は一年目に何をしたか?』に「成功も失敗もない。あるのは続けるかやめるかだけ」と書きました。続けるかやめるかを冷静に判断するためにこそ、戻る場所が必要です。戻れるからこそ、目の前のチャレンジを思い切って進められます。
もう1つ、独立直前にありがちな落とし穴をお伝えします。私のこれまでの起業支援の経験では、ブレイク直前に「ここからは自走します」とサポートを切ってしまい、ちょっとの支出を惜しんで投資判断を引っ込めてしまう方が一定数います。現在地を把握できないまま投資を引くと、続いていたはずの伸びが止まります。退路設計と現在地把握は、両方を持って初めて機能します。
- 退路設計:戻る場所と再就職体力の確保
- 現在地把握:売上・反応・心の摩耗度の月次記録
- 撤退基準:感覚ではなく数字で線を引く
退職前の最後の1ヶ月で、職務経歴書の更新と撤退基準の言語化だけは必ずやってください。この2つがあれば、独立後に景色が荒れたときでも軸がぶれません。

独立は覚悟でやるものではなく、設計でやるものです。退路を残したから攻められた、という事例を支援現場でいくつも見てきました。覚悟で飛ばずに、設計で進んでください。
さらに詳しく知るには、以下より検索してみてください!
★【起業セミナー】会社員のまま始める起業準備・6ヵ月で起業する!
★【動画セミナー】あなたのタイミングで学べる動画版もあります!
